突入せよ!「あさま山荘」事件 [2008年 レビュー]
「突入せよ!『あさま山荘』事件」(2002年・日本) 脚本・監督:原田眞人
役所広司がとにかくカッコイイ。
警察庁長官・後藤田正晴(藤田まこと)の特命を受けた佐々淳之が、悪条件下さまざまな困難を乗り越えて、誰もが知る結末へ辿り着くまでのドラマだが、その舞台裏をここまで克明に再現したのも初めてだろう。当時テレビ中継を観た世代なら文句なく楽しめる作品に仕上がっている。
一番意外で興味深かったのは、警視庁、警察庁、県警という組織間の対立だ。
前半の見どころは何と言っても、佐々V.S長野県警。
県警本部長(伊武雅刀)をはじめ、課長クラスの無能っぷりはずいぶん脚色されているような気がしないでもないが、とことん県警のメンツにこだわり、佐々を敵視する反後警備第二課長のキャラクターの立て方と、主に舞台で活躍する大森博の演技は見事だった。ただ残念なのは「佐々シンパ」になった観客の溜飲を下げる決定的なシーンがなかったこと。役所広司はどこまでもスマートで、それが佐々さんの人格だったとしても、物足りなさを感じてしまった。
思えば、物足りなさを感じた箇所は他にもある。
まず登場人物の相関図が分かり難い。
肩書きを聞いただけで、警視庁と警察庁の区別が付く人はいいが、多くの観客はそうではあるまい。僕は警視庁警備部付石川警視正(山路和弘)までが佐々に対してイラつきを覚える理由がよく分からなくて困った。これから観ようと言う人は、まだ存続している公式HPの「相関図」を参考にしておいた方がいい。
他には報道陣の描写。
現地には相当数のマスコミがいたはずだが、テレビ中継のシーンに至ってはただの1シーンしかない。僕たちはテレビでしかこの事件を観ていないのだから、マスコミ関係者の描写も観てみたかった。
それにしても役所広司がカッコイイ。
後藤田長官が示したハードル(1.人質は必ず救出すること 2.犯人は全員生け捕りせよ 3.人質交換の要求には応じない 4.火器、ライフルの使用は警察庁許可事項とする 5.報道陣とは良好な関係を保て)を、「無茶だ」とは言っても「無理だ」とは言わない姿勢が男の胸を熱くする。
確実に中年の男子向き。あれこれ文句を書き連ねたけれど、実は何度も泣きそうになった。
役所広司がとにかくカッコイイ。
警察庁長官・後藤田正晴(藤田まこと)の特命を受けた佐々淳之が、悪条件下さまざまな困難を乗り越えて、誰もが知る結末へ辿り着くまでのドラマだが、その舞台裏をここまで克明に再現したのも初めてだろう。当時テレビ中継を観た世代なら文句なく楽しめる作品に仕上がっている。
一番意外で興味深かったのは、警視庁、警察庁、県警という組織間の対立だ。
前半の見どころは何と言っても、佐々V.S長野県警。
県警本部長(伊武雅刀)をはじめ、課長クラスの無能っぷりはずいぶん脚色されているような気がしないでもないが、とことん県警のメンツにこだわり、佐々を敵視する反後警備第二課長のキャラクターの立て方と、主に舞台で活躍する大森博の演技は見事だった。ただ残念なのは「佐々シンパ」になった観客の溜飲を下げる決定的なシーンがなかったこと。役所広司はどこまでもスマートで、それが佐々さんの人格だったとしても、物足りなさを感じてしまった。
思えば、物足りなさを感じた箇所は他にもある。
まず登場人物の相関図が分かり難い。
肩書きを聞いただけで、警視庁と警察庁の区別が付く人はいいが、多くの観客はそうではあるまい。僕は警視庁警備部付石川警視正(山路和弘)までが佐々に対してイラつきを覚える理由がよく分からなくて困った。これから観ようと言う人は、まだ存続している公式HPの「相関図」を参考にしておいた方がいい。
他には報道陣の描写。
現地には相当数のマスコミがいたはずだが、テレビ中継のシーンに至ってはただの1シーンしかない。僕たちはテレビでしかこの事件を観ていないのだから、マスコミ関係者の描写も観てみたかった。
それにしても役所広司がカッコイイ。
後藤田長官が示したハードル(1.人質は必ず救出すること 2.犯人は全員生け捕りせよ 3.人質交換の要求には応じない 4.火器、ライフルの使用は警察庁許可事項とする 5.報道陣とは良好な関係を保て)を、「無茶だ」とは言っても「無理だ」とは言わない姿勢が男の胸を熱くする。
確実に中年の男子向き。あれこれ文句を書き連ねたけれど、実は何度も泣きそうになった。
>「無茶だ」とは言っても「無理だ」とは言わない姿勢が男の胸を熱くする。
くぅっっっっっっ・・!!
読んでるだけで、しびれます(笑)。見よ!!
by Sho (2008-03-23 09:39)
役所さんに惚れること必至ですよw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-03-23 10:29)
あさま山荘事件当時、私も生まれていたのですがまだ幼かったので(ホント)記憶がなく、あとからテレビで鉄球が山荘にガンガンぶつかる場面を見て驚いたことを覚えています。それにしても佐々さんが役所さんになるとはさすが映画ですね。組織間の対立、役所さんの相手が伊武雅刀というだけでも見たくなりました。
by うつぼ (2008-03-23 10:36)
公式HPの相関図だけは必ず確認して観てくださいねw
役所さんの相手が伊武さんというのは、若干違います(スイマセン)。
大森博さんが最大の敵だと思ってください。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-03-23 10:41)
こんばんは、お邪魔します。
役所広司さん、メチャクチャカッコイイですよね!!
登場人物の相関図・・・私、良くわかりませんでした。
公式HPにあったんですね・・・今度、予習をして、また観直してみたいなと思います!!
by u_yasu (2008-03-23 18:16)
対立構造が若干分かりにくかったですよね~。
1度観れば分かると思いますが、
役所さんと宇崎さんも微妙な関係だったんですよねw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-03-23 18:33)
熱い男の匂いがします!!
書籍の世界でも横山秀夫氏の作品などが大好きなので
この作品、かなり観たいと思いました。
Kenさんが仰るように警察内部の人事や派閥は一般人には
分かりにくい部分があるかもしれないですね
by Betty (2008-03-23 23:12)
原田眞人大好きなんですよ。この映画も好きです。
おっしゃるとおり主人公・佐々さんが格好いいんですよね。結果が確実でないことをコミットすることができる男は格好いいです。
実在の佐々さんのファンでもあるのですが....
でもちょっと佐々以外の人たちが格好悪くてかわいそうな気もします。
「プロジェクトX」とあわせてみるとまた面白いですよ。
by satoco (2008-03-23 23:26)
>Bettyさん
女性でも「熱い男の世界」を好まれる方がいらっしゃるんですね。
ならば、かなり楽しめると思います!
佐々さんの奥さんを演じた天海祐希もなかなかいいですよ。
nice!ありがとうございます。
>satocoさん
佐々さんか書いた原作ですからねえ、本人以外が“刺身のつま”に
なっているのは仕方ないかもw
「プロジェクトX」も観たんですが、意外と忘れてましたw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-03-23 23:37)