再会の街で [2008年 ベスト20]
「再会の街で」(2007年・アメリカ) 監督・脚本:マイク・バインダー
この映画、9月11日に観ようと思っていたのに、1日遅れになってしまった。
けれどそのおかげで分かったこともある。
どうやら日本のマスコミはもう「9.11」には興味が無いらしい。
マンハッタンで歯科医院を営むアラン(ドン・チードル)は、ある夜、大学時代のルームメイトだったチャーリー(アダム・サンドラー)を見かける。大学卒業以来、何年も会っていなかった2人は偶然の再会を果たすが、チャーリーはアランを覚えていなかった。
「いったいなぜ?」
アランはチャーリーと交流を深める中で、やがて彼が9.11で妻と子供を亡くしたことを知る…。
2001年に発生した同時多発テロ。
当たり前のことなんだけど、その遺族は世界中にいて、今もやり場の無い怒り、哀しみ、そして心の痛みと闘っているのだ、ということを再認識させられました。
これは愛する人を一瞬のうちに失ったあの日以来、過去の記憶をシャットアウトして生きてきた男と、家族にも社会的地位にも恵まれながら、自身の生き方に悩んでいた男の「再生」の物語。
9.11はレアケースですが「大切な人を失う」瞬間は、世界中すべての人が経験することです。例えば「失恋」だってその範疇に入れてもいい。だから大切な人(動物でもいい)との「別れ」を経験したことがあるすべての人にこの映画を薦めたい。
なぜなら。
アダムのサポートを受けて立ち直ろうとするチャーリーが、クライマックスであなたの気持ちを代弁するから。
あなたが誰にも打ち明けられず、心の中に留めていた“やりきれない想い”を、あなたに代わってチャーリーが爆発させるから。
僕は心臓を鷲掴みにされたかと思いました。そして、さめざめと泣きました。
哀しいからじゃありません。
「哀しいのは自分だけじゃない」ことを知ったからです。
演出的なハナシ。
シリアスな中にも決してユーモアを忘れないマイク・バインダーのバランス感覚が素晴らしい。
脚本の面では、チャーリーの描写に力が入り過ぎて、アダムの悩みと、アダムを悩ませる女性患者の背景が若干分かり難いのが残念。しかしアダム・サンドラーのあまりに見事な演技が、途中それに気付かせずドラマを牽引していく。
出番は少ないがドナルド・サザーランドも存在感バツグン。彼に与えたセリフも絶妙だった。
それにしても。
この作品を観て、なぜ「9.11」は起きたのだろう、と改めて考えました。
何が足りなくて起きたのか。
何が余計で起きたのか。
日本のマスコミは興味を失いつつあるけれど、まだまだ議論すべきことはあるんじゃないだろうか?
この映画、9月11日に観ようと思っていたのに、1日遅れになってしまった。
けれどそのおかげで分かったこともある。
どうやら日本のマスコミはもう「9.11」には興味が無いらしい。
マンハッタンで歯科医院を営むアラン(ドン・チードル)は、ある夜、大学時代のルームメイトだったチャーリー(アダム・サンドラー)を見かける。大学卒業以来、何年も会っていなかった2人は偶然の再会を果たすが、チャーリーはアランを覚えていなかった。
「いったいなぜ?」
アランはチャーリーと交流を深める中で、やがて彼が9.11で妻と子供を亡くしたことを知る…。
2001年に発生した同時多発テロ。
当たり前のことなんだけど、その遺族は世界中にいて、今もやり場の無い怒り、哀しみ、そして心の痛みと闘っているのだ、ということを再認識させられました。
これは愛する人を一瞬のうちに失ったあの日以来、過去の記憶をシャットアウトして生きてきた男と、家族にも社会的地位にも恵まれながら、自身の生き方に悩んでいた男の「再生」の物語。
9.11はレアケースですが「大切な人を失う」瞬間は、世界中すべての人が経験することです。例えば「失恋」だってその範疇に入れてもいい。だから大切な人(動物でもいい)との「別れ」を経験したことがあるすべての人にこの映画を薦めたい。
なぜなら。
アダムのサポートを受けて立ち直ろうとするチャーリーが、クライマックスであなたの気持ちを代弁するから。
あなたが誰にも打ち明けられず、心の中に留めていた“やりきれない想い”を、あなたに代わってチャーリーが爆発させるから。
僕は心臓を鷲掴みにされたかと思いました。そして、さめざめと泣きました。
哀しいからじゃありません。
「哀しいのは自分だけじゃない」ことを知ったからです。
演出的なハナシ。
シリアスな中にも決してユーモアを忘れないマイク・バインダーのバランス感覚が素晴らしい。
脚本の面では、チャーリーの描写に力が入り過ぎて、アダムの悩みと、アダムを悩ませる女性患者の背景が若干分かり難いのが残念。しかしアダム・サンドラーのあまりに見事な演技が、途中それに気付かせずドラマを牽引していく。
出番は少ないがドナルド・サザーランドも存在感バツグン。彼に与えたセリフも絶妙だった。
それにしても。
この作品を観て、なぜ「9.11」は起きたのだろう、と改めて考えました。
何が足りなくて起きたのか。
何が余計で起きたのか。
日本のマスコミは興味を失いつつあるけれど、まだまだ議論すべきことはあるんじゃないだろうか?
記事を拝見して、「お薦め」の この映画を観たくなりました
by マヌカン☆ (2008-09-14 02:36)
ぜひご覧になって、また感想を寄せてください。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-09-14 07:39)
うわ、びっくりした。
今レンタル中で、次に見るのはこれだなと思いつつ数日が過ぎたところです。見ます。
by rosemary (2008-09-14 16:19)
チャーリーが思いをぶちまけるシーン忘れられません
パール・ジャムがシャウトするアノ曲もスバラシイ
ソシテ
kenさんのレヴューもスバラシイです
by 魚河岸おじさん (2008-09-14 16:50)
>rosemaryさん
グッドタイミング!再びのお越しをお待ちしております。
nice!ありがとうございます。
>魚河岸おじさん
まさに「魂の叫び」でしたね。
マイク・バインダーは素晴らしい仕事をしたと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-09-14 21:51)
見ましたですよ。
悲しみを話して吐き出すことの大事さを思いました。
あと、周囲はどうサポートするべきなんだろう、ということも。
by rosemary (2008-09-16 19:44)
いずれの立場にたっても、どう対処すべきかのヒントを教えてくれた映画ですね。
by ken (2008-09-17 00:29)
映画は観る人の気持ちに入り込んでくる作品がありますよね
Kenさんの感想に胸を打たれました。
by Betty (2008-09-18 10:16)
おっしゃる通りです。
そんな作品を探すためにたくさん観ている気がします。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-09-18 13:27)