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小さな恋のメロディ [2005年 レビュー]

小さな恋のメロディ」(1971年・イギリス)

 ま、この映画も「なんで今頃?」と言われること間違いなしの1本ですね。すいません、42歳にもなってはじめて観ます(笑)。
 最近、新作DVDに観たいと思う作品がなくて、しかも青物横丁のGEOは作品のストックが少ないため、今月に入ってからの僕は「観るものがない」状態に陥っています。だからこの数日は「今更観てないと人には言いにくいシリーズ」になっちゃってます。

 それにしてもこの邦画タイトルは巧いねえ。原題はトレイシー・ハイドの役名のまま「melody」なんだけど、このままのタイトルじゃ客は入らないって、当時の日本ヘラルドの社員さんたちは思ったんだろうね。他にどんなタイトル案が出たか聞いて見たい気もするけど、とにかくビージーズの素晴らしい曲にも掛けたタイトルにした。しかも、ただの「恋のメロディ」じゃなく「小さな恋の…」とした。これだけで歴史的な大仕事になったわけです。誠にお見事。
 そしてその中身。
 今回初めて観るまでの僕の印象は、マーク・レスターとトレイシー・ハイドのキャラクターに頼った映画なんだろうなと勝手に想像していました。ところが子供の目線に立った脚本と演出の小技があちこち効いていて正直ビックリ。
 僕にとってのベストシーンは、メロディが金魚を水道の溜まりの中に放してやるシーン。
 何気なく観ているとストーリーとは別段関係ないように思えるんだけど、このシーンはメロディが思いやりのある心優しい女の子であることを観客に伝える、極めて重要なシーンなんですね。また「金魚」というアイテムを使って、「未だ恋に目覚めていない子供」であることも暗示しています。
 その証拠に、メロディがダニエルに対して恋心を抱いた以降のシーンで金魚が出てくることはありません。教室の廊下でダニエルを待っているメロディの表情は、それまでの子供の表情と違い、まさに恋する女。ベストショットです。子供の頃に観ておけば良かった(笑)。
 大人になってしまったアナタには、10歳を越えた子供と一緒に見て、そのリアクションや感想を聞いて楽しみましょう。

小さな恋のメロディ

小さな恋のメロディ

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: DVD

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コメント 6

こんばんは。
小さな恋のメロディ 懐かしいです。
私はジャック・ワイルドが大好きでした。
先日友達とカラオケに行って、歌うものに迷った挙句に
この映画の「若葉のころ』を選んでみました。
けっこう歌えるもんです。
もう一度みたいけど みないままでいたい気もする映画です。
by (2005-03-04 23:02) 

ken

よーこさん、コメントありがとうございます。
そうですね、この映画を遠い昔に観た人は「初恋の人の思い出」と同じく
大切に心の中にとっておくのが良いかも知れませんね。
僕も子供の頃に見て感動した作品を、最近見直したものが何本かありますが
決して同じ気持ちにはならないんです(笑)。
観るときは「玉手箱を開けるつもり」がいいかも知れませんね。
by ken (2005-03-04 23:39) 

satoco

こんにちは。

この映画10~12歳くらいの頃に見て、すごく面白かったと言う記憶があるんです。とくにkenさんがおっしゃっている金魚を散歩(?)させるシーンは印象に残りました。

つい最近スカパーかどっかで放送したので録画してあります。でも観てないんです。勿体つけているというか。玉手箱を開けるつもりになったら、観ようと思います。

子供の頃見たのは両親が「この映画おもしろいよ」と言って薦めてくれたからなんですけど、他にそういう映画って「ポセイドンアドベンチャー」とか「ウエストサイドストーリー」とか、ほんと私が映画好きになったのって両親の影響だと思います。
by satoco (2005-12-24 11:45) 

ken

いいご両親をお持ちで羨ましいです。
僕もいつかそんな親になりたいなあ。
by ken (2005-12-24 23:04) 

こじーま

イやダメです。子供のころになんかみちゃ。永遠に夢見る子供のまんまになっちゃうデェ!
失礼しました。初めてコメントさせていただきます。殆ど同年代のこじーまともうします。瑠璃子さんのブログに良くコメントしており、曽根風呂のみなさんのブログをチョコチョコ拝見するようになりました。
この映画は本当に美しい。映画は物語でいいのだ、たとえ現実性が乏しくても、人の心をうつ純粋さや美しさがあれば、それだけで価値がある、と思っています。持ち上げっぱなしですいません。
60年終りから70年代に差し掛かる、ちょっとしょぼくなりかけた、ややのんびりしたイギリスの感じがまた素敵です。労働問題とか色々あったんでしょうが。
で、この映画の製作者、デビット・パットナムさんですが、この映画で勢作デビューらしくて、このあと、「炎のランナー」とか、「ローカルヒーロー」とか、美しい映画とか、心の洗われる映画とかばっかり作ってます。
映画は監督で見ろとかよく言いますが、わたしはこのパットナムさんの映画は、少なくともこの3本とも全部好き。製作者で見る、というのもひとつの手かも、と思ってます。
by こじーま (2006-01-08 21:16) 

ken

「製作者で見る」視点も面白いですね。
最近で言うと、ジェリー・ブラッカイマーがそうですよね^^
by ken (2006-01-10 14:48) 

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