完全なる報復(2009年・アメリカ) [2012年 レビュー]
原題:LAW ABIDING CITIZEN
監督:F・ゲーリー・グレイ
脚本:カート・ウィマー
知人の映画プロデューサーから勧められた1本。
ジェイミー・フォックスとジェラルド・バトラーが共演したR15+のサスペンスです。
ペンシルバニア州フィラデルフィア。
クライド(ジェラルド・バトラー)は自宅に突然押し入って来た2人組の強盗に妻と娘を殺害される。犯人は逮捕されるが証拠に乏しく、有罪を勝ち取れないことを恐れた判事のニック(ジェイミー・フォックス)は主犯格のダービーと司法取引を行い、ダービーは極刑を免れる。これにクライドは猛反発したが現行の法律ではどうにもならなかった。
それから10年後。クライドはついに復讐を開始する。それは抜け穴だらけの法律に対する復讐でもあった。
かなり面白いです。
見どころはクライドが仕掛ける復讐の手法。ニックとダービーの司法取引で煮え湯を飲まされたクライドは、ある殺人容疑で収監されたあと、ニックに次々と取引を持ちかけます。
刑務所のベッドのマットを高級品に取り替えてくれたら自白をする。
ランチにステーキとBGMを用意してくれたら行方不明になっている弁護士の居所を教える。
明日午前6時までにすべての告訴を取り下げてくれたら復讐を終わりにする。
協力者がいなければ絶対に不可能なことを、刑務所にいながら実行していくクライド。このまったく想像も出来ない、かつ巧妙な“復讐劇”こそ本作最大の見どころ。種類は違いますが「オーシャンズ11」や「ミッション・インポッシブル」と同じ。「ターゲットをはめるために幾重にも仕掛けた罠」を愉しむ映画です。
たったの108分という尺もいい。
冒頭クライドの家族が襲われるシーンはあっという間の展開で、なのに観客はたちまち感情移入を果たすほど、残酷で憎々しい作りになっているところが見事。以降、余計なサブストーリーも一切なく(ニックと部下のサラは男女の関係があるのかと思った)、ゴールへ向かってまっしぐら。見事にシェイプされた脚本で感心させられました。
主演の2人も良い芝居をしています。
ジェイミーは成績(有罪率)にこだわる傲慢な判事を嫌みなく演じ、ジェラルドは被害者と加害者の狭間に立つ復讐者の執念を実に冷静に演じていました。
先の読めないスリルと意外性を味わいたいならオススメ。
ジェラルド・バトラーというと毛深くて濃い顔というだけで苦手なのですが
意外性を味わえるという点で興味を持ちました。DVDでみたいと思います。
by うつぼ (2012-08-19 15:46)
これ、劇場で観ました。 アメリカで大評判になったらしいのに日本ではなかなか上映せれず、ジリジリと待ち、公開が決まったら飛んでいきました。
期待に違わず面白かったです。
東京では封切りは確か2週間程度の短期公開でした(その後、アチコチで見掛けましたが)。
by 怪しい探麺隊 (2012-08-19 16:46)
すごく観たくなったんですけど、R15+が不安。
by rosemary (2012-08-19 21:09)
>うつぼさん
ジェラルドの濃さを好まない人はいると思います。
でも、それだけでこの映画を観ないのは食わず嫌いです。
ぜひお楽しみあれ。
nice!ありがとうございます。
>怪しい探麺隊さん
この手の良質な作品が2週間しか掛からないとはなんとも残念。
今さらながら宣伝の大切さを教えられるエピソードですね。
nice!ありがとうございます。
>rosemaryさん
それほど酷いR15+じゃないと思います。
僕だって観てられました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2012-08-19 22:03)
ああ、これは面白そうですねえ。
是非、観たいと思います。
by Sho (2012-08-26 12:26)