マンマ・ミーア! [2009年 レビュー]
「マンマ・ミーア!」(2008年・イギリス/アメリカ) 監督:フィリダ・ロイド
劇団四季版を観たときはものすごく楽しめたのに、この映画版は面白くなかった。
なぜだろう。もしかしたらメリル・ストリープのせいかも知れない。
映画の前に劇団四季版のハナシをしておくと、僕が観た「電通四季劇場・海、こけら落とし公演」の配役が実はすごくて、ドナ=保坂知寿、ターニャ=前田美波里、ロージー=久野綾希子という(分かる人には分かる)なんともゴージャスなキャスティングだったのです。
しかも僕は20年来の保坂知寿ファンで(だから彼女が母親役をやるっていうのはちょっと抵抗があったけど)、彼女の主演作と言うだけで満足感があったし、美波里さんも久野さんも問答無用の主役級。もちろんパフォーマンスは抜群。しかも使われる楽曲が、「嫌いってヤツがいたら出て来いや~(高田延彦調で)」なABBAですよ。もう“鉄板”じゃないですか(笑)。
楽しかったですね~。ホント最高でした。
な・の・に。
この映画は面白くない。
妻の言葉を借りると、「メリル・ストリープが、らしくない」のだ。
もちろんメリル一人のせいじゃありません。複合的にいろんな要素が絡み合っているんですが、メリルは見た目も年齢もキャリアも手伝って、どうしたって「肝の据わった女性」というイメージが強いにも関わらず、本編のメリルは108分中90分くらい「落ち着きがない女性」を演じているのです。これがなんたって「らしくない」。つまりミスキャストってことですね。歌はなかなか聴かせてくれますが、芝居がダメじゃ本末転倒でしょう。
ただし、ミスキャストはメリルだけじゃありません。一番酷かったのは“007”ピアース・ブロスナン。おそらくミュージカル映画史上、最も歌がヘタな俳優として殿堂入りするんじゃないかと思います。
ちなみに史上2番目に歌がヘタな俳優も本作に出てます。紹介しましょう、コリン・ファース!(笑)。
本作の救いはメリルの娘・ソフィを演じたアマンダ・セイフライドがムッチャ可愛いくて、歌も巧かったこと。彼女はロドリゴ・ガルシア監督の「美しい人」に出演していて、そのときも僕は「健康的な美しい女優だなあ」と思わず見とれてしまったのですが、本作の彼女はそれ以上。地中海を照らす太陽のように美しく、ギリシャのロケーション以上の存在感を放っていました。
そんな彼女とメリル唯一のデュエット曲「Slipping Through My Fingers」は、本作のベスト・パフォーマンスだったと思います。ABBAのベスト盤には収録されていないけど名曲だし。
最期に肝心なことをひとつ。
劇場版の演出家に本作の監督をまかせたプロデューサーもどうかと思いますね。
フェリダ・ロイドは長編を撮った経験なんてまったくなく、確かにロブ・マーシャルは「シカゴ」で成功したけど、誰でも通用するワケじゃないでしょう。安易に任せたプロデューサーの責任は大きいと思うなあ。
劇団四季版を観たときはものすごく楽しめたのに、この映画版は面白くなかった。
なぜだろう。もしかしたらメリル・ストリープのせいかも知れない。
映画の前に劇団四季版のハナシをしておくと、僕が観た「電通四季劇場・海、こけら落とし公演」の配役が実はすごくて、ドナ=保坂知寿、ターニャ=前田美波里、ロージー=久野綾希子という(分かる人には分かる)なんともゴージャスなキャスティングだったのです。
しかも僕は20年来の保坂知寿ファンで(だから彼女が母親役をやるっていうのはちょっと抵抗があったけど)、彼女の主演作と言うだけで満足感があったし、美波里さんも久野さんも問答無用の主役級。もちろんパフォーマンスは抜群。しかも使われる楽曲が、「嫌いってヤツがいたら出て来いや~(高田延彦調で)」なABBAですよ。もう“鉄板”じゃないですか(笑)。
楽しかったですね~。ホント最高でした。
な・の・に。
この映画は面白くない。
妻の言葉を借りると、「メリル・ストリープが、らしくない」のだ。
もちろんメリル一人のせいじゃありません。複合的にいろんな要素が絡み合っているんですが、メリルは見た目も年齢もキャリアも手伝って、どうしたって「肝の据わった女性」というイメージが強いにも関わらず、本編のメリルは108分中90分くらい「落ち着きがない女性」を演じているのです。これがなんたって「らしくない」。つまりミスキャストってことですね。歌はなかなか聴かせてくれますが、芝居がダメじゃ本末転倒でしょう。
ただし、ミスキャストはメリルだけじゃありません。一番酷かったのは“007”ピアース・ブロスナン。おそらくミュージカル映画史上、最も歌がヘタな俳優として殿堂入りするんじゃないかと思います。
ちなみに史上2番目に歌がヘタな俳優も本作に出てます。紹介しましょう、コリン・ファース!(笑)。
本作の救いはメリルの娘・ソフィを演じたアマンダ・セイフライドがムッチャ可愛いくて、歌も巧かったこと。彼女はロドリゴ・ガルシア監督の「美しい人」に出演していて、そのときも僕は「健康的な美しい女優だなあ」と思わず見とれてしまったのですが、本作の彼女はそれ以上。地中海を照らす太陽のように美しく、ギリシャのロケーション以上の存在感を放っていました。
そんな彼女とメリル唯一のデュエット曲「Slipping Through My Fingers」は、本作のベスト・パフォーマンスだったと思います。ABBAのベスト盤には収録されていないけど名曲だし。
最期に肝心なことをひとつ。
劇場版の演出家に本作の監督をまかせたプロデューサーもどうかと思いますね。
フェリダ・ロイドは長編を撮った経験なんてまったくなく、確かにロブ・マーシャルは「シカゴ」で成功したけど、誰でも通用するワケじゃないでしょう。安易に任せたプロデューサーの責任は大きいと思うなあ。
どうもメリル・ストリープが母親役というので、気乗りがしなかった作品です。ワタシも四季の「マンマ・ミーア」を観たので(前田美波里、かっこよかったです)イメージが違いすぎるなぁと思って。
すでに、DVDパッケージの写真で着ている衣装が・・・似合ってませんよねぇ。
by カオリ (2009-06-29 20:09)
四季版をご覧になっているなら、この映画は観る必要ないかも知れません。
四季版の思い出だけ胸に秘めていれば充分かなと。
メリルのカワイコぶりっ子はかなり痛いですからw
by ken (2009-06-30 02:10)
アマンダさんはホントに可愛かった。
歌も上手いですしね!
濃い面々の中で唯一、
地中海を吹き抜ける涼風のような存在でした^^
by てくてく (2009-07-05 16:54)
私は現役で見てない!だから大好きだ!><!告白・・・
by **feeling** (2009-07-10 00:16)
ま、僕も生で観たことはないですけどねえ、ABBA。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-07-10 00:24)
確かに「シカゴ」はあたりでしたよね。
ちょっと期待していただけにちょっと残念でした。
でもアマンダ・セイフライドは可愛かったですねー。
by movielover (2010-03-07 22:51)
ロブ・マーシャルってスゴイと思いました。だから「NINE」も期待しています。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-03-07 23:41)