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慕情 [2008年 レビュー]

慕情」(1955年・アメリカ) 監督:ヘンリー・キング 脚本:ジョン・パトリック

 香港へ行ってこの映画のタイトルを聞かない人がいるのかってくらい、香港では50余年に渡って語り継がれてきた映画です。ええ、もちろん僕も現地のコーディネーターから聞かされました。
 そして当然ビクトリアピークへ登りましたが、僕が行ったときはあいにく小雨模様で、「まったくどんな景色なんだか分かりゃしねー」とボヤキながらホテルへ戻った記憶があります。香港が中国に返還される前年ですから、今から12年前。1996年のことでした。
 さて、香港へ行って「慕情」のタイトルを聞かされた人でも、実際に観たと言う人はかなり少ないでしょう。特に最近では。恥ずかしながら僕もその一人。なので「この際、観ておくか」と思った次第です。wowowさん、ありがとね。

 イギリス人と中国人の間に生まれた女医のハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は戦争未亡人。夫を亡くしてからは仕事に打ち込んでいた彼女は、あるパーティでジャーナリストのマーク・エリオット(ウィリアム・ホールデン)と出会う。マークの積極的なアプローチに、ハンは次第に好意を寄せるようになるが、実はマークは妻帯者だった…。

 驚いたことにハン・スーインとは原作者の名前でもありました。
 「慕情」は彼女の自伝的小説「多きの輝きをもつもの」が原作になっているそうです。“自伝的”と言いつつ、Wikipediaを読む限り、映画はかなり脚色されてますけどね。
 悲恋映画です。
 ネタバレもへったくれもありません。どこをどう見ても「悲恋映画の代表作」って書いてあります(笑)。結末を知ってしまった以上、みどころは他に探さなきゃいけませんね。
  
 この手の古い映画は(これまで何度も書いてきましたが)やはりロケーションが見ものです。
 1955年の映画に記録された香港の風景も、ストーリーとは全く関係ないところで見ごたえがあります。街中でのロケーションは少ないですけど。
 さて肝心のビクトリアピークのロケーションですが、意外にも「ん?」って感じです。決して「絶景」と言えるアングルじゃない。
 「なんだあ、こんなシーンを引き合いに出して『慕情、慕情』って言ってたのかあ」
 と少々ガックリ来ました。
 ウィリアム・ホールデンが乗り回していたクルマにも注目。あれはモーガンですかね?前開きドアのオープンカーには若い頃ずいぶん憧れましたが、いつ見てもやっぱりカッコイイです。
 残念なことに、ジェニファー・ジョーンズが僕の好みじゃなかったのでまったく感情移入できなかったのですが、2人の恋の駆け引きとセリフのやりとりは、今では考えられない展開をしていたと思います。
 時代が変わると女心はますます理解できません(笑)。

慕情

慕情

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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コメント 4

Sho

「慕情」と「旅情」がずっとごっちゃになっていました。
長いこと「観なきゃ観なきゃ」と思っていてみたのですが、ああ、悲恋ものだったんですね。なんかストーリーが把握できていなかったようです。
未亡人ということも忘れていました。
もう一回観てみます。
by Sho (2008-07-24 02:06) 

ken

「旅情」はキャサリン・ヘップバーンですよね。
あれも観てないなあ。今度機会があったら観てみます。
by ken (2008-07-24 12:39) 

Sho

「旅情」はすごくお勧めです。
古きよき時代の香りがします。「グレンミラー物語」を思い出しました。
kenさんのレビューをぜひ読みたいです。
by Sho (2008-07-26 14:31) 

ken

いつか、近いうちにw
by ken (2008-07-26 21:10) 

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