キャバレー [2005年 レビュー]
「キャバレー」(1971年・アメリカ) 監督:ボブ・フォッシー 主演:ライザ・ミネリ
2002年にアカデミー作品賞を獲得した「シカゴ」。監督のロブ・マーシャルは間違いなくこの「キャバレー」を参考にしてるね。
「シカゴ」の原作を書いたのがボブ・フォッシーだから当然なんだろうけど、「シカゴ」の中のいくつかのシーンは、「キャバレー」をモチーフにしたことは明白。特に「シカゴ」ファーストカットのアイディアは、同じく「キャバレー」のファーストカットを意識して作ったはずだ。もちろんこれだけじゃない。それは撮影もしかり、編集もしかり。とにかくよく出来たミュージカル映画だと思います。
キャスト。まあライザ・ミネリがなんとも可愛らしいこと。彼女がいなかったら「キャバレー」は成立してないね。キャバレーのMC役、ジョエル・グレイの存在感も圧倒的。
スタッフ。編集の構成がいい。と言う意味では監督の手腕が優れていると言うことですね。これはロブ・マーシャルも相当研究したと思う。ジョエル・グレイを狂言回し的に使ったアイディアも「シカゴ」では使われているしね(あれ?でもそれってミュージカル映画の演出法なのかな?そう思うとまだ勉強が足りないかも・笑)。
脚本で言うなら、マクミシリアンという貴族の登場とその後の流れが若干説明不足であることと、ナチによるユダヤ狩りが触り程度のエピソードでしかなく欲求不満が残ったこと。この2点が惜しかったね。
ところで「今さらこの映画を観る必要がある?」と聞かれたらどうしよう。
まあ、「ミュージカルが好きなら観ておくべき」だけど、もしそうでなければ「他をどうぞ」と言うかも知れないな。だって「ねえねえ、キャバレー見た?」って話題が2005年に出るわけないもの。
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