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消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス [2008年 レビュー]

消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス」(2005年・アメリカ)

 2008年8月2日から東京都美術館で「フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち」という企画展が行われています。
 このフェルメール展に合わせて公開されるのが本作で、突拍子もない邦題に完全フィクションのドラマかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、ハロルド・スミスはまぎれもない実在の人物で、これは盗難に遭ったフェルメールの絵画を追うドキュメンタリーです。

 断っておきますが、フェルメールに興味の無い人に、この作品はまったく面白くありません。
 まず作品としての完成度が低い。
 構成も、撮影も、編集も、劇場でお金を取って見せるクオリティに達していません。
 それにフェルメールを知らなければ遠い昔の(といっても1990年だけど)外国での絵画盗難になんの興味もないでしょう。
 しかし!一応これだけはお伝えしておきます。
 
 現存するフェルメールの作品は30数点。
 その作品は世界中に点在していますが、唯一「合奏」と題された作品は1990年、ボストンの美術館から盗まれて以来まったく消息不明。絵画には500万ドルの懸賞金が掛けられ、FBIがその行方を追っています。

 vermeer22[1].jpg 「合奏」1665年頃

 ついでにもうひとつ。
 そもそもフェルメールは遺した作品数が少ないため希少価値が高く、これまで5回も盗難に遭っています。その5回のうち、2度盗まれた作品がありました。
 それが「手紙を書く女と召使い」。

 vermeer32[1].jpg 1670年頃

 2度も盗難に遭いながら、奇跡的に無事生還した作品がなんと今、日本にいるんですっ!
 しかもこの作品以外に、現存する2点の風景画のうちの1点「小路」や、個人が所有する「ヴァージナルの前に座る若い女」など、日本初公開を含めた計7点が一挙に公開されているのです。
 もはやこれは「奇跡」としか言いようがありません。僕は初日に行きましたが、もう感激と感動の雨あられ(笑)。特にこの「手紙を書く女と召使い」は1時間でも2時間でも眺めていられるくらい、いろんなストーリーの詰まった素晴らしい作品でした。

 と言うわけで…。
 フェルメール展に行った人や、これから行こうという人は観た方がいいと思います。
 僕ももう一度、フェルメール展に行きたくなりました。
 なんならついでに「真珠の耳飾りの少女」も観ておくといいかもね。

331193_01_01_02.jpg 
 この人が絵画探偵。キョーレツなキャラですけど、コントじゃありません。ホンモノです。

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コメント 2

Naka

こんにちは。
スミスさんの活躍ぶり、すごく気になります・・・(^^。
フェルメール作品の実物を観ていると、
絵の世界に引き込まれて、時間を忘れてしまいました。
本当に貴重なフェルメール展ですね。
by Naka (2008-09-23 14:54) 

ken

このドキュメンタリーはともかく、フェルメール展は本当に感動しました。
日本ではもう2度と観られないかも知れない作品ばかりですから
ゼッタイに行く価値アリ!ですよね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-09-23 15:25) 

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