デスレース [2010年 レビュー]
「デス・レース」(2008年・アメリカ) 監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
2012年。経済が破たんしたアメリカで刑務所の経営は民間に委ねられていた。
孤島の刑務所ターミナル・アイランドでは独自の収益を上げるため、「5勝で釈放」というエサを囚人に与えて命がけのレースをさせ、それを有料でインターネット中継をしていた。
ある日、妻殺しの冤罪で投獄されたジェンセン(ジェイソン・ステイサム)は、所長のウォーデン(ジョアン・アレン)から、すでに4勝しながら死亡した人気レーサー“フランケンシュタイン”としてレースに出るよう圧力をかけられる。出所して身の潔白を証明したいジェンセンはそれを引き受けるのだが、レースを重ねるうちに意外な事実を知る…。
オリジナルは1975年に制作された「デス・レース2000」で、デヴィッド・キャラダインと「ロッキー」でブレイクする前のシルベスター・スタローンが出ているのだそうだ。しかも、オリジナルとリメイクいずれも“B級映画の帝王”ロジャー・コーマンのプロデュース作品。いや、俄然オリジナルも観たくなってきた。
それはともかく。
このリメイク版は、ジェイソン・ステイサム好きで、クルマ好きで、いいオンナ好きなら、「まあこれでいいか」的な感想になってしまうのだが、僕は“映画好き”でもあるので、一つだけどうしても言いたいことがある。
妻殺しの汚名を着せられたジェンセンの“謎解き”と“名誉回復”には何のカタルシスもなく、消化不良も甚だしい。それでなくたって今の僕には「娘が産まれて間もないときに妻を何者かに殺害される」なんてシチュエーションはシャレじゃ済まないのだ。そこは是が非でも「マッドマックス」的着地点を用意して欲しかった。
と言いつつ、コレはウルトラB級映画であるが故、多くを望んではいけないことも知っている。
あり得ないほどの銃弾を浴びながらクルマはパンクひとつせず、しかもジェイソン・ステイサムには一発も当たらず、どうでもいい人間だけバッチリ被弾する予定調和の中、ドラマの整合性を求めるのは野暮と言うもの。僕の場合、ジェンセンの助手席でナビゲーターをするナタリー・マルティネスが刺さりまくりで、大概のことは許せてしまった(笑)。
ナイスバディ
おいおいおい。
B級映画マニアのユルいアタマにはエロが一番のカンフル剤。薬が効けば大抵の映画は肯定出来る。
しかもプロダクションデザインも、編集のテンポも悪くない。やっぱりオリジナルが観たくなってきた。
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