ぼくの大切なともだち [2009年 ベスト20]
「ぼくの大切なともだち」(2006年・フランス) 監督・脚本:パトリス・ルコント
映画通には「パトリス・ルコントの新作」として、そうでない人には「友情をテーマにした素朴な映画」とまず紹介しておいて、続けて「佳作」と付け加えたい。
何と言っても観易い。
美術商としては成功した部類に入るフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、ある日仕事上のパートナーから「あなたには親友と呼べる人はいない」と断言される。フランソワは言下に否定するが確かに思い当たる相手はいない。やがて彼は“親友探し”を始めることになる…。
目的はただひとつ。フランソワは親友を見つけることが出来るのか、だ。軸にブレがないから観易い。それでいて思いがけない仕掛けが用意されているから飽きない。映画の在り方としては完璧だ。
ルコントの脚本にまずは脱帽。
たとえば「友情」をテーマに脚本を依頼されて、このホンは書けない。
滑稽で、非情で、突拍子もないけれど今風。そして暖かい。
誰もが想像する筋書きを行きながら、些細な伏線だけで観客の期待を心地よく裏切る。
クライマックスの「やりとり」には若干の不満がないわけじゃないが、それも黙視できる程度。
登場人物の設定も巧い。
中でもフランソワのビジネスパートナー、カトリーヌ(ジュリー・ガイエ)の設定が秀逸。彼女に言わせた台詞のすべてが、この作品のクオリティを高めていると言っても過言ではない。
…いやあ、ネタバレさせずに褒めるのは本当に難しい(笑)。
ダニエル・オートゥイユの演技も見事。
自己顕示欲が強く、他人に興味を持たない“サイテーな中年”を実に自然に、嫌味たらしく演じている。感動的なのは「あるいは裏切りという名の犬」のイメージが欠片も無いこと。まさに「perfect!」
フランソワの“親友探し”を手伝うタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)も巧かった。彼が表情だけで見せる演技は間違いなく見ものだ。
この作品、観ながらすべての人が「自分にとっての本当の親友は誰だ?」と考える。
上映時間96分の間に、その答えが見つかれば、あなた自身はハッピーエンド。
では本編は?
ぜひその目で確認して欲しい。
映画通には「パトリス・ルコントの新作」として、そうでない人には「友情をテーマにした素朴な映画」とまず紹介しておいて、続けて「佳作」と付け加えたい。
何と言っても観易い。
美術商としては成功した部類に入るフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、ある日仕事上のパートナーから「あなたには親友と呼べる人はいない」と断言される。フランソワは言下に否定するが確かに思い当たる相手はいない。やがて彼は“親友探し”を始めることになる…。
目的はただひとつ。フランソワは親友を見つけることが出来るのか、だ。軸にブレがないから観易い。それでいて思いがけない仕掛けが用意されているから飽きない。映画の在り方としては完璧だ。
ルコントの脚本にまずは脱帽。
たとえば「友情」をテーマに脚本を依頼されて、このホンは書けない。
滑稽で、非情で、突拍子もないけれど今風。そして暖かい。
誰もが想像する筋書きを行きながら、些細な伏線だけで観客の期待を心地よく裏切る。
クライマックスの「やりとり」には若干の不満がないわけじゃないが、それも黙視できる程度。
登場人物の設定も巧い。
中でもフランソワのビジネスパートナー、カトリーヌ(ジュリー・ガイエ)の設定が秀逸。彼女に言わせた台詞のすべてが、この作品のクオリティを高めていると言っても過言ではない。
…いやあ、ネタバレさせずに褒めるのは本当に難しい(笑)。
ダニエル・オートゥイユの演技も見事。
自己顕示欲が強く、他人に興味を持たない“サイテーな中年”を実に自然に、嫌味たらしく演じている。感動的なのは「あるいは裏切りという名の犬」のイメージが欠片も無いこと。まさに「perfect!」
フランソワの“親友探し”を手伝うタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)も巧かった。彼が表情だけで見せる演技は間違いなく見ものだ。
この作品、観ながらすべての人が「自分にとっての本当の親友は誰だ?」と考える。
上映時間96分の間に、その答えが見つかれば、あなた自身はハッピーエンド。
では本編は?
ぜひその目で確認して欲しい。
ぼくの大切なともだち (完全受注5,000本限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: CCRE
- メディア: DVD
今の年齢になったからこそ、見たい気がします。
by Sho (2009-01-28 06:57)
ホントに考えちゃいました。
自分にとっての親友。
顔が浮かんだ私は幸せ者ですね^^
by てくてく (2009-01-28 14:14)
>Shoさん
自分を振り返るとドキドキします。
nice!ありがとうございます。
>てくてくさん
良かったですね~。ただフランソワのように思い込みじゃないといいけどw
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-01-28 16:06)
たしかに、ルコントどうしちゃったの、って感じの佳作ですね。私も結構好きです。フランスってこういう映画、好きだよね。
個人的にはそーしきには誰も来てくれなくても、ぜんぜんいいんだけどねー。親友、っつーか、その言葉自体もなんだかちょっと苦手かもしれない。
でも、なにかあったらとりあえず電話するともだちは、思い浮かぶからいいかなあ?....などなど、いろいろ考えちゃいました。
by snorita (2009-01-29 10:25)
この映画を見て気になったので調べたんですが、
ルコントは実はコメディをたくさん撮ってる人だったんですよね。意外や意外。
そう思うと今までの作品の見方も変わるかも?なんて思いました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-01-29 15:28)
こんばんは。限定受注ってことは,レンタルには,無いのかな?
ダニエル・オートゥイユって,カンニングの俳優さんですよね?
私,友達は少ないですけど,良い友達はいます。
そして,友達の付き合いって,とても難しいとも思います。
ぜひ観たい!!
by のゆり (2009-01-29 22:33)
僕はDMMでレンタルして観ました。大丈夫ですよ、きっと。
ところで…ホントだ「ザ・カンニング」に出てたんですね。
知りませんでした!
by ken (2009-01-29 23:28)
ホントに観ながら「自分の本当の親友って?」と考えさせられました。すっごく面白かったです♪
by u_yasu (2009-02-01 21:25)
ときどきこんな「自分を真摯に振り返る」映画もいいですよね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-02-01 23:51)
フランソワ~。う~んどっかで付けた名前だ。
というか見ていて、同じ感想を持つのか。と思った。
意外。
by **feeling** (2009-02-09 21:59)
たまにはいいじゃない。同じでも。
by ken (2009-02-10 02:11)
この作品を観て、オトゥーユは日本でいうところ、高倉健だと思いました。
最も好きな中年です。
by クリス (2009-02-11 10:19)
高倉健と言われると最近はどうも、ウクレレえいじを思い出して困りますw
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-02-11 13:32)
これ観たいです!
kenさんのブログ、これからDVDを選ぶ時に参考にさせてもらいますね♪
by bonjour (2009-02-19 22:31)
この作品はオススメです。
これをご覧になったあとで、4月公開の「スラムドッグ$ミリオネア」も
観てみて下さいね。
by ken (2009-02-20 00:46)