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007/ドクター・ノオ [2010年 レビュー]

007/ドクター・ノオ」(1962年・イギリス) 監督:テレンス・ヤング

 wowowが「史上初!007シリーズ全22作品一挙放送!」という企画をやっている。
 確かに一挙放送はスゴイ。けれどもっとスゴイのは、
今回「ニューマスター版」と呼ばれるテープが使われているところだ。wowowの公式サイトにこんな情報がある。

 「今回の一挙放送で使用されるオンエア用のマスターテープは、フィルムを1コマずつスキャニングしてコンピューターに取り込み、フィルムのキズやゴミなどを完全に除去。なおかつ色味の統一や補整などのレストア(修復)が完璧に施され、それと同時にサウンド・トラックもまったくノイズレスと言ってしまっても過言ではないクオリティが再現された「ニューマスター版」が揃えられています。wowowではこれまでにもたびたび007特集が組まれてきましたが、今回のように全作品に渡ってニューマスター版が登場するのはこれが初めてのことです」

 確かに絵も音も驚くほどキレイだ。
 007のDVDBOXをリリースしている20世紀フォックスは怒ってるんじゃないかと思う。でも、せっかくだから僕はブルーレイで録って、ブルーレイディスクにすべてダビングするのだ。うしし。
 それはさておき。

 ところで僕は「このシリーズ、何本観てただろう」と思って数えてみた。すると22作品中なんと16作品も観ていた。…観過ぎじゃない?(笑)。
 その観ていない6本はシリーズ当初の作品ばかりで、「ロシアより愛をこめて」(第2作)、「ゴールドフィンガー」(第3作)、「サンダーボール作戦」(第4作)、「女王陛下の007」(第6作)、「ダイヤモンドは永遠に」(第7作)、「黄金銃を持つ男」(第9作)と並ぶ。僕が007をリアルタイムで観るようになるのはシリーズ第10作の「私を愛したスパイ」(1977年)からなので、当然といえば当然だが、それにしても16本も観ていたとは、ちょっと恥ずかしい。
 でも観ちゃうのだ。
 最近どうにも忙しく、例年に増して映画を観る機会が少ない。そんな中、他に観るべき映画がゼッタイにあるはずなのだが、僕には収集癖に似た「シリーズ踏破」という悪い癖がある。だからきっと観ちゃうのだ。まずはシリーズ第1作である。あーあ、長い枕だった。

 「ドクター・ノオ」は何度も観ている。でも何年ぶりだろう。
 そう思いながら観始めて驚く。設定も展開もまるで記憶に無いのだ。唯一鮮明に覚えていたのが、ホテルのクローゼットにボンドが髪の毛を貼り付けるシーン。留守中何者かに侵入され、物色されたかどうかを確認するための知恵だが、ここ以外はほとんど記憶に無かった。それどころか僕の記憶の中でドクター・ノオはドナルド・プレザンスだったのだが、これが完全に記憶違いで、ジョセフ・ワイズマンが登場したときにはストーリー以上に驚いてしまった(笑)。ちなみにドナルド・プレザンスは「007は二度死ぬ」のブロフェルド役であった。

 それにしてもシリーズ1作目から、設定がきちんと出来あがっていて素晴らしい。何よりボンドが笑っちゃうほど助平でいい。なんたって1作目から、いきなり3人の女子とよろしくしちゃうのだから、助平ぶりも半端じゃない。
 中でも一番笑ったのが敵の女子工作員とベッドインする展開。
 ボンド暗殺を企む敵が、女子工作員の自宅にボンドをおびき出したまでは良かったけれど、実行犯が来るまでに2時間かかるという。それを受けた女子工作員が「じゃあ2時間なんとか引き止めるわ」と答えるのだ。「もう、それってエッチなシーン挿入したいだけやん!」と突っ込むのは、きっと僕だけじゃないだろう。そもそも「2時間」って聞いた段階でぷぷぷ、と笑ってしまったのは、やっぱり僕が“隠れ007マニア”だからだろうか(笑)。

 何と言おうと記念すべき1作目。見応えは充分にある。
 僕はどちらかと言えば、ロジャー・ムーア派だったのだが、改めて観るとショーン・コネリーのボンドもいい。なんたってセクシーである。2作目の「ロシアより愛をこめて」も大いに期待してしまう。
 そう言えば、島の娘ハニー・ライダー(ウルスラ・アンドレス)が海から登場するシーンは、「ダイ・アナザー・デイ」(2002)のハリー・ベリー登場シーンに引用されたんじゃないだろうか。そんなことに気づいて行くのもシリーズ踏破の愉しみである。
 さてゴールはいつになることやら。

ドクター・ノオ (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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コメント 9

きさ

一応、全作品見ています。見すぎ?
とはいえこれとか初期作品はそれほど覚えてませんね。
小学生の時に父親と見た「二度死ぬ」が初ボンドだったはず。
原作も結構読んだんですが、初期作品は割と原作に忠実ですよ。

by きさ (2010-04-09 05:44) 

ken

全作品観ている人は、正統派のファンということですから、
それを「観すぎ」とは言いませんね。正しい行為じゃないでしょうかw
by ken (2010-04-09 10:44) 

coco030705

最近の新しい007も2作目を観ていません。でも古い007はよく観てました。
「ドクター・ノオ」はたぶん何度かTVで観てるはずなんですが、あまり思い出せず……。
私はジェームス・ボンド役は、ショーン・コネリーとピアーズ・ブロスナンが好きです。また再見して楽しみたいものです。
by coco030705 (2010-04-09 21:43) 

うつぼ

私も全部見てます。。。っていうか持ってます。(笑)
私の中ではジェームズ・ボンドはショーン・コネリーが一番しっくりきますが、
一番エロいボンドも彼だったかなー、、なんて思います。。
この作品はドクター・ノオがまったく中国人に見えないのが私にとっては
一番のツボです。。。
by うつぼ (2010-04-09 22:58) 

ken

>coco030705さん
 どれくらい覚えてないか選手権、やってみたいですすw
 22作目もなかなかいいですよ。
 nice!ありがとうございます。

>うつぼさん
 僕の友人にもDVDBOXを買って堪能してたヤツがいます。
 その友人の家が不幸にも火事になり、全焼してしまったのですが
 不思議なことに、007のDVDBOXだけが無傷の状態で出てきて
 「さすが007!」と感心していたのを思い出しましたw
 nice!ありがとうございます。
by ken (2010-04-10 10:04) 

けろよん

二度死ぬのプレザンスも
初公開時はノオとキャラが被ると
言われたそうなので
(孤島での宇宙絡みの策謀、人民服、ドイツ系の名前など)

記憶違いは無理ないと思われます。

海外wikiによると
ノオは再登場する予定だったらしいですし

ネタバレ容赦いただくと
ややこしい事に
ワイズマンは姿を現す前の
(二度死ぬ以前の)
ブロフェルドの声もやっているとの事から
混同されやすいようです
by けろよん (2010-04-25 23:50) 

ken

なるほど!解説ありがとうございます。
そういうことなら、僕の記憶違いも納得です。
by ken (2010-04-26 13:31) 

けろよん

返信ありがとうございます。

007は楽しいので
いっぱい観てください

寅さんなき後
時代と共に歩む数少ない映画だと思います

主題歌がある洋画としても貴重ですし
by けろよん (2010-04-26 23:13) 

ken

時代と共に歩む映画ね。ホントそうかも知れませんね。
by ken (2010-04-27 12:51) 

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