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ウルトラヴァイオレット [2008年 レビュー]

ウルトラヴァイオレット」(2006年・アメリカ) 監督:カート・ウィマー

 日曜日から金曜まで、毎日徹夜に近い状態で仕事をし、土曜の午後にようやく解放される。
 放電し切ったアタマにはアクション映画が一番だ。
 録画させるだけさせて一週間ほったらかしにされたAQUOSのハードディスクはほぼ満杯。その中からミラ・ジョヴォヴィッチ主演のSFアクションを選ぶ。
 土曜の夜。ビールを片手にソファにごろり。至福の瞬間。

 旧ソビエト連邦ウクライナ出身のミラは文字通り“身体を張って役を勝ち取ってきた”苦労人だ。
 僕はそのプロフィールを知ってからというもの、映画が面白くなかろうが、芝居が下手だろうが、どうにも彼女のことが嫌いになれないでいる。もちろんヴィジュアルのせいもあるのだけれど、その1本1本が彼女の立身出世物語でもあるからだ。

 これと全く同系統の作品、シャーリーズ・セロンの「イーオン・フラックス」を観たとき、僕は「SFは現代アート」と書いた。しかし本作においてアートなのはミラのルックスとボディだけ。設定もプロダクションデザインも撮影もまったく頂けない。チープなのにもほどがある。
 そもそもこの手の作品は「マトリックス」以降、雨後の筍のごとく出て来たのだけれど、「あんなもん、機材さえあればオレにも出来る」と思った輩が一体どれだけいたんだろうと思う。ウォシャウスキー兄弟がクリエイトした世界は(日本のアニメーションが大きな影響を与えたとは言え)オリジナリティ溢れる素晴らしい映像だったし、テーマの奥深さは底知れぬものがあった。追随する(あるいは二匹目のどじょうを狙う)映画人たちはどんな思いでこれらの企画に着手し、どこにゴールを見据えて作品を作り上げたのだろう。この作品も僕にはまったく分からなかった。

 評価されないのもまたアートである。
 ゴッホのように、いつか評価されるものもあるが、まったく評価されずに終わるアートはそれこそ無尽蔵にある。これはそのひとつ。「いらないもの」のダンボールに入れてしまうだろう駄作。
 そうは言っても、ミラの映画は観る。
 明日は「青い珊瑚礁」の続編、「ブルーラグーン」を観るのだ。

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ウルトラヴァイオレット デラックス・コレクターズ・エディション

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテイメント
  • メディア: DVD

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コメント 5

tomoart

この作品、ほぼミラのPVだと思います。そう思えばよく出来ていて、ミラはどのカットも魅力的に映っていたと思います。(劇場で観たきりなのでおぼろな記憶ですが。)アクションは、冒頭の壁を走るバイクとヘリのチェイスや、質量保存の法則を無視したw携帯武器の使用(ほとんど東映ヒーローもの)など、アイデア的には面白そうなものが結構あったんですが、いかんせん金がかかっていないのがバレバレなチープさがSFアクション映画としては致命的でしたね・・・・。
by tomoart (2008-08-03 04:08) 

ばくはつごろう

俺もつい観てしまう、ミラ。
by ばくはつごろう (2008-08-03 09:00) 

ken

>tomoartさん
 そういえば、プリペイドの携帯電話を街中の自動販売機で買うシーンは
 面白かったな。紙がペローンと出てきて折りたたむと電話になるなんて
 いいアイディアだったと思いますw
 nice!ありがとうございます。

>ばくはつごろうさん
 そうなのw
 nice!ありがとうございます。
by ken (2008-08-03 09:55) 

satoco

この手の映画、隠れたヒットなのかつまんないのか良くわからないのでとりあえず観ちゃいます。でもこれは失敗でした..
ナノテクのなんでもあり加減と話のアナクロさが超アンバランスなのがウケました。

by satoco (2008-08-04 00:22) 

ken

こんな映画を買い付けてくる日本の映画会社もホントどうかと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-08-04 00:50) 

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