「ゲームセンターCX」にエンタテインメントの真髄を見た。 [映画にまつわるエトセトラ]
ゲーマーに限らず、すごい人気だと聞いて「ゲームセンターCX」を観る。
メディアはレンタル版DVD。
番組コンセプトは、「過去、多くの人が途中で放り投げたゲームに有野晋哉(よゐこ)が挑み、ゲームのエンディング画面を見せる」というもの。ただそれだけ。
これがね、実は笑っちゃうほど面白いんですよ。
観る前は正直、「そこそこの芸人が、しこしこテレビゲームをやるだけの番組の何が面白いんだよ」って思ってたんです。でもメッチャはまりました(笑)。
なぜか。
本作にはエンタテインメントに必要な要素が全部詰まってるからです。こりゃ勉強になりますよ。
あまりに面白いんで僕はレンタル版の1.0から6.0まで、6作全部観てしまいました(笑)。
まず【ゴールが明確】ですね。
本作のゴールはもちろん「ゲームを攻略すること」です。ゴールがハッキリしていると、観客はストーリーに集中できますから観易いんですよ。
例えば「勝利」を目指すスポーツものとか、「犯人探し」をするミステリーなんてのはその典型でね。しかも観客は主人公と同じ目線になりますから、感情移入も容易にします。結果、観客はドラマを追体験することになり、展開次第で“手に汗握る”というワケ。
また「人がやっているゲームをそばで観る」という、誰もが一度は経験のある構造になっているのもいいですね。これは「プレイをしている有野の顔を画面上にワイプでインサートしない」演出が抜群に効いています。だから、めちゃくちゃ生々しい。きっと視聴者の多くは「テレビを見ている感覚」を失うと思います。
展開の途中、【予想もしないトラップがある】のもいい。
一部演出だとは思いますが、ゲームそのものであったり、有野のスケジュールであったり、とにかく簡単にはゴールさせてくれない(飽きさせない)トラップが、毎回どこかに隠れています。
中でも感心するのは「裏ワザ」の使い方。
仮に裏ワザがあったとしても、制作サイドはそれを有野に明かさず、絶対に最初からは使いません。あきらかに「裏ワザがなければ攻略不可能」という状態に辿り着いてはじめて、その存在を明かすことにしています。
しかしこれは「飴とムチ」。制作サイドは、裏ワザを使うことによって新たに生まれる「枷(かせ)」(たとえば時間制限など)を巧く利用して、別の側面から有野を追い込むという演出も施しています。分かり易く言えば「いったん持ち上げておいて落とす」演出(笑)。有野だけでなく、視聴者にとっても一喜一憂させられる“波”の付け方が見事です。
ときどき【意表を突いたエンディング】になるのもいい。
本作はゲームを攻略することが目的なのに、まさかの「ギブアップ宣言」が時折あります。ただし、これは有野自身が突発的に発するのではなく、制作サイドから「継続かギブアップか」を確認した上でのこと。番組の基本コンセプトに関わるジャッジを下すシーンは、予定調和防止のために考えられた「もうひとつのクライマックス」。いいアイディアだと思いました。ついでにときどきホントにギブアップするから、それも意外で楽しめます。
そして本作最大のポイントは少年ジャンプと同じ、【友情・努力・勝利】という三大コンセプトで成り立っているところ。
「ゲームセンターCX」の登場人物は、実は有野晋哉ひとりではありません。ゲーム攻略のために途中番組のADやAPが助言、応援、あるいは助太刀として現れ、重要な役割をはたします。
実質、彼ら無しでは番組展開の変化に乏しく、かなりそっけないものになっていたでしょう。
仲間がいるからこそ、辛いことも乗り越えられる。
仲間がいるからこそ、実力以上の力が出る。
そして、仲間がいるからこそ、ゴールしたときの喜びもひとしおなんだと思います。
観ている我々もすっかり感情移入していますから、かなりの達成感を味わうことが出来ます。
面白いのはスポーツとは一味違う達成感があること。客観的に観ていても心の底から喜べるんですね。スポーツとの決定的な違いは、「そこに涙を流す敗者がいない」ということ。誰に恨まれることなく無心のガッツポーズを出せるのは、理想のエンディングのように思います。
観る人すべてを心地よくさせる「ゲームセンターCX 有野の挑戦」
ここから学ぶべきことはまだまだあるかも知れませんね。
メディアはレンタル版DVD。
番組コンセプトは、「過去、多くの人が途中で放り投げたゲームに有野晋哉(よゐこ)が挑み、ゲームのエンディング画面を見せる」というもの。ただそれだけ。
これがね、実は笑っちゃうほど面白いんですよ。
観る前は正直、「そこそこの芸人が、しこしこテレビゲームをやるだけの番組の何が面白いんだよ」って思ってたんです。でもメッチャはまりました(笑)。
なぜか。
本作にはエンタテインメントに必要な要素が全部詰まってるからです。こりゃ勉強になりますよ。
あまりに面白いんで僕はレンタル版の1.0から6.0まで、6作全部観てしまいました(笑)。
まず【ゴールが明確】ですね。
本作のゴールはもちろん「ゲームを攻略すること」です。ゴールがハッキリしていると、観客はストーリーに集中できますから観易いんですよ。
例えば「勝利」を目指すスポーツものとか、「犯人探し」をするミステリーなんてのはその典型でね。しかも観客は主人公と同じ目線になりますから、感情移入も容易にします。結果、観客はドラマを追体験することになり、展開次第で“手に汗握る”というワケ。
また「人がやっているゲームをそばで観る」という、誰もが一度は経験のある構造になっているのもいいですね。これは「プレイをしている有野の顔を画面上にワイプでインサートしない」演出が抜群に効いています。だから、めちゃくちゃ生々しい。きっと視聴者の多くは「テレビを見ている感覚」を失うと思います。
展開の途中、【予想もしないトラップがある】のもいい。
一部演出だとは思いますが、ゲームそのものであったり、有野のスケジュールであったり、とにかく簡単にはゴールさせてくれない(飽きさせない)トラップが、毎回どこかに隠れています。
中でも感心するのは「裏ワザ」の使い方。
仮に裏ワザがあったとしても、制作サイドはそれを有野に明かさず、絶対に最初からは使いません。あきらかに「裏ワザがなければ攻略不可能」という状態に辿り着いてはじめて、その存在を明かすことにしています。
しかしこれは「飴とムチ」。制作サイドは、裏ワザを使うことによって新たに生まれる「枷(かせ)」(たとえば時間制限など)を巧く利用して、別の側面から有野を追い込むという演出も施しています。分かり易く言えば「いったん持ち上げておいて落とす」演出(笑)。有野だけでなく、視聴者にとっても一喜一憂させられる“波”の付け方が見事です。
ときどき【意表を突いたエンディング】になるのもいい。
本作はゲームを攻略することが目的なのに、まさかの「ギブアップ宣言」が時折あります。ただし、これは有野自身が突発的に発するのではなく、制作サイドから「継続かギブアップか」を確認した上でのこと。番組の基本コンセプトに関わるジャッジを下すシーンは、予定調和防止のために考えられた「もうひとつのクライマックス」。いいアイディアだと思いました。ついでにときどきホントにギブアップするから、それも意外で楽しめます。
そして本作最大のポイントは少年ジャンプと同じ、【友情・努力・勝利】という三大コンセプトで成り立っているところ。
「ゲームセンターCX」の登場人物は、実は有野晋哉ひとりではありません。ゲーム攻略のために途中番組のADやAPが助言、応援、あるいは助太刀として現れ、重要な役割をはたします。
実質、彼ら無しでは番組展開の変化に乏しく、かなりそっけないものになっていたでしょう。
仲間がいるからこそ、辛いことも乗り越えられる。
仲間がいるからこそ、実力以上の力が出る。
そして、仲間がいるからこそ、ゴールしたときの喜びもひとしおなんだと思います。
観ている我々もすっかり感情移入していますから、かなりの達成感を味わうことが出来ます。
面白いのはスポーツとは一味違う達成感があること。客観的に観ていても心の底から喜べるんですね。スポーツとの決定的な違いは、「そこに涙を流す敗者がいない」ということ。誰に恨まれることなく無心のガッツポーズを出せるのは、理想のエンディングのように思います。
観る人すべてを心地よくさせる「ゲームセンターCX 有野の挑戦」
ここから学ぶべきことはまだまだあるかも知れませんね。
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