マイライフ・アズ・ア・ドッグ [2004年 ベスト20]
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985年・スウェーデン)
「サイダーハウス・ルール」で一躍有名になった監督、ラッセ・ハルストレムの作品。
「サイダーハウス・ルール」で一躍有名になった監督、ラッセ・ハルストレムの作品。
僕はこれまでに「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」「シッピング・ニュース」の3本を、この人の作品と知らずに観ていずれの作品もすごく好きだったので、今回意識的に観てみようと選んだのが「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」です。
(余談ですが僕と同年代の人ならきっと知っている「アバ・ザ・ムービー」もこの人の作品でした)
「スプートニクに乗せられて地球をぐるぐると回り、最後は餓死して死んだライカ犬に比べたら僕はまだ幸せだ」
12歳の少年イングマルはいつもこう自分に言い聞かせている。
たとえ兄にいじめられても、お母さんがひどい病気でも、お父さんが仕事で南洋へ行ったきり帰ってこなくても…。
病気が悪化したお母さんには療養が必要と診断され、イングマルは叔父さんが住む小さな田舎の村へ行くことになる。そこにはサッカーチームを作っている叔父さんの他、女性の下着雑誌を愛読している寝たきりのアルビドソンさん、一年中屋根の修理をしているフランソンさん、女の子であることを隠してサッカーやボクシングに熱中するサガたちがいた。
村での生活は楽しい日々だった。けれど頭のどこかで町に残るお母さんと愛犬シッカンのことが忘れられなかった。
大した前情報なしで観てしまうと、イングマルが預けられる先が一体どこなのかちょっと不明。余計な心配をさせるのがBAD。
イングマルがプレッシャーを感じると身体に出てくる「ある症状」の後処理がなくて残念。
期待したほど愛犬との接触がないのもちょっと不満。
それとオチのつけ方が僕には理解不明。もう一度観ると判るのかなぁ? この手のストーリーはオチのつけ方が難しいからね。
それ以外は、抑揚の少ないタッチで田舎の人々の触れ合いと、その中にあるほのかな幸福がきちんと描かれていて、とてもいい作品だと思います。
中でもイングマルとサガの心の交流はラストシーンまで実によく描けてる。ラストカットはちょっと嫉妬するくらい綺麗だった。
以前、「男の子供はある時期、親以外の大人の男との接触が必要で、それが人間形成に大きな影響を及ぼす」と本で読んだことがあるんだけど、これはまさにそんなエピソードの連続。
僕も11歳のとき、それは同級生の親戚の家だったけれど、四国松山から大阪まで泊りがけで遊びに行ったことがあって、親元を離れてのこの体験が、いろんなことを学習させてくれたのを思い出します。
2005-02-18 18:35
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