ハッピー・エンディング [2008年 レビュー]
「ハッピー・エンディング」(2005年・アメリカ) 監督・脚本:ドン・ルース
wowow放送、日本未公開作品。
どんな映画なのか全然知らなかったんですけど、すごいタイトルだなあ、と思って。
だって結末をタイトルにしたんですよ(笑)。
田舎のラーメン屋が「日本で2番目にウマイ!」って看板上げるよりもかなり思い切ってると思うわけです。だから気になって観ちゃいました。
ただ、日本未公開作品ってところにもっと注意を払うべきだったなと軽く反省してますけど。
群像劇です。
両親の再婚によって義理の姉弟になった2人が肉体関係を持ち、妊娠し、中絶後に引き離される。そして20年後…という物語。
これでコメディです(笑)。かなりブラックです。正直なかなか笑えませんでした。もう完全にアメリカ人向け。当たり前か。帰国子女の友達に観てもらって、どこがどう面白いのか解説してもらいたいくらい。
僕が一番笑えたのは、義理の弟がその後ゲイになったという展開。そこに「よくあるハナシ」とテロップ入れたのはいいセンスだったなと。
日本人向けじゃないと思う最大のポイントは、群像劇でありながら特異なキャラクターばかりだったこと。アメリカ人には「よくあるハナシ」かも知れないけれど、日本人にとっちゃそうじゃない人たちが多かった。例えば、ビバリーヒルズの男性エステシャンが実はマダム相手のセックスワーカーだったり、大学の奨学金欲しさに人をゆすろうとするアマチュア映画監督がいたり、ゲイの息子が一度だけ寝た若い女を食っちゃう親父がいたり…etc。この突飛なキャラクターを笑えない僕たちはどうにも付いて行けないわけです。
それでも途中断念することなく、つい最期まで観てしまうのは、「珍しい愛の形があるもんだな」半ば呆れつつ感心してしまうから。そして物語の発端となる姉弟が途中から再び向き合うからです。実はオープニングに重要な伏線が引いてあるのだけれど、観客への印象付けが甘いため、僕はそれに気付かなかった。残念です。
劇中、ビリー・ジョエルの「オネスティ」と「素顔のままで」が効果的に使われています。
どちらも歌詞の内容に意味があって、しかも登場人物の女性に歌わせたのは巧かった。技ありだなあ、と感心しました。
いろいろ書きましたが、正直な感想は
「悪くないんだけど、巻いた種を刈り取れていない。だから納得感が薄い」
映画がフラフラしている関係で、僕のレビューもフラフラしてしまいました(笑)。
thanks! 670,000prv
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