ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年・アメリカ) [2012年 レビュー]
原題:FAST FIVE
監督:ジャスティン・リン
脚本:クリス・モーガン
wowowのラインナップに久しぶりに並んだのを観て、「まだ作っとったんかい」と思いつつ、オリジナルキャストによる新作と知って観てみることに。
ところがオリジナルキャストの復活は前作「ワイルド・スピード MAX」(シリーズ通算4作目)からだったらしい。なんだよ。3作目の「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」が吐きそうなほど面白くなかったから、完全にノーマークだったぜ。
前科者になったドミニク(ヴィン・ディーゼル)と指名手配犯になった元FBI捜査官のブライアン(ポール・ウォーカー)はブラジルのリオデジャネイロに潜伏していた。2人は自由を手に入れるため、リオの裏社会を牛耳るレイエスの金に目を付けた。その額およそ1億ドル。そこでドミニクとブライアンはかつての仲間を呼び寄せることに。一方2人を逮捕するため、本国からは最強の捜査官ホッブス(ドウェイン・ジョンソン)のチームが送り込まれていた。
オリジナルキャストとは言え、佳作だった1作目はどんなんだっけ?と思うほど、随分時間が経っているし、1作目の何が面白かったのかを思い出せないほど、本作は脈略のないストーリーだったと思う。
とにかく僕は「イカしたクルマのぶっ飛んだドライブ」が観たかっただけなのに、その願望は満たされないまま終わってしまった。よりによってクライマックスを飾るのは真っ黒なボディの2010年式ダッジ・チャージャーである。色気が無いにもほどがある。
それと途中「オーシャンズ11のパクリかよ」と思わせるのも良くない。
レイエスの金を頂くために仲間を招集し、周到な準備を進めるシークエンスは、誰がどう考えても「オーシャンズ」である。そこにクルマを絡めたネタを盛り込もうと何をしようと、そう思わせてしまったら致命的でしょう。僕は途中何度観るのを止めようかと思ったか知れない。
それでも中だるみを乗り越えたら、色気の無いダッジ2台が街を疾走するシーンは見応えがある。
派手にクルマと街を破壊しながら、ある目的を果たすためにドミニクとブライアンが“デュエット”するのだ。
また壮大な強盗劇の結末も観客が望む方向へ着地させてあって、娯楽映画としての仕事はしていると思う。
これが「ワイルド・スピード」シリーズの1本でなければ、まずまず愉しめたと言えるかも知れない。
例によって1本目が観たくなって来た。
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