SSブログ

イーグル・アイ [2009年 レビュー]

イーグル・アイ」(2008年・アメリカ) 監督:D・J・カルーソー

 年間に約800本の劇場用映画が公開される中。あれも観たい、これも観たいと思う一方で、ときどき「ゼッタイ、ミナクテイイ」という信号が自分の内から出ることがある。何故そんなシグナルが出るのかは分からない。自分でも気付かないセンサーが反応しているのか、モノによってはタイトルとアートワークを観ただけで、
赤いパトランプがウーウーと唸りを上げる。
 「イーグル・アイ」もそのひとつだった。ポスターを観た瞬間に僕は「ゼッタイ、ミナクテイイ」という内からのメッセージをキャッチした。そして劇場公開時はシカトし、wowowで放送される段でそれが正しいのかどうかを確認するために観た。すまんねスピルバーグ君。
 そして、結論から言うと、
 やっぱり危険信号は正解だった。
 まったくなんじゃこりゃな映画だ。

 早い話がコンピュータの暴走に振り回される人間のハナシ。
 人間の暮らしを豊かにするために開発された技術が、実は人間の生活を脅かすことになるかも知れない、というテーマだが、こんなものはアイザック・アシモフの「ロボット三原則」以降、何かと扱われてきたテーマである。分かり易いところでは「2001年宇宙の旅」。近年では「アイ,ロボット」が同様のテーマを扱った作品として記憶に残る。
 しかも「イーグル・アイ」というワードが出て来るまでに59分も要し、観客は主人公たちとともに「何がどうなってんのかさっぱり分からん!」状況に置かれるのだ。こういった扱いを受けることに慣れていて、それを好む人は観てもいい(つまりドMということか)。
 けれど僕は「主人公だけでなく、観客までもほったらかしにする」映画を好まないので、例えば家賃も払えない青年のアパートに最新の武器弾薬が届いたり、銀行口座に突然75万ドルが振り込まれていたり、乗り込んだクルマの運転手に「子どもを返して!」と泣きつかれたりするとイライラしてしまう。で、正直な感想が「なんじゃこりゃ」になってしまうのだ。

 一方で、「
さすがハリウッド」という点もある。
 中でもヴィジュアルクリエイティブのアイディアと完成度に驚く。特にコンピュータのインターフェースはグラフィックデザインが素晴らしかった。ホント、こういうのやらせるとコイツらは巧い。
 主人公の一人レイチェルを演じたミシェル・モナハンも良かった。彼女が登場した早々「サンドラ・ブロックそっくり!」と思ったのだけど、なんとも言えない“味のある”いい顔をしている。僕はハナシの概要が見えた60分過ぎ辺りから「観るの止めちゃおうかな」と思っていたのだけど、結果的にはミシェル・モナハンがその誘惑を断ち切ってくれた。アメリカ人は「隣のお姉ちゃん」的なサンドラ・ブロックが大好きらしい。僕は好みじゃないけど、ミシェル・モナハンは好きだ。「近距離恋愛」にも出ていたので、そちらも観てみようかと思う。

 「2001年宇宙の旅」を観ていない若い世代には面白いだろう。
 街中に無数に存在する監視カメラがちょっと怖くなる現代のミステリー。

330921_002.jpg
 ミシェル・モナハン。この感じがなんかスキ。



イーグル・アイ スペシャル・エディション【2枚組】 [DVD]

イーグル・アイ スペシャル・エディション【2枚組】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD
     
     

nice!(5)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 5

コメント 6

ばくはつごろう

おれもミシェル・モナハンは好きだ。
だからこの映画はオーケーなの。
by ばくはつごろう (2009-11-24 22:28) 

ken

ま、そういう意味では僕も完全オーケーですw
ラストシーンなんか、ちょっとコーフンしたし。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-11-24 22:32) 

satoco

本作録画だけしてまだ見ていないのですが、シグナルに共感しnice! です。ありますね。野生の勘ですかね。
近距離恋愛のモナハン、適役でしたよ。素敵でした。
by satoco (2009-11-24 23:25) 

ken

「野生の勘」ってこれまたちょっと古臭いワードですねw
でもその通りだと思います。モナハン、ちょっと惚れたかも。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-11-24 23:55) 

きさ

この映画は結構私は面白かったです。
カルーソー監督、ラブーフのコンビの前作「ディスタービア」もヒッチコック監督の傑作「裏窓」だったそうですが。今回は「北北西に進路を取れ」かな。
絵的には「北北西に進路を取れ」の有名なシーンなど色々とヒッチコック風ショットがあります。
「北北西に進路を取れ」かと思わせておいて、後半は意外な展開というのは考えたなあと思いました。
ラブーフとミシェル・モナハンのコンビは良かったです。
by きさ (2009-11-25 05:14) 

ken

なるほど。僕もまだまだ勉強が足りませんね。
「北北西に進路を取れ」は観てませんし。
もっと勉強しよう。
by ken (2009-11-25 09:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

宇宙大怪獣ギララ秘密調査員 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。