ALWAYS 続・三丁目の夕日 [2007年 レビュー]
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007年・日本) 監督・脚本・VFX:山崎貴
監督は「まさか2度目があるとは思わなかった」と語り、プロデューサーは「やるからには前作を越えなければ、やる意味が無い」と宣言したこの続編。
しかし過去のほとんどの例と違わず、この「続・三丁目の夕日」も前作は越えられなかった。
僕は8ヶ月ほど前に脚本だけ読ませてもらっていた。
ページをめくってまずはトップシークレット扱いだったオープニングが気に入った。こんな「つかみ」を持ってくるなんて、監督もなかなかのアイディアマンだなと感心したのだけれど、肝心のストーリーはいささか平凡のような気がした。これを劇的なドラマに仕上げるには、やはり映像の力に頼るところが大きいだろう。しかし、今回はその映像に関して注文を付けたくなる箇所がいくつかあった。
例えば、羽田空港で川渕(小日向文世)がJAL機とパンナム機を背負うシーンのパンフォーカス。
ここはいくら懐かしい機体だからと言って、すべてにフォーカスを合わせる必要は無かったと思う。観客の視点があちこちに散ってしまい、肝心の芝居が台無しだ。
鈴木(堤真一)が茶川(吉岡秀隆)をオート三輪に乗せて走るシーンの背景。
歩道を歩く人々がすべてCGアニメであることは一目瞭然。完全に興ざめした。
日本橋でトモエ(薬師丸ひろ子)と信夫(上川隆也)が別れるシーンの2人の抜け具合。
もう少しキレイにグリーンバックをか抜かないと役者が可哀想。細かいところがソフトエッジになってしまうからヘアメイクもなにもあったもんじゃない。
そして最大ガッカリしたのは、離陸するYS-11の上昇角度が明らかに事実誤認である点と、東京タワーから見下ろす風景のカットが一切挿入されなかったことだ。
中のいくつかは自宅でDVD鑑賞するならさほど気にならないと思う。だから「わざわざ劇場で観なくてもいい映画」と言わざるを得ないところが残念だ。
平凡なストーリーだけれど、今回も泣けるのは事実。
前回同様「人の情けが身に染みる」脚本になっていて、その度ごとに泣かされる。
出演者では堀北真希と小雪がいい。
堀北は前作よりも東北なまりが板につき、まだまだ垢抜けないけれど明るくマジメな少女を上手く演じていた。
小雪はセリフを言わせるとイマイチな感じがするのだが、泣きの芝居だけは抜群に上手い。これはチェ・ジウ以上と言ってもいいかも知れない(笑)。
また、薬師丸ひろ子も日本橋でかつての恋人と再会するシーンはいい芝居をしていて、やはり彼女は下町のおばちゃんよりも、どこか憂いを帯びた役どころが似合う女優なんだなと思った。
ストーリーはともかく相変わらず居心地のいい映画で、146分もストレスなし。
前作を観た人なら、その後の彼らがどんな様子か、覗きに行く必要はあるだろう。
監督は「まさか2度目があるとは思わなかった」と語り、プロデューサーは「やるからには前作を越えなければ、やる意味が無い」と宣言したこの続編。
しかし過去のほとんどの例と違わず、この「続・三丁目の夕日」も前作は越えられなかった。
僕は8ヶ月ほど前に脚本だけ読ませてもらっていた。
ページをめくってまずはトップシークレット扱いだったオープニングが気に入った。こんな「つかみ」を持ってくるなんて、監督もなかなかのアイディアマンだなと感心したのだけれど、肝心のストーリーはいささか平凡のような気がした。これを劇的なドラマに仕上げるには、やはり映像の力に頼るところが大きいだろう。しかし、今回はその映像に関して注文を付けたくなる箇所がいくつかあった。
例えば、羽田空港で川渕(小日向文世)がJAL機とパンナム機を背負うシーンのパンフォーカス。
ここはいくら懐かしい機体だからと言って、すべてにフォーカスを合わせる必要は無かったと思う。観客の視点があちこちに散ってしまい、肝心の芝居が台無しだ。
鈴木(堤真一)が茶川(吉岡秀隆)をオート三輪に乗せて走るシーンの背景。
歩道を歩く人々がすべてCGアニメであることは一目瞭然。完全に興ざめした。
日本橋でトモエ(薬師丸ひろ子)と信夫(上川隆也)が別れるシーンの2人の抜け具合。
もう少しキレイにグリーンバックをか抜かないと役者が可哀想。細かいところがソフトエッジになってしまうからヘアメイクもなにもあったもんじゃない。
そして最大ガッカリしたのは、離陸するYS-11の上昇角度が明らかに事実誤認である点と、東京タワーから見下ろす風景のカットが一切挿入されなかったことだ。
中のいくつかは自宅でDVD鑑賞するならさほど気にならないと思う。だから「わざわざ劇場で観なくてもいい映画」と言わざるを得ないところが残念だ。
平凡なストーリーだけれど、今回も泣けるのは事実。
前回同様「人の情けが身に染みる」脚本になっていて、その度ごとに泣かされる。
出演者では堀北真希と小雪がいい。
堀北は前作よりも東北なまりが板につき、まだまだ垢抜けないけれど明るくマジメな少女を上手く演じていた。
小雪はセリフを言わせるとイマイチな感じがするのだが、泣きの芝居だけは抜群に上手い。これはチェ・ジウ以上と言ってもいいかも知れない(笑)。
また、薬師丸ひろ子も日本橋でかつての恋人と再会するシーンはいい芝居をしていて、やはり彼女は下町のおばちゃんよりも、どこか憂いを帯びた役どころが似合う女優なんだなと思った。
ストーリーはともかく相変わらず居心地のいい映画で、146分もストレスなし。
前作を観た人なら、その後の彼らがどんな様子か、覗きに行く必要はあるだろう。
こんばんは~
出来れば東京タワーから眺めた夕日をラストカットに持ってきて欲しかったなぁと思いました。
あのオープニングのアイディアはナイスです!(笑)
by (2007-11-26 20:51)
東京タワーからの眺めは全員が期待してましたよね。
ホントにガックリでした。ゴジラは笑ったけど。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-11-26 20:56)
そうですね。俯瞰がなかったですね。東京タワーから中途半端に引いていくショットで誤魔化されました。
羽田は気合が空回りってとこですか。異常にスタッフの気合を感じましたが。
ゴジラは、平成で最高傑作でした。
by バラサ☆バラサ (2007-11-27 17:06)
なんでもかんでもフォーカスがバッチリあったキレイなCGを見せればいい
ってもんじゃないと思うんですよねえ(笑)。
東京タワーからの眺めが無かったのは本当に残念でした。
by ken (2007-11-28 00:12)
あのオープニングはかなり嬉しかったです(笑)
JAL機のシーンでスチュワーデスが何人か歩いていたのに、小日向アップで次に写ったところで消えていたのは気になりました。走って飛行機載ったのかな?それとも別便に・・・なんて想像してました(^^ゞ
by (2007-11-28 22:19)
あのシーンはパンフォーカスにする必要は全く無かったと思うんですよねえ。
だから、粗捜しされちゃうわけで(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-11-29 00:31)
こんにちは。私は前作に比べると、がっかりしてしまった部類ですが、
堀北真希ちゃんはとっても良かったと思います。
ストーリーには不満ですが、続編ですから仕方ないのかもしれませんね。
by ノリ (2007-12-02 10:49)
僕も前作と比較するとかなりガッカリしました。
続編の陥りやすいトラップにはまったカンジですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-12-02 11:03)