バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 [2009年 レビュー]
「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(2007年・日本) 監督:馬場康夫 脚本:君塚良一
80年代後半から90年代初頭。大量消費社会を全肯定する青春映画3部作、「私をスキーに連れてって」、「彼女が水着にきがえたら」、「波の数だけ抱きしめて」を作ったホイチョイ・プロダクションズが、「メッセンジャー」以来8年ぶりに製作したSFコメディ。
駄作です。
僕がこの映画に期待していたのは、「バブルの申し子」と言われた彼らが、かつての自分たちを自虐的に笑い飛ばそうとする“変わり身”でした。
日本は「失われた10年」のあと、「ITバブル」も経験しました。そんな中、この期に及んで「バブル景気」を振り返るのなら、相応のテーマは必要だったと思います。何なら「過去の過ちを教訓とする」なんて安易なネタでも良かったと思うんだけど、そんな要素はまったく無く、本作は「バブル崩壊を食い止めるため、タイムマシンに乗って17年前の日本に行く」というストーリーで作られました。
ガッカリです。
これは定年前にリストラされそうなサラリーマンが、新入社員に「あの頃はホントに良い時代だったんだよ~」って居酒屋で愚痴をこぼすのと一緒。あるいは「金の切れ目が縁の切れ目」を理解できない不動産屋のオヤジが、酔っ払うたび元愛人に電話をかけて「やり直そうよ~」と言ってるのと一緒。言うだけムダだし、どっちも死ぬほどカッコ悪いでしょ?(笑)。
それでもこの題材で映画を作るなら、バブル景気の恩恵を被った世代と、バブル景気を知らない世代の両方を満足させる必要があるわけです。
前者の世代である僕は当時の世相や風景の再現がまずまず可笑しかったけれど、それでも時代の勢いが再現されたとは言い難い。ましてや後者の世代にとってはケータイの無い不便さや、到底受け入れにくいファッションやヘアスタイルばかりに目が行き、やはりこの時代のパワーは欠片も感じなかったと思います。
原因は脚本。
一番の残念だったのは、この時代を謳歌している強烈なサブキャラを作らなかったことです。
広末涼子演じる主人公・真弓は観客と同じ目線でバブル期の風俗を笑う人ですが、その対抗馬がいません。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」におけるビフのような自信過剰キャラがいないせいで、本作で再現されたバブル景気はうわべだけのモノになってしまいました。
僕は脚本を書いた君塚良一がバブルを謳歌していなかったんだと思います。だから書けなかったんでしょう。個人的なジャストアイディアですが、もしも柳沢慎吾が本人役で出てくれたら、ずいぶん面白い展開を作れたんじゃないかと思いました。
それにしても一番ガッカリだったのは、広末が可愛く撮れてないこと。キレ芸が得意な阿部寛も使い切れてないし、ラストのオチまで最悪で、「ホイチョイも終了だな」と思ったヘタレ映画でした。要回避。
唯一、吹石一恵の抜群のスタイルだけは堪能できます(笑)。
80年代後半から90年代初頭。大量消費社会を全肯定する青春映画3部作、「私をスキーに連れてって」、「彼女が水着にきがえたら」、「波の数だけ抱きしめて」を作ったホイチョイ・プロダクションズが、「メッセンジャー」以来8年ぶりに製作したSFコメディ。
駄作です。
僕がこの映画に期待していたのは、「バブルの申し子」と言われた彼らが、かつての自分たちを自虐的に笑い飛ばそうとする“変わり身”でした。
日本は「失われた10年」のあと、「ITバブル」も経験しました。そんな中、この期に及んで「バブル景気」を振り返るのなら、相応のテーマは必要だったと思います。何なら「過去の過ちを教訓とする」なんて安易なネタでも良かったと思うんだけど、そんな要素はまったく無く、本作は「バブル崩壊を食い止めるため、タイムマシンに乗って17年前の日本に行く」というストーリーで作られました。
ガッカリです。
これは定年前にリストラされそうなサラリーマンが、新入社員に「あの頃はホントに良い時代だったんだよ~」って居酒屋で愚痴をこぼすのと一緒。あるいは「金の切れ目が縁の切れ目」を理解できない不動産屋のオヤジが、酔っ払うたび元愛人に電話をかけて「やり直そうよ~」と言ってるのと一緒。言うだけムダだし、どっちも死ぬほどカッコ悪いでしょ?(笑)。
それでもこの題材で映画を作るなら、バブル景気の恩恵を被った世代と、バブル景気を知らない世代の両方を満足させる必要があるわけです。
前者の世代である僕は当時の世相や風景の再現がまずまず可笑しかったけれど、それでも時代の勢いが再現されたとは言い難い。ましてや後者の世代にとってはケータイの無い不便さや、到底受け入れにくいファッションやヘアスタイルばかりに目が行き、やはりこの時代のパワーは欠片も感じなかったと思います。
原因は脚本。
一番の残念だったのは、この時代を謳歌している強烈なサブキャラを作らなかったことです。
広末涼子演じる主人公・真弓は観客と同じ目線でバブル期の風俗を笑う人ですが、その対抗馬がいません。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」におけるビフのような自信過剰キャラがいないせいで、本作で再現されたバブル景気はうわべだけのモノになってしまいました。
僕は脚本を書いた君塚良一がバブルを謳歌していなかったんだと思います。だから書けなかったんでしょう。個人的なジャストアイディアですが、もしも柳沢慎吾が本人役で出てくれたら、ずいぶん面白い展開を作れたんじゃないかと思いました。
それにしても一番ガッカリだったのは、広末が可愛く撮れてないこと。キレ芸が得意な阿部寛も使い切れてないし、ラストのオチまで最悪で、「ホイチョイも終了だな」と思ったヘタレ映画でした。要回避。
唯一、吹石一恵の抜群のスタイルだけは堪能できます(笑)。
バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: DVD
駄作に同意のnice!です。
本っ当に!つまりませんでした。
ホイチョイだからこそ期待したのに・・
当時の夜の街の場面はやたら薄暗いし、タクシーを競って止める場面も
なんだかうら淋しいし、着物着たヒロスエはホントに綺麗じゃないし、
みんなの老けメイクはギャグだかへたくそなんだかわからないくらい
へんちくりんだし・・
作らないでほしかったな~と、思います。
by Sho (2009-06-29 00:00)
六本木に森永LOVEがあったり、ウォーター・フロントと呼んでいた竹芝の
バンティアン号でロケしてるのは面白かったけれど、肝心の人間がまったく
描かれていませんでしたね。ヒドイ映画を作ったモンです。まったく。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-06-29 02:01)
テレビで観ました。それで十分なかんじ(笑)
阿部寛がかなりフツーで・・・。ラストはげんなりしました。だって、いくらバブルが続いていたって、あれは必要ないですよねぇ。
by カオリ (2009-06-29 20:11)
当時の現実はもっとすごかったし。
懐メロ観る感覚で観てました。
by ばくはつごろう (2009-06-29 22:17)
>カオリさん
同じところに橋が2つ架かっててどうする!と思いましたw
nice!ありがとうございます。
>ばくはつごろうさん
信じられないくらい景気のいい話がゴロゴロしてましたよねえw
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-06-30 02:04)
昨今のお手軽コメディとしてはあんなもんなんでしょうね。ただバブルを扱うにはまったく気合不足ですね。柳沢信吾出てほしかったです。広末ミスキャストだし。
by satoco (2009-06-30 14:28)
広末を可愛く取れないなんて言語道断ですよ。まったく。
でも柳沢慎吾はいいアイディアでしょ?w
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-06-30 17:27)
そーいや、これ、日立のプロモーション映画なんですよ。
忘れていた。
だって、日立の会長の孫がもごもごもご。
by ばくはつごろう (2009-06-30 23:20)
何と言うかホイチョイってやっぱりアマチュアなんだと思いました。
動線グダグダの後半のアクションとか、、
広末ももうちょっとキレイに撮って欲しかったですね。
勢いが無くなったアマチュアの作る映画って無残でした。
by きさ (2009-06-30 23:22)
>ばくはつごろうさん
奥歯にモノが挟まってます。
>きささん
聞けば「メッセンジャー」は悪くない、とのこと。
それを観てからホイチョイ映画の清算をしようかと思います。
広末のことだけはホントに残念w
by ken (2009-07-01 01:25)
バブルを知らないので、こんな世界もあるのかとおもったのだ。った。
by **feeling** (2009-07-10 00:20)
バブルを知らない世代には、バカみたいに見えるだろうなあ。
でも万券でタクシー停めたりしてるのは嘘ですよ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-07-10 00:25)
私のお気に入りのブログです☆これからも楽しみにしていますね!(^ー^)b
by ももい (2011-02-19 00:47)
ももいさん、ありがとうございます!
by ken (2011-02-20 12:01)