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大決戦!超ウルトラ8兄弟 [2009年 レビュー]

大決戦!超ウルトラ8兄弟」(2008年・日本) 監督:八木毅 脚本:長谷川圭一

 まさか46歳にもなって、子供もいないのに、自分の意思でウルトラマンの映画を観るとは思いませんでした。でもそうさせたのは今回のキャスティングです。
 黒部進(ウルトラマン)、森次晃嗣(セブン)、団時朗(帰りマン)、高峰圭二(A)。いやいや、この4人が揃ったくらいじゃ今さら驚きません。肝心なのは彼らの妻として登場した女性たち。
 ハヤタの妻はフジ・アキコ隊員、桜井浩子(どエライ太っててたまげた!)
 ダンの妻はアンヌ隊員、ひし美ゆり子(まったく面影ナシ!)
 郷の妻は坂田自動車工場のアキちゃん、榊原るみ(確かテレビ放映時に死んだはず!)
 そして、北斗の妻は南夕子隊員、星光子(アンタ、月に帰っていったやーん!)
 と、テレビ放映時に何かしら匂わせる関係にあった2人が、その後どういういきさつで結婚しているのか、そんな説明はすべてすっ飛ばして、しれっと「夫婦」してるワケです。おいおいおい。これはね我々の世代にとって「事件」ですよ。特にダンとアンヌはね。あんな劇的な別れをした2人が、どうやって再会を果たしたのか。そこんとこ教えなさいよ!(笑)。
 しかも彼らの設定がまたビミョーでねえ。ハヤタ夫妻は自転車屋を、ダン夫妻はハワイレストランを、郷夫妻は自動車修理工場(これは順当)を、北斗夫妻はパン屋(ウルトラヒーローがパン屋ってアータ!)を、それぞれ横浜で経営しているのです。と、まあツッコミどころは満載なんですが、とにかく彼女たちのキャスティングがあったから観たワケで。でなかったら観ますかいな。

 あ、観た理由がもうひとつありました。それはウルトラマンティガ。

TIGA.JPG

 アメリカと日本だけでもヒーローキャラって星の数ほどいますけど、僕はティガの造型が世界一美しいと思います。
 はっきり言って“ひとめぼれ”でした(笑)。
 それまでは「バットマンこそ最高のビジュアル系」だと思っていたのですが、96年にティガを確認したとき、正直言って驚きました。ウルトラマン16年ぶりの新シリーズ。「円谷プロが本気出して来た!」と思いましたからね。
 だって、こんなにキレイな顔のウルトラマン、今まで見たことないでしょう?アタマの形も、目の形も、耳の形も、すべて完璧。僕にとってはティガこそが究極のウルトラマンなのです。
 ただし。番組は観ていられませんでした。当たり前ですよね。子供向けの番組なんだから(笑)。V6の長野博クンにも興味無かったし。

 でもこの映画版は先のキャスティングから言っても、「大人の視聴に耐えうるウルトラマンかな?」と思ったのです。そりゃそうでしょう。昭和シリーズと平成3部作をミックスしたのは、紛れもなく親子の客を狙ってのことなんですから。なのに。
 脚本に無理がある。
 これだけのキャスティングなら、もっとドラマティックに作れたはずでしょ?

 大人に見せるために、「ウルトラマンのいる世界は、現実とは別のもうひとつの世界」というロジックを展開したのは分からなくもないです。ただ僕たちは夢を見るためにウルトラマンを見るのであって、この映画にリアリティなんて求めちゃいないんですよ。だから徹底的に「ウルトラマンの世界」を描き切って欲しかった。

 一方で久し振りに観たミニチュア撮影は素晴らしい出来栄えでした。
 最近はコストを考慮してデジタル処理してしまう番組が多いけれど、映画くらいはミニチュアにこだわって欲しい。それが円谷プロの真骨頂だと思うから。
 逆にデジタルの恩恵も確認しました。それはウルトラマンをフルCGで作ること。すでに「スパイダーマン」などで使われている技術だけど、おかげで昭和シリーズではあり得なかったようなシーンが可能になってます。面白い。これで脚本さえしっかりしていれば、かなりいい映画になったと思うのに。
 誰か純粋にオトナのためのウルトラマンを作ってもらえないかなあ。

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コメント 9

Sho

いやあ、kenさんのこういう記事、大好きです!!(爆笑)
>映画くらいはミニチュアにこだわって欲しい。それが円谷プロの真骨頂だと思うから。
同意です。
by Sho (2009-03-31 04:23) 

ken

世の中、おかしなことだらけですよ、まったく。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-03-31 20:10) 

魚河岸おじさん

カミさんも「ティガがサイコーにイイ男」と
息子が見ていたTVに向かっていつも言っていました(笑)
因みにボクは、仮面ライダー命世代です(笑)
by 魚河岸おじさん (2009-04-01 15:52) 

葵ママ

ああ、上の子が欲しがってたのはこれです。そういうお話だったんですか。それにしても・・・ダンとアンヌが夫婦?!そりゃ確かに事件ですわ(笑)。あの、ウルトラ史上に残る感動的な別れのシーンはなんだったんだってことになりますわよ。

うちの子供達のウルトラシリーズとの最初の出会いはティガです。私も久しぶりに見て、「おお、かっこいい!しかも、ティガに変身するのがジャニーズ系とは・・・時代の流れだのう」と堪能してました。ウルトラマンの初回放送は私が三歳くらいの頃で、当時唯一カラーテレビを所有していた我が家には、お時間になると近隣のお子様達が群れをなして集まったと母から聞きました。当時の幼なじみ(三歳上の男の子)と、同じ大学&同じ学部で再会した時、彼の第一声が、「ああ、あんたのところでウルトラマン見せてもらったんだよなぁ。怪獣やウルトラマンにちゃんと色がついてるんだもん、感動したよぉ!」・・・私よりウルトラマンかいっ!

ところで、kenさま。もしかして干支は壬寅(みずのえとら)?それとも癸卯(みずのとう)あたりでしょうか。
by 葵ママ (2009-04-01 16:10) 

ken

>魚河岸おじさん
 やっぱり女子にもそうなんですね!
 僕は仮面ライダーも完全に刺さってますよw
 nice!ありがとうございます。

>葵ママさん
 ダンとアンヌは、「は?そんなことありましたっけ~?」って感じで夫婦してます。
 ウルトラマンの初回放送は僕もあまり印象がないんですよね。
 正直がっつりハマったのは「帰りマン」からでした。
 だって生まれは癸卯ですからw
 nice!ありがとうございます。
by ken (2009-04-01 23:34) 

葵ママ

あ、やっぱり癸卯でしたかぁ。私と妹の間にすっぽり入る年。まさに同世代ですね(^○^)

私もウルトラマンやセブンの初回放送はあまり覚えてません。再放送でしっかり観てはまりましたけど。ただ、ウルトラマンよりもセブンよりも、私のハートをがっちり捕らえたのは再放送で観た「キャプテン・ウルトラ」です。

そうそう、ふと思い出したんですがエースの北斗君。合体変身能力を与えられた後に夕子ちゃんと上京してTACに入隊しますよね。その前は、広島でパン屋の配送車運転手として働いてたはずです。ですから、パン屋さんという設定はそうとっぱずれてはいないんですが、パン職人の技能があったのかどうかは微妙。ちなみに、夕子ちゃんは確か看護師でしたね。
by 葵ママ (2009-04-02 14:30) 

ken

「キャプテン・ウルトラ」は僕も大好きでしたね。
シュピーゲル号をレゴで作ったりしてましたよw
「キャプテン」つながりで言うと「キャプテン・スカーレット」も好きでしたけど。
ああ、北斗はパン屋の配送係でしたかあ。それは忘れてました。
それと南夕子、実は大好きだったんですよねえ。今で言う「萌え~」でしたw
by ken (2009-04-03 00:37) 

うつぼ

帰ってきた、、、あたりまでしか観てませんでしたが、
ティガってきれいですね。(kenさんの記事で初めて知りました)
それにしても、昭和の懐かしい時代のキャストを全部出そうとして
無茶な設定になってしまったんでしょうか。
でも、アンヌ隊員と榊原るみは見てみたい気も。。。

by うつぼ (2009-04-05 18:52) 

ken

怖いもの見たさってありますよね~w
榊原るみはまだ許せますけど、アンヌはねえ。期待しちゃうだけにねぇ~w
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-04-07 15:50) 

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