40歳の童貞男：ナニミル？～DVD日記～：SSブログ

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40歳の童貞男　[2007年レビュー] [編集]

「40歳の童貞男」（2005年・アメリカ）　監督・脚本：ジャド・アパトー　脚本：スティーヴ・カレル

　一見リアリティのなさそうな、でも本当にいたらそいつはどんなヤツなんだろう？と思わずにはいられないタイトルと設定が秀逸だ。
　覗いてみればなるほどオタクとまでは呼ばないが、完全なる趣味人であることが分かり、40歳まで童貞だった理由もなんとなく納得してしまう。
　続く展開も、【童貞であることがバレる】→【周囲の人間がおせっかいを焼く】→【そのせいでトラブルが起きる】→【はたして童貞喪失なるか？】という、タイトルから想像するまんまの、良い意味で期待を裏切らない流れが実にスムーズで116分はあっという間だ。

　テレビのコメディ番組をディレクションしていたジャド・アパトーの「間」もいい。
　映画と違って30分や45分など仕上げ時間が確定しているテレビ出身のディレクターは「間」の押し引きが巧い。本当なら15秒かかるギャグシーンを9秒に仕上げるためにはどうするか、あるいは5秒で笑えるシーンを8秒にするためにはどうするかといった時間との闘いを経験しているから、セリフや編集に関してのアイディアは映画監督よりも引き出しは多いと思う。そういう意味でこの作品はテレビ出身のジャド・アパトーだからこそ作れた優れたコメディ映画と言っていいだろう。

　この映画を楽しむなら、仲の良い男友達が集まってヒマつぶしに観る、というスタイルがいい。
　酒を飲んで下ネタで盛り上がるような仲間で集まって観ると爆笑に次ぐ爆笑の連続だ。
　女性と一緒に観るのはどうかと思う。男性と女性とではセックスに対しての価値観が違うし、ここに登場する女性たちのセックス感が万人に受け入れられるとは思えないから。
　ただし女性たちだけで観るのはもちろんアリ。
　スティーヴ・カレルを「キモイ」という女性はきっと少ないはず。それが全米でもヒットした要因だろう。

　久しぶりに時間を気にせず楽しんだ佳作。