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アンガールズのサイン集めの旅 [広島東洋カープ]

アンガールズのサイン集めの旅 ~広島東洋カープ編~

アンガールズのサイン集めの旅 ~広島東洋カープ編~

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: DVD
 
 自宅近くのCDショップで偶然見つけて買う。
 コレは広島で放送中の番組、「TIM 神様の宿題」(中国放送)の人気コーナーなのだそうだ。その「広島東洋カープ編」らしい。
 内容は「広島カープ開幕一軍登録選手のサインをすべて集めよ!」という宿題に挑戦するもので、本人からサインを貰うのではなく、選手がサインした色紙を広島県内で探す、というものだ。
 
 最近(と言っても少し前からだけど)、ローカル局のバラエティ番組が元気だ。
 例えば大泉洋を全国区のスターにした「水曜どうでしょう」(北海道テレビ放送)。
 「ワッキーの地名しりとり」という名作を生んだ「ノブナガ」(中部日本放送)。
 木村カエラをブレイクさせた音楽バラエティ「saku saku」(テレビ神奈川)。
 いずれの番組もその人気は放送エリア外にまで及び、「ローカルテレビ番組のDVD化や有料インターネット配信」という新たなビジネスケースを生むきっかけになった大ヒット作である。
 では、なぜローカル局のバラエティ番組が元気なのだろう?
 簡単に言ってしまえば「在京キー局では見られないおもしろい番組がそこにある」ということだが、では「地方にあって東京にない」理由はなんなのか?
 
 実はヒットしているローカルバラエティ番組には2つの共通点がある。
 ひとつは「予定調和が存在しない」ということ。
 そもそも予定調和とは、小説やドラマなどの“あらかじめ決められた結末”に向けて物語が収束して行く様を説明したものだが、近年のバラエティ番組も「何らかの目的を達成する」という展開モノが多数作られるようになり、結末は成功か不成功かのいずれか、という予定調和に陥っていた。
 「水曜どうでしょう」の旅企画も「地名しりとり」も秀逸なのは結果にこだわっていないところだ。
 彼らは「オチがつかなくてもいい」と腹を括り、「オチがつくのかつかないのか」を楽しむことにしたのだ。予定調和の放棄である。
 「地名しりとり」も最初はヘンにゆるい企画だなと思った。ところがしばらくして「ゴールするまで何年かかるか誰にも分からない。でも次でゴールしてしまうかもしれない」という事実に気がついた瞬間から圧倒的な面白さを放つのである。
 「予定調和」を別の言葉に置き換えるならば「お約束」である。つまり、今ウケている番組はこの「お約束」が見え隠れしない番組ということになるのだ。

 ローカル局の人気バラエティ番組、もうひとつの共通点は先にも挙げた「企画のゆるさ」だ。
 ワンアイディアを押し切る強引さは(予算の関係で止むを得ないというビジネス上の理由があったにせよ)作り手の自由度が高いローカル局だからこそ出来る強みである。
 そういう意味では「アンガールズ」という“緩さの象徴”のようなタレントを使って、ただ「街に存在するサインを探す」という企画は、まさにローカルバラエティ番組の「ヒットの方程式」に当てはまっているように見える。だから僕も迷うことなく買ったわけだけど、実はこれがちょっと期待ハズレだった。
 そこで今日のひと言。(どんなコーナーなんだ)

 【ゆるくていいのは企画であって、作品ではない】

 アンガールズが広島市内を練り歩き、カープ選手のサイン色紙を集めてまわる。
 この企画はかなりゆるくておもしろい。
 しかし、この【企画】をおもしろい【番組】にする方法は意外と少ない。
 大きくは「サインを発見する場所の意外性」と「サインを持っている人のキャラクター性」の2つが演出ポイントになるだろう。
 100歩譲って後者はまだ見ていられたが、前者「場所の意外性」はまったくと言っていいほど無かったと思う。唯一バッティングセンターだけは面白かったが、それ以外はほとんどが飲食店だったのは残念だった。
 またコンプリートまで150日もかかったと言う割にはアンガールズの苦労の跡が見えないのも残念。ただしこれはアンガールズの回しが面白くないということが決定的な理由だろう。田中と山根を比べるなら断然山根の方がセンスはいいが、大泉洋やワッキーほどじゃないと言うことだ。

 さて、小難しいことをいろいろ書いちゃいましたけど、それでもアンガールズのファンと、カープファンならこのDVDは見る価値があります。
 アンガールズのぐたぐた進行はクスッと笑えるし、本気のカープファンが何人か出て来て我が身の行く末を心配したりするし(笑)。
 中でも僕が楽しんだのは特典映像の「アンガールズが選ぶカープ名場面集」。
 RCCのお蔵だし映像がてんこ盛りで久しぶりに興奮しました。
 「あ~それにしてもワシが生きとる間にもういっぺんくらい優勝して欲しいもんじゃのぉ」
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コメント 6

ラブ

フムフム…。kenさんは、カープファンなのですか?
こういうのって、しょうもない目的を必死に達成しようと
していると、なぜか笑えますよね。
関西のお化け番組「探偵!ナイトスクープ」と一緒ですね。
by ラブ (2006-09-25 14:12) 

ken

はい。熊本出身、愛媛育ち、東京在住25年になりますが、
バリバリのカープファンです(笑)。
「探偵!ナイトスクープ」もDVD買っちゃいました。
でもレンタルで充分だったなあ(ToT)
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-09-25 15:29) 

kotori

アンガールズファン、カープファン、、て私じゃん!
じゃ、買わないといけないですね。
この番組の裏のミリオネアを見てるんで、
チラっとしか見た事ないんですけど、ゆるゆるやってて面白かったです。
by kotori (2006-09-27 21:56) 

ken

あれれれ。kotoriさんは見てると思いましたよお。
ミリオネアなんてきっちりした進行の番組なんか見ないで
ぐだぐた進行を楽しんでくださいよお(ToT)
nice!ありがとうございました。
by ken (2006-09-28 00:01) 

ルースターズ

観ました。ようやく。
すげぇー面白かった。

アンガールズってあんなに面白かったんですね(笑
by ルースターズ (2007-02-05 22:04) 

ken

改めて自分の記事を読みましたが、ずいぶん辛口ですねえ
と言うか、「いいこと書いてんなあ、コイツ」とも思いましたけど(笑)。
同業者じゃなければ、素直に楽しめると思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-02-06 02:16) 

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