キンキーブーツ [2008年 レビュー]
「キンキーブーツ」(2005年・アメリカ/イギリス) 監督:ジュリアン・ジャロルド
老舗の靴工場を継いだ四代目が、生き残りをかけてキンキー(性的に異常な、変態の)ブーツの生産に乗り出すという、実話に基づいた物語。
実話の部分はおそらくイギリスの田舎町でゲイ仕様のブーツを作り始めた、という部分だけで、ストーリーのほとんどは脚色だと思います。どうしてかと言うと、話として出来すぎてるから(笑)。
ハートフル・コメディです。
でもスゲー笑えるってもんでもない。それは僕がイギリスという国の文化に明るくないからだと思う。
なんといってもノーサンプトンの土地柄が分からない。ロンドンに対して田舎であることは分かっても、劇中それ以上の情報はほとんどありません。唯一イメージ出来たのは、「ノーサンプトンの駅はそんなに大きくない」ということくらい。
だからストーリー上、重要な転換となるドラッグ・クイーン(女性の姿でパフォーマンスをする人)がノーサンプトンに乗り込んで来るシークエンスは、もっと街中が混乱しても良かったんじゃないか、つまりそういうシーンが足りなかったんじゃないか?と思いました。
繰り返しますが、僕がイギリスの風土と文化に明るくないせいですけど。
その“個人的失点”に目をつぶれば、これは「とても良く出来たお話」にまとまっています。
(主人公と靴工場の職人たちとの軋轢も、先代との比較などを入れて、もっと丁寧に描くべきだったとは思うし、婚約者との成り行きももっと納得感の高い理由が欲しかったりはするんですけど、それにも目をつぶるとして)。
目を惹くのは脚本に描かれたドラマよりも、譜面に書かれた歌の数々です。
ドラッグクイーンのローラを演じたキウェテル・イジョフォーのパフォーマンスも堂々たるもので、この映画そのものをミュージカルにしても良かったんじゃないかと思いました。
オープニング。黒人の子供にハイヒールを履かせたアイディアは秀逸。
エンディング。ローラの歌に泣けました。
入口と出口が上手くまとまっている映画を久し振りに観た気がします。
thanks! 880,000prv
老舗の靴工場を継いだ四代目が、生き残りをかけてキンキー(性的に異常な、変態の)ブーツの生産に乗り出すという、実話に基づいた物語。
実話の部分はおそらくイギリスの田舎町でゲイ仕様のブーツを作り始めた、という部分だけで、ストーリーのほとんどは脚色だと思います。どうしてかと言うと、話として出来すぎてるから(笑)。
ハートフル・コメディです。
でもスゲー笑えるってもんでもない。それは僕がイギリスという国の文化に明るくないからだと思う。
なんといってもノーサンプトンの土地柄が分からない。ロンドンに対して田舎であることは分かっても、劇中それ以上の情報はほとんどありません。唯一イメージ出来たのは、「ノーサンプトンの駅はそんなに大きくない」ということくらい。
だからストーリー上、重要な転換となるドラッグ・クイーン(女性の姿でパフォーマンスをする人)がノーサンプトンに乗り込んで来るシークエンスは、もっと街中が混乱しても良かったんじゃないか、つまりそういうシーンが足りなかったんじゃないか?と思いました。
繰り返しますが、僕がイギリスの風土と文化に明るくないせいですけど。
その“個人的失点”に目をつぶれば、これは「とても良く出来たお話」にまとまっています。
(主人公と靴工場の職人たちとの軋轢も、先代との比較などを入れて、もっと丁寧に描くべきだったとは思うし、婚約者との成り行きももっと納得感の高い理由が欲しかったりはするんですけど、それにも目をつぶるとして)。
目を惹くのは脚本に描かれたドラマよりも、譜面に書かれた歌の数々です。
ドラッグクイーンのローラを演じたキウェテル・イジョフォーのパフォーマンスも堂々たるもので、この映画そのものをミュージカルにしても良かったんじゃないかと思いました。
オープニング。黒人の子供にハイヒールを履かせたアイディアは秀逸。
エンディング。ローラの歌に泣けました。
入口と出口が上手くまとまっている映画を久し振りに観た気がします。
thanks! 880,000prv
映画そのものをミュージカルにしても、というところにすごく共感します。
ローラのステージがとっても良かったですよね。
by rosemary (2008-07-20 11:08)
ローラが出演していた店の雰囲気もすごく良かったと思います。
もう少し予算があれば…とも思いますが、やり過ぎるとハリウッド映画に
なっちゃうしなあ…結局、これで良かったんでしょうねw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-07-20 11:24)
この映画ではローラの歌の部分が一番好きです。
「プリシラ」を彷彿とさせる感じで楽しく、突き抜けてる感じがしました。
ミュージカル案、わたしも共感します。
by ミホ (2008-07-20 12:09)
イジョフォーがときどき見せる女っぽさも見事だったなあ、と思います。
ホンモノじゃないだろうにw
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-07-20 12:17)
kenさんの記事を読んでてなるほどスゴイなと思いました。
私もこの映画を見ましたが、「良かったー」「泣けたよー」「面白かったー」という何とも安易な感想しかなくって情けなくなっちゃいました。
映画に対する気持ちや意見をしっかり言葉にできるのが羨ましいです。
同じイギリスの映画だからか、「フルモンティー」に近いにおいを感じました。
by hana (2008-07-20 14:50)
デキはまぁまぁなんですよね。
ただ、ノーザンプトンが映画によって一時脚光を浴びたのは、良かったのかなと思います。
主演の彼、ちょっとタイプw 新作ないですよね~。
by クリス (2008-07-21 00:04)
>hanaさん
映画の感想は単純であるほど、読者にストレートに届くと思います。
僕は屁理屈をこねくり回しているだけw
と、同時に、自分に対しての戒めです。
nice!ありがとうございます。
>クリスさん
そう。クリスさんにはこの話題に参加してもらわないと。
あれ?でも主演のハナシでしたかw
確かにちょいと男前でしたね。
by ken (2008-07-21 00:20)