コール [2005年 レビュー]
「コール」(2002年・アメリカ) 主演:シャーリーズ・セロン、ケビン・ベーコン
プロデューサー目線で言うならば「重石」に欠けるキャスティング。
正直言ってシャーリーズ・セロンが主役じゃ荷が重い。敵役をやらせるとケビン・ベーコンは天才的な演技を見せるけれど、主役としては線が細い。誘拐モノには欠かせない子役にはやはり天才の名を欲しいままにするダコタ・ファニング。でも僕はこの子キライ。目が子供じゃないもん。「アイ・アム・サム」のとき痛烈にそう思いました。だからこのキャスティングは弱いんじゃないかと思うわけです。
誘拐の手口としては気の利いたアイディアが盛り込まれていて、なかなかやるじゃんと思わせるのですが、麻酔医師の娘を誘拐するに至った理由が邪魔なんじゃないの?と思います。だってそれを聞いちゃうと観客は「ああ、この人たちはゼッタイ娘を殺さないな」と、どこかで犯人たちを見切っちゃうんだもん。これってサスペンスドラマとしては失格じゃない?
褒められたのはオープニングの展開の早さ。褒められないのはオープニングのカメラワーク。
①犯人ナメの母親のカットと、②母親ナメの犯人のカットが、同じように揺れているのは納得が行かない。②は揺れてていい。動揺する母親の心理状態とマッチするから。でも①を揺らしちゃダメ。「羊たちの沈黙」はこの辺りのカメラワークが巧かったのね。
あまりいいこと書きませんでしたけど、小学1年生くらいの娘を持っている親は観ていられないかも。僕がそうなら冒頭の15分で卒倒していると思います(笑)。
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