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美しい人 [2009年 レビュー]

美しい人」(2005年・アメリカ) 監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア

 原題「9lives」。9人の女性のエピソードをすべてワンシーン、ワンカットで収めたオムニバス作品。
 「彼女を見ればわかること」をさらに発展させたスタイルと言っていいのかも知れません。
 9つの愛にまつわるエピソードが9分~14分にまとめられています。バリエーションに富んだ9つの設定を見るだけでも、いろんな人生(あるいは愛の形)があるものだと感心させられます。

 【第1話 娘に愛を注ぐ人】
  刑務所に服役中のサンドラは模範囚なるべく懸命に働いていたが、それにはある目的があった。
 【第2話 いま手にしている愛を見出す人】
  スーパーマーケットで買い物中、かつての恋人と再会したダイアナは“ある告白”を受けてしまう。
 【第3話 愛をぶつける人】
  父と対立し、長らく家を空けていたホリーは久しぶりに自宅に戻る。そこで見つけたものとは。
 【第4話 お互いの弱さを知る人】
  友人宅に夫婦で招かれたソニア。その席で夫が“夫婦の秘密”を話し始めた…。
 【第5話 かけがえのない人】
  半身不随の父と、介護に疲れた母。その2人に挟まれたサマンサは自分の立場を憂いていた。
 【第6話 愛を求められる人】
  元夫の妻が自殺。葬儀に参列したローナは自殺の原因が自分にあることを知る。
 【第7話 家族があることの歓びを知る人】
  娘の担任教員と不倫をしていたルースは、モーテルで“ある事件”を目撃する。
 【第8話 夫の愛の深さを知る人】
  乳がんのため乳房を失うことになったカミールは、手術直前激情にかられ夫を罵倒してしまう…。
 【第9話 神の祝福を受ける人】
  墓参りにやってきたマギーとマリーの母娘。2人がやって来た墓に眠るのは…。

 出演している女優もなかなかです。
 ロビン・ライト・ペン、ホリー・ハンター、シシー・スペイセク、キャシー・ベイカー、グレン・クローズ、そして当時11歳だったダコタ・ファニング。どれも見応えのあるドラマに仕上がっていますが、作品として一番良く出来ているのは第9話じゃないかと思います。グレン・クローズとダコタ・ファニングががっぷり四つに組んだ芝居も見事なら、考えオチになっている脚本も見事。最終話に相応しい余韻が作品全体の印象を良くしていると思います。

 欲を言えば役者の“相互乗り入れ”がもっとあっても良かった。
 第7話でルースが不倫をする理由は、第5話があって理解出来るように、そんな交差した脚本ならさらに素晴らしい仕上がりになっていたかも知れません。ただオムニバス映画としては見応え充分。特に女性にはオススメです。

美しい人 デラックス版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD

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コメント 4

rosemary

この映画は見応えありましたねー。
私は9話目が分からなくて、他の人のネタバレの感想を読んで
やっと理解して、見直して泣きました。
by rosemary (2009-01-30 23:51) 

ken

9話については僕も最初、意味が分かりませんでした。
でもそれが分かると心にグッと来ますね。
特に葡萄を供える芝居が泣けました。
nice!ありがとうございます。

by ken (2009-01-31 00:12) 

Betty

あ!!わたし第9話目、理解していないかもしれません@@
もう一度観ます><
一話一話集中しすぎて9話目は疲れて麻痺してたんだろうな~
by Betty (2009-01-31 16:53) 

ken

9話だけ観てもいいかも知れませんね。
解釈がまったく変わると思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-01-31 18:16) 

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