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復讐者に憐れみを [2005年 レビュー]

復讐者に憐れみを」(2002年・韓国) 監督:パク・チャヌク

 「ヒットしない映画にはそれなりの理由がある」と僕が書いたのは、ハン・ソッキュ主演「二重スパイ」のときだ。
 そして今日もまた同じことを書かかねばなるまい。
 「二重スパイ」に比べてその説明はかなり短いけれど。

 そもそも映画とは「観てもらってナンボ」のもんです。

 なのに、「誰を誘って観に行けばいいか分からない」ような映画を作ってどうする!と思います。仮に評論家が絶賛しようと(余計なことすんな)、映画館に客が入らなければすべてはおしまい。製作費の回収も出来ない映画が後世に残るはずもなく、それを無責任に「作品としては良かった!」と言う映画評論家には、だったら製作会社が回収できなかった製作費をカンパしてやれ!と言いたい。あ、怒りの矛先が違うところへ向いてしまいました。

 僕はこの作品を誰にもオススメしません。
 唯一、パク・チャヌクという監督を研究したい人だけが観ればいいと思います。
 では僕がここまで嫌う理由(イコール、この映画がヒットしなかった理由)はなにか。
 それは、よほど深読みしない限り、この映画から得るものが何もないからです。
 この作品の根底には“被害者と加害者は時として逆転するときがある”という不条理が存在しています。このテーマは確かに面白い。でも、「だからってこんなストーリーで、かつこんな映像じゃなくてもいいだろう」と激しく思いました。お金を払って気分悪くなりたい人間なんて、世界中探したってどこにもいないのだ。

 「復讐者に憐れみを」での反省が「オールド・ボーイ」という傑作を生んだのだとしたら、復讐三部作の完結篇、「親切なクムジャさん」はどんな作品に仕上がるのか、ちょっと期待してます。
 ちなみに“娘を奪われ13年間無実の罪で投獄されていた美しき女が果たす復讐のドラマ”だそうです。主演はイ・ヨンエ。あんまり痛いことしないでね。

復讐者に憐れみを デラックス版

復讐者に憐れみを デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/07/22
  • メディア: DVD

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コメント 6

むう、誰にもオススメしないなんて言われると
余計観たくなるってもんです(笑)
今度借りてきます。
復讐三部作観たいですしね♪
by (2005-08-06 21:51) 

ken

ああ、逆効果になってしまいましたね。
でもpaserinさんならではの解釈を聞いてみたく思います。
by ken (2005-08-07 00:45) 

魚河岸おじさん

こんにちは
昨日はお疲れ様でした大変楽しかったです。
早速TBさせてもらいました。以外に簡単でびっくりしました(笑)
kenさんの鋭いご意見いつも勉強になります。
by 魚河岸おじさん (2005-08-07 12:08) 

ken

こちらこそ、旨くて楽しい酒でした。またぜひ行きましょう。
さて、TB初成功おめでとうございます。
これからはガシガシTBしてください(笑)。
by ken (2005-08-07 12:20) 

Sho

見ました。
kenさんのおっしゃる「痛い」が、ア痛テッ・・の方なのか、良くないの意味の方なのか、どっちなんだろう?と思って見始めました。
この作品を見て感じた言葉は「不毛」でした。

>「復讐者に憐れみを」での反省が「オールド・ボーイ」という傑作を生んだのだとしたら

最初から「復讐三部作」を作るつもりで、その第一弾として徹底的に復讐の不毛を描き、二作目から希望を取り入れたのかな?とも思うのですが、
映像その他、kenさんのおっしゃることも、とても納得できます。
by Sho (2006-07-04 12:37) 

ken

今読み返しても怒ってますね、僕(笑)。
それにしても「復讐」ってやっぱり「究極の自己満足」だと思いますね。
by ken (2006-07-05 13:24) 

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