第十一号監房の暴動 [2008年 レビュー]
「第十一号監房の暴動」(1954年・アメリカ) 監督:ドナルド・シーゲル
wowowと契約をしてから1年半。
月々2,415円払って、月に何本観てるんだろう。数えてみよう。面倒くさいのでこの半年だけ。
1月:11本、2月:11本、3月:12本、4月:8本、5月:9本、6月:12本。
月に12本観ると@201円。8本だと@301円。どっちにしても元は充分取ってる感じですね。
…て今日はwowowの料金のハナシをしたいわけじゃなくて、番組編成のハナシです。
wowowは毎月いろんな特集を組んで作品を並べるんですが、この目線が意外といいんです。
僕の中での最近のヒットは「昭和の重大事件シリーズ」。「帝銀事件 死刑囚」「松川事件」「黒い潮」「初恋」はそのときのラインナップでした。
今月は「没後25周年特集 監督・山本薩夫」で、「金環食」「白い巨塔」「人間の壁」など、やはり魅力的な作品が並んでいます。
映画マニアとして見逃せないのが、レギュラー企画の「発掘シネマ」。ここは日本未公開作品やDVD化されていない隠れた名作を放送する枠で、今日観た作品もその1本。のちに「ダーティハリー」を撮るドン・シーゲルの出世作と言われている作品です。これはwowow公式HPにあった解説が秀逸でした。
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本作が誕生したのは、「暗黒街の弾痕」「駅馬車」等の名作を世に送り出した製作者のW・ウェンジャーが、妻の不倫相手の男を銃で撃って刑務所に服役したのがそもそものきっかけ。そこで彼が自ら味わった実体験をもとに刑務所内での囚人たちの待遇改善を訴えようと、出所後、早速本作を企画。映画の撮影は実際の刑務所を舞台に、本物の囚人たちをエキストラに配して行われ、緊迫した空気とリアルな臨場感あふれる傑作に仕上がった。本国でもDVD未発売で、今回は貴重なオンエアだ。
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どうですか。観たくなるでしょう?
「傑作に仕上がった」というのは言い過ぎなんですけど、なかなか迫力ある面白い映画だったと思います。
物語としてよく出来ていたのは、「暴動を起こした囚人たちの要求が、実は刑務所長が州に対して出していた改善要求とほとんど同じだった」という点。
また正義を貫こうとする人間が、偏見に凝り固まった役人と対立するという図式もすでに成立していて、プロットの完成度は高かったと思います。
ただ囚人の置かれた環境がどれほど劣悪だったのか、その描写は本編に全く無く、囚人に感情移入出来ないところは残念でした。
機会があればwowowで(宣伝臭いですけど、お金はもらってませんw)。
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