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運動靴と赤い金魚 [2005年 レビュー]

運動靴と赤い金魚」(1997年・イラン)
 
 1998年、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品です。
 このタイトル、劇場公開時から「いいタイトルだなあ」と密かに感心していたのですが、これはあくまでも邦題で、原題は「CHILDREN OF HEAVEN」なんだそうです。なんだかなあ。
 イラン映画は1979年のイスラム革命以降、暴力シーンと恋愛シーンの描写が禁止され、以来子供が主役の映画が多数作られたそうですが、この作品もタイトルから想像できるように小学校に通う兄妹が主役です。
 妹の靴を失くしてしまった兄が、妹の靴をなんとか手に入れようと、運動靴が賞品になっているマラソン大会に出場をする話なんですが、この映画の見どころはその結末ではありません。たった一足の靴を兄妹で共有しなければならないイランの貧困層の人々の暮らしこそが、この作品の見どころだと思います。そしてその様子を見ながら、自分たちがいかにモノを大切に扱っていないかを知ることになります。
 劇中、兄妹の2人が一足の靴を洗うシーンがあるのですが、壁に立てかけて運動靴を干すところで、「確かに昔はこうやって靴を干してたなあ」と思い出し、今はそんなことしてまでしないなあと思ったら、胸がちりりと痛くなるのです。
 小中学生の子供を持つ方は、家族で観ることをオススメします。そして親は反省をし、子供たちには何かを感じてもらえれば良いなと思います。

 主演の兄妹2人はまったくの素人だそうです。この映画のために監督が自らの足で探した2人だとか。
 兄役のミル=ファロク・ハシェミアンは、瞳の大きな可愛らしい男の子。大人に怒られて泣いている顔は芝居と思えない表情で、まるで自分が怒られているんじゃないかと錯覚します(笑)。
 妹役のバハレ・セッデキはなかなかの美女で、ときおりその表情が少女ではなく「女」の顔になるのが男としては怖い(笑)。
 異文化を知る上でも家族で観ていただきたい1本です。


運動靴と赤い金魚

運動靴と赤い金魚

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2000/04/21
  • メディア: DVD

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コメント 4

瑠璃子

未見ですが、確か虎ノ門であの蛭子さんが観ながら大泣きしていたのが非常に印象的でした。是非観てみたいです!
by 瑠璃子 (2005-04-02 23:04) 

ken

僕は昭和38年生まれなのですが、同世代かさらに上の世代には
かなり泣きのツボがあるかも知れませんね。
若い方には、どうだろう???
by ken (2005-04-03 16:03) 

ノリ

いい映画ですよね。私はかなり好きな作品です。
記事を書きましたのでお暇なときにでも見てください♪
あと読者にさせてください~。
by ノリ (2006-10-13 22:25) 

ken

ノリさん、ようこそ。
この映画は今振り返ってもいい映画だったなあ、と思います。
男の子の泣き顔が忘れられません(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-10-14 04:05) 

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