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ナイト&デイ [2010年 レビュー]

ナイト&デイ」(2010年・アメリカ) 監督:ジェームズ・マンゴールド

 ときどき自分で自分のことを馬鹿なんじゃないかと思う。
 トム・クルーズとキャメロン・ディアスが2人でバイクにまたがって、2丁拳銃でバカバカ撃ちまくってる映画に「おおお!こりゃスゲー」と僕が興奮する確立は、中国が尖閣諸島をあきらめる確立並みに低い。それを知っていて何故こんなものを観るのか。どうしてオマエはハリウッドの術中にまんまとハマってしまうんだ。バカバカ。

 ビンテージカーの修理工場を営むジューン(キャメロン・ディアス)は、ある日空港でハンサムな男、ロイ(トム・クルーズ)と出会う。同じ飛行機に乗り合わせ、意気投合したかに見えた2人だったが、実はロイはある重要な任務を帯びたスパイだった…。

 映画史を振り返ってみると今まで数々のスパイが登場し、数々の任務についていたけれど、もうそろそろネタ切れと見た。本作の場合は「充電しなくても永久に使える“電池”の開発に成功した高校生の護衛」である。…まあいいけど(笑)。
 あ、そう言えば。
 「トランスフォーマー/リベンジ」を観たときに、「作る阿呆に観る阿呆」と身も蓋もないことを書いたら、「映画は娯楽でもある限りバカ映画は作られていくのだ」との至言をtomoartさんから頂いた。
 確かにそうだ。でもだからと言って僕はバカ映画を愉しめる歳じゃない。それは世の中がバカ映画みたいに都合よく行かないことを知っているからだ。
 
 ただ注目すべき点がないわけじゃない。
 デジタル技術の進歩によって、映像の限界点が無くなりつつある今、ハリウッド産映画はいよいよアニメやマンガ化して来た。
 最も顕著な例はカメラワークだ。ウォシャウスキー兄弟が「マトリックス」で取り入れたマンガ的画角は、いまやハリウッドに深く浸透し、スタンダードになろうとしている。
 ハリウッド恐るべし。ヤツらは日本で育まれた“様式美”を完全に呑み込んだのだ。世界中から「クールジャパン」と言われて、日本人がいい気になっていた、そのスキに。
 日本で生まれた映像スタイルは、ハリウッドがさらに進化させるだろう。僕にとってバカ映画の見どころはこの一点に尽きる。

 大スクリーンでキャメロン・ディアスのアップを見るのはもう辛い。けれど彼女の代わりがいないのも事実。言葉は悪いがあそこまでフツーにバカ役が出来るコメディエンヌもなかなかいないからだ。このポジションのネクスト・ジェネレーションに期待。トム・クルーズは(お好みだと思うけれど)メーターが振り切れてて良かった(笑)。

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non_0101

こんにちは。
術中にハマってしまったのですね~
私は二人のキャラクターが面白くて、かなり楽しんでしまいました(^^ゞ
幾つになってもキャメロンはさすがです☆
by non_0101 (2010-10-24 11:11) 

ken

僕はもう素直に楽しめない、嫌なオトナになっちゃいましたw
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-10-24 20:54) 

movielover

私もよく術中にはまり、「バカバカ」と思ってます。

でも何も考えたくないときに、この手の映画が有効なのも事実(笑)。

確かにキャメロンのネクストジェネレーションに期待したいですね。
by movielover (2010-10-31 00:08) 

ken

何も考えたくないときは本当にいいですよねw
それは自覚しています。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-10-31 02:10) 

**feeling**

これをチョイスされて、見るとは夢にも思わなかったので。
100%やる気無しで見てました。
トムのちっこさと、キャメロンのしわしか見てなかった。
他にどうしろと?と思った。

しかし、また見たいと言った人がいて、貴重な存在だと思った。
by **feeling** (2010-11-12 09:23) 

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