羅生門 [2008年 レビュー]
「羅生門」（1950年・日本） 監督：黒澤明 脚本：黒澤明、橋本忍
まもなく「隠し砦の三悪人」のリメイクが公開される。
主演は付け髭のジャニタレ（嵐のマツジュン）だ。はたして大丈夫なんだろうかと思う。
そう思いながらふと「黒澤作品で観ていないもの」を思い出してみた。
…実はまだまだ沢山ある。
というわけで、1951年にヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞した本作を借りてみた。
正直に書くと、たった88分の作品を観るのに2日もかかってしまった。
とにかく眠い。
睡眠不足と言うわけじゃない。60分を過ぎる辺りまでハナシがよく飲み込めないのだ。
一言で片付けると、「ある事件に関する当事者たちの証言が全員食い違っている」という構造なのだが、これを“黒澤娯楽作品”のひとつだろう、と思い込んで観た僕にはあまりに難易度が高すぎた。
解説を読んで驚いたのは、「証言者の1人は死んでいるため、霊媒師を介している」とあったこと。恥ずかしながらこれには全く気付かず（笑）。
ただ60分を過ぎると、「ははー、そういうことか」と気付く。
僕はロバート・エヴァンスの言葉を思い出した。
『どんな話にも３つの側面がある。相手の言い分。自分の言い分。そして真実。
誰もウソなどついていない。共通の記憶は微妙に異なる』
旧い映画であるため、音声に難点あり。
だから字幕で観ようかと思ったら、レンタルDVDに字幕設定は無かった。
それにしても羅生門に降る雨はスゴイ。シーンの大半は驚くほどの豪雨だ。よくこんなことやらせてくれたな、とただただ感心する。
観終わってDVD機能の「場面選択」をチェックしたら、最終ロールに「雨あがる」とサブタイトルが付いていた。黒澤の助監督を永年勤めた小泉尭史監督のデビュー作「雨あがる」のタイトルバックでも、ものすごい雨が降っていた。
せめて「雨あがる」の前に「羅生門」を観ておけば良かったな、と思った。
thanks! 730,000prv
まもなく「隠し砦の三悪人」のリメイクが公開される。
主演は付け髭のジャニタレ（嵐のマツジュン）だ。はたして大丈夫なんだろうかと思う。
そう思いながらふと「黒澤作品で観ていないもの」を思い出してみた。
…実はまだまだ沢山ある。
というわけで、1951年にヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞した本作を借りてみた。
正直に書くと、たった88分の作品を観るのに2日もかかってしまった。
とにかく眠い。
睡眠不足と言うわけじゃない。60分を過ぎる辺りまでハナシがよく飲み込めないのだ。
一言で片付けると、「ある事件に関する当事者たちの証言が全員食い違っている」という構造なのだが、これを“黒澤娯楽作品”のひとつだろう、と思い込んで観た僕にはあまりに難易度が高すぎた。
解説を読んで驚いたのは、「証言者の1人は死んでいるため、霊媒師を介している」とあったこと。恥ずかしながらこれには全く気付かず（笑）。
ただ60分を過ぎると、「ははー、そういうことか」と気付く。
僕はロバート・エヴァンスの言葉を思い出した。
『どんな話にも３つの側面がある。相手の言い分。自分の言い分。そして真実。
誰もウソなどついていない。共通の記憶は微妙に異なる』
旧い映画であるため、音声に難点あり。
だから字幕で観ようかと思ったら、レンタルDVDに字幕設定は無かった。
それにしても羅生門に降る雨はスゴイ。シーンの大半は驚くほどの豪雨だ。よくこんなことやらせてくれたな、とただただ感心する。
観終わってDVD機能の「場面選択」をチェックしたら、最終ロールに「雨あがる」とサブタイトルが付いていた。黒澤の助監督を永年勤めた小泉尭史監督のデビュー作「雨あがる」のタイトルバックでも、ものすごい雨が降っていた。
せめて「雨あがる」の前に「羅生門」を観ておけば良かったな、と思った。
thanks! 730,000prv
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- メディア: DVD
こんにちは。
私もこの作品を観た時に、音声が聞き取りづらくて難儀しました。
（何回も巻き戻したりして・・・。）
この前「天国と地獄」を観る前に、“また聞き取り難いのかな～？”
と思ったのですが、こちらは全然大丈夫でした。
やっぱり私自身に時代劇の台詞まわしになじみが無いからでしょうね＾＾
by てくてく (2008-04-23 12:44)
黒澤の脚本は時代考証に忠実なのか、時代設定の古い映画は
ちょっと僕たちには分かりにくい台詞が多いですね。
「天国と地獄」も観てみます。
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-04-23 12:50)
最初見たのが中学の時。しかし意味がよくわからず、「雨がいっぱい降ってるきったない映画だなー」と思っただけでした（情けなし）。年とって再挑戦。「ああ、こういうことってあるよね」とすごく納得しました。人（自分も含めて）は物事を都合のいいように、自分の気持ちのいいように解釈するんだなー、でもそれを責められるか？ということも。
志村喬が、すごくいいなあと、このとき強く思いました、そして、土砂降りも、この映画には絶対必要だったんだ、とも。
by snorita (2008-04-23 13:59)
僕は相変わらず中学生レベルでしたｗ
志村喬さんもさることながら、僕は千秋実さんが良かったなあ。
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-04-23 15:27)
はじめましてー。私も最初に見たのは中学生のころ、テレビででした。京マチ子が怖かった（この前見直したときも違う意味で怖かった）。雨は七人の侍や八月の狂詩曲にもつながる、こらしめるような、犬とか猫とかが降ってくるようなすごい降りで、子供ながらにびっくりしたような気がします。
by chicory (2008-04-23 18:23)
こんばんは、お邪魔します。
「隠し砦の三悪人」のリメイク・・・観るのが怖かったりしますね。
「雨あがる」・・・まだ観てないのを思い出しました！
by u_yasu (2008-04-23 21:33)
>chicoryさん
ようこそ。失礼ながら京マチ子さんってちょっと怖いですよね～。
晩年の彼女を知っているから、なおさら怖いｗ
犬猫が降ってくる雨はもっと怖いけど。
>u_yasuさん
「雨あがる」は観ておいたほうがいいと思います！
リメイク版の「隠し砦…」も怖い！ｗ
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-04-24 01:45)
この映画、私は劇場でみたのかな？とにかくすさまじいまでの豪雨に圧倒され、“世界でもっとも美しい雨のシーンがある”といわれているジャン・ルノワール監督「ピクニック」をみたときに「いや羅生門の方が綺麗だろ」って思ったくらいです。劇場だけあって、音は良く聞き取れましたね。
この間七人の侍を見たときも、ボリューム目いっぱい上げてみました。早くブルーレイかなにかでて、音声がもうちょっとクリアかつ聞き取りやすいものでみられるといいなと思います。そんな「クロサワブルーレイBOX」がでたら10万でも買うだろうなーと思いつつ。
by 瑠璃子 (2008-04-24 16:32)
どんなに音声が良くなっても、最初の録音状態が良くないので
改善されることはないでしょうね。それだけは残念です。
by ken (2008-04-24 16:43)
昔テレビで放映されたのを、途切れ途切れに見た記憶が在ります。
芥川龍之介の「羅生門」と「藪の中」をミックスしたんでしたか？
同じ「藪の中」原作では「MISTY」もみましたが、女の怪しさという点では
今日マチコがすさまじくいいですね。
昔の俳優さんってすごいなあ、と思います。
by Sho (2008-04-25 10:57)
何度も書きますが、京マチ子さんは「怖い」としか言いようがありません。
ついでに、彼女のために連れを殺そうとは思いませんねｗ
by ken (2008-04-26 03:32)
私は豊川悦司と天海祐希と金城武共演、再映画化した「MISTY」を見てから、「羅生門」を見ました。ストーリーは「MISTY」で分かっていたので、ワクワクしながら、見たのを覚えています。
最期に降る雨の中には墨を入れて撮ったのですよねぇ。
白黒なので、激しく降る雨を表現するには雨が黒いと映像として、
迫力が出ると、黒澤監督は考えた様です。
黒澤組はいろいろな事をさせられ、苦労が絶えないそうですが、
出来上がりを見ると、本当に黒澤組で仕事してよかったと思うそうです。
先日、「夢」の最期の踊りのシーンで笠智衆が被った赤い帽子を作った人
といろいろ話していたら、そんな事を言っていました＾＾！
by ミック (2008-05-25 14:51)
墨なんか入れたんだ！すごいワザですね。
熊井啓監督が撮った「海と毒薬」もモノクロ映画だったんですが
手術シーンの血が、普段の血糊を使うとまったく血に見えなかったため
ホンモノの血をかき集めて撮ったというハナシを聞いたことがあります。
モノクロの奥深さですねえ。
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-05-25 19:58)