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アルティメット(2004年・フランス) [2011年 ベスト10]

原題:BANLIEUE 13  監督:ピエール・モレル

 己の肉体だけを駆使して目的地へすばやく移動するフランス発祥のパフォーマンス「パルクール」。その創始者ダヴィッド・ベルを主人公に据えたリュック・ベッソン製作・脚本のアクション映画。
 わずか85分のお気軽ムービーだけど、これは掘り出し物だった。
 主人公にはもう一人、これが映画デビューとなるシリル・ラファエリ。ラファエリは松濤館流空手と武術太極拳とテコンドーをこなすスタントマンでもあり、本作の見ものはラファエリの格闘アクションと、ベルのパルクールが主軸になっている。

 2010年のパリ。
 郊外の13地区は治安悪化を原因に巨大な壁で隔離され、無法地帯と化していた。
 ある日、政府が作ったミサイル型の時限爆弾が盗まれる。盗んだのは13地区のギャング、タハ。爆発までの時間は24時間。そこで潜入捜査官のダミアン(シリル・ラファエリ)に起爆装置解除の任務が託される。政府は13地区に潜入するための手助けにと、13地区の住人レイト(ダヴィッド・ベル)をダミアンにあてがい、2人はタハの元へと向かうのだが…。

 この「男2人で敵に立ち向かう」という設定が、妙に映画マニアの心をくすぐるのは何故だろう。僕が思い出したのは「明日に向って撃て!」のブッチ&サンダンス。あの清々しさがこの作品にはあった。
 思い返せばアクション映画の主役は大抵が1人で、複数の場合は3人以上、でもやっぱりメインは1人と言うのが多かったように思う。2人だと「両雄並び立たず」になってしまうからスター・システムは成立せず、これはまだ名を成す前の俳優2人でないと作れないタイプの作品なのだろう。だから俳優も初々しいし、清々しさがにじみ出るのかも知れない。

 メインの2人が「パルクール」と「武術」という異なる特技を持っているところもいい。役割が違うからそれぞれ見せ場も作れるし、顔になじみが無くても特技に個性があるから、キャラクターを判別しやすい。パルクールもテコンドーも見応え充分。またリュック・ベッソンの「反体制」に徹した脚本も一本筋が通っていて無理が無く、とても観易かった。
 僕の中では久しぶりにベッソンを見直した1本。続編も続けて観る気になった。

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