ラブ・アクチュアリー [2005年 ベスト20]
「ラブ・アクチュアリー」(2003年・イギリス/アメリカ) 脚本・監督:リチャード・カーティス
「19人が織りなすそれぞれの愛のカタチ…それはあなたの物語(ストーリー)」
これが公開当時のキャッチコピーだったそうだ。…え、19人もいた?と観終わってから思う。ま、いたんだろうけどさ。
ヒュー・グラントが英国首相役だったということと、英国男性はアメリカでモテモテというエピソードにオチがなかったこと。
この2点にはかなり驚いたけれど、それを差し引いてもこの映画はとてもよく出来てます。
「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家で、本作では初監督も務めたリチャード・カーティスが素晴らしい。
複数のカップルの恋愛模様を同時進行で描きつつ、さらにロックスターとマネージャー、社長と美人秘書、養父と息子といった微妙な関係も絡んでくる。
この、オムニバスにすればまったく簡単に仕上げられるストーリーを、完全時系列でつないで見せた脚本はお見事としか言いようがありません。
「世界は愛で満ちている」というテーマで作られたこの作品の僕が気に入っているところは、劇中結婚式を挙げるカップルと、10歳の少年少女カップルのいずれも、どちらかが「カラー(有色人種)」であったこと。最初はとても違和感があったのだけど、途中からこの作品のテーマの奥深さが伝わってきて心が粟立ちます。
また登場人物が多いだけに、観る世代と性別によって感情移入する対象が変わり、その意味でもあらゆる世代に受け入れられる作品だと言えます。
劇中セックスに関する描写とセリフが多々あるので小さな子供と一緒に観ることは出来ませんが、一番オススメなのはクリスマスに。またはアニバーサリーに大切な人と一緒に観ることをオススメします。傑作。