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エンドレス・サマー [2005年 レビュー]

エンドレス・サマー」(1966年・アメリカ) 監督:ブルース・ブラウン

 驚きましたね、あたしゃ。
 1966年にこんな面白いサーフィン映画が作られていたなんて。うきー!
 物語はとっても単純。
 「サーファーにとって究極の夢である“終わらない夏”を求めて、2人の若者がサーフボード片手に世界中を旅する」
 たったこれだけの話です。
 単純だからおもしろい。エンタテイメントソフトの原点のような映画でした。

 もちろん40年も前の映画ですから技術的には未熟です。
 まずレコーディング機材がないために登場人物2人(マイクとロバート)の音声はまったくありません。代わりに監督のブルース・ブラウンが全篇ナレーションを挿入しているのですが、実はこれが大正解。
 あくまでも僕の想像ですが、自分のナレーションだけで面白くするためにはどうすべきか?と考えたとき、「やっぱり楽しくなければダメだ」とブラウンは思ったはずです。
 “撮影したフィルムを自分の友人に見せるとき、どうすれば喜んでもらえるか?”といったこともイメージしたかもしれません。
 その結果彼は見事な編集を施し、的確で判りやすく楽しいナレーションを書きます。この苦肉の策の構造が「エンドレス・サマー」を優れたロードムービーに仕立てたのです。

 肝心のサーフィンシーンも2005年のいま観れば物足りなさを感じます。基本的には陸から見るライドがほとんどですから。しかし一部見られるオンボード映像は、当時としては衝撃的なアングルだったことでしょう。僕自身「66年の作品でここまで撮ったか」と驚きました。これらの映像がのちの監督やカメラマンに与えた影響は計り知れないものがあると思います。

 この映画は10代のときに観ておきたかった。
 観終わって僕はそう思いました。
 もしも10代で観ていたら、僕の人生観は変わっていたかも知れません。

エンドレス・サマー

エンドレス・サマー

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: DVD

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コメント 5

わかります。若いときに観たかった。聞きたかった。そう思うものってありますよね。でも実際、それはそのときにはわからない物が多いのかもしれませんね。ノスタルジーを感じる映画ですね。今年の夏にこの映画のレビューをしたkenさんにniceです。
by (2005-07-27 22:45) 

私は20代になってから観たんですけど、10代に観てたら絶対サーフィンやってましたね。。今じゃちょっとなぁ…(笑)サーフボードを鼻に直撃させて鼻折れたら困るし…←キャメロンじゃん(~_~;)
夏に観たい作品ですよね★☆
by (2005-07-28 02:37) 

ken

>replicalove*さん
 そのときにはわからない物が多いのかも…その通りだと思います。
 今だからこそ分かることって沢山あります。
 それを誰かに伝えられるといいなとも思います。
 nice!サンキュです。

>aikaさん
 僕は23歳のときハワイではじめてサーフィンをしました。
 「ビッグウェンズデー」の影響ですが、それまでにこの映画を観ていたら
 今の自分はきっと違う自分だったと思います。nice!サンキュです。
 
by ken (2005-07-28 05:37) 

ミック

30代の後半からサーフィンを始めた時に
初めて、若い頃に戻りたいと思いました。
サーフィンに恋をしました。
そのサーフィンラブの頃にこの映画を見たので、
愛している人を見る眼差しで見ていました。
あんまり、ステキな映画なので、何度も涙が溢れました(T.T)
by ミック (2007-04-20 23:13) 

ken

僕は中学時代に「ビッグ・ウェンズデー」を観てサーフィンに憧れ
20代の前半でハワイへ行ったときはじめてサーフィンをしたのですが、
残念ながら東京に住む僕がサーフィンを続けられるほど
金も時間もクルマもなかった…。
僕はそんなことを思い出しながら、この映画に涙しました(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-04-20 23:33) 

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