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ウォルター少年と、夏の休日 [2005年 ベスト20]

ウォルター少年と、夏の休日」(2003年・アメリカ) 監督・脚本:ティム・マッキャンリーズ

 最近仕事が忙しいので映画を見るとなると深夜0時くらいからのことが多い。
 観終わるのは当然2時前後になる。
 ある日のそんな時間帯。
 ちょうど「2046」のエンドロールが流れ始めたとき、携帯メールに着信があった。
 
 「ウォルター少年と、夏の休日って映画見ました?」

 送ってきたのは帰国子女の友人。
 映画を観るのに字幕必要なし。夢の中の言語は基本的に英語。難しい日本語の意味を教えるとき、英単語に置き換えてやると理解する。そんな女の子だ。
 どうやら彼女も僕と同じ時間帯に映画を観ていたらしい。そう思うと何だか少し可笑しかった。
 僕は「タイトルは知ってる。でもまだ観てないね」と返信した。すると即リターンがあった。

 「タイトルはあんまりそそらないんですけど、すがすがしくて人間の粋な優しさが出てるビデオでしたよ。ちなみにA.I.の男の子が出てま~す」

 この映画を説明するのに、これ以上の言葉はいらないと思う。実に面白い映画だった。
 …と、このまま終わるのももったいないので、少し補足します(笑)。

 作品の存在を知りながら今日まで僕が観なかった理由は、タイトルから想像するにありきたりな感動物語なんだろうと勝手にイメージしていたからです。
 「巧い子役を起用して、またまた泣かせる芝居を見せてんでしょ?」
 …なんて思ってました。でもこの陳腐な発想は完全に覆されます。
 まず
マイケル・ケインロバート・デュバルという2人の名脇役タッグが実に素晴らしい。僕に言わせるなら、スティーブ・マックイーン×ロバート・レッドフォード以上の存在感があります。
 そしてこの2人の生涯を描いたストーリーが破天荒でいい(米MOVIELINE誌の「スクリーンで見たい良質な脚本No.1」を受賞したそうです)。
 エンディングは粋な男の生き様を見せ付けられて軽くめまいがします。クラッとした後、もちろん泣きました。しかも泣き笑い。

 「少年は大人になる過程で、父親以外の男と付き合う必要がある」と以前ある本で読んだとこがあるのですが、この映画はそれを確信に変えてくれました。
 そういう意味でも、男にとってはグッと来る映画です。でもこの映画を薦めてくれた友人の言葉を思い出せば、女性も充分楽しめる作品ということなんですね。なのですべての人にこの映画をオススメしたいと思います。

 邦題は確かにそそりません。
 原題は「SECONDHAND LIONS」。中古のライオンという意味ですね。
 これを頭に入れて見るともっと楽しめると思います。
ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション

ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: DVD

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コメント 15

keiko

興味がわいたから見てみます。
仕事に殺されそうですが、悔しいから見てやります。
by keiko (2005-05-12 16:07) 

PEEWEE

ここに出てくるおじいさん2人は本当にかっこ良くてこっそり暖かったです。
前面に出さない所がよりかっこ良かったです。しかし、老人であそこまで強いと怖いですね。 若者はジジイ!となめがちですが、正になめんなよ!で、爽快でした。
by PEEWEE (2005-05-12 16:36) 

コレ、以前DVD借りてきたのに観るヒマがなくて、結局観ずに返してしまったんですよ…
やっぱ面白そうだからまた借りてこよ~
お、明日からツタヤ半額だ!
by (2005-05-12 18:48) 

ken

keikoさん
 お願いですから死ぬ前に必ず観てください(笑)。

PEEWEEさん
 あんな爺さんになりたいですね。ならば身体を鍛えなおさねばっ!

merciさん
 グッドタイミング!TSUTAYAへGO!
by ken (2005-05-12 19:33) 

coco030705

こんばんは。「ジョゼ虎」を借りに行ったら、平日なのに全部出払っていて、その他2,3の見たいのも借りられませんでした。くやしー。しかたなしに「白いからす」を借りてきました。この、ウォルター少年は、Kenさんと同じくタイトルを嫌って借りてなかったんですが、こんど見てみますね。
by coco030705 (2005-05-12 19:39) 

なが

そうなんです。ツタヤ半額で何見ようかと思いをめぐらせていました。そして、この作品は、以前から見ようかと手に取ること数回、そして棚へ戻していたのでした。
見よっと!
by なが (2005-05-12 20:05) 

昨年7月19日に観たときの私の記事で同じような感想でした。

原題は「SECONDHAND LIONS」 セカンドハンド=セコハン
セコハンで何の意味か分かるのは幾つくらいまでの人かな?
「中古(セコハン)のライオンたち」とは登場の老ライオンと
2人の大伯父(マイケル・ケイン&ロバート・デュヴァル)
の事なんだろうけど、それより5匹のワンちゃん+豚ちゃんが
ユーモラスで可愛かったなぁ(^^)
映画は牧歌的雰囲気の中をサラサラ系の風が、
心を吹き抜けるような爽やかさで大満足でした。
by (2005-05-12 23:03) 

ken

coco030705さん
 「白いカラス」ねえ。ちょっとせつない映画だったなあ。

ながさんさん
 観ようと思いつつ手にとって、でも他にいいタイトルを見つけて棚に戻す作品
 って実際いろいろありますよね^^

twiligtkumaさん
 リタイアしたら大自然の中で犬に囲まれて土を触りながら生きていきたい…
 と改めて思う映画でした。
 本編で書かなかったけど、「インディ・ジョーンズ」のアウトストーリー風でも
 あるなあ、と思ってました。
by ken (2005-05-13 00:06) 

domiz

コメント&TBありがとうございます。こちらからもTBいたします。
おじいさんと子供の交流といえば、タッチオブスパイスというギリシャ映画はなかなかよかったです。マイナー作品ですが、dvdになったのかな?こちらはニューシネマパラダイス風の味付け。チャンスがあったらご覧ください。
by domiz (2005-05-13 07:53) 

coco030705

今日、この映画をみました。よかったです。動物がすごくかわいかった。そして少年が大人になるには冒険が必要なんだとおもいました。冒険とは、ロマンですね。
それから、ウォルターが母親に言ったひとことが印象的。「ママは、いつも男に頼ろうとするからだめなんだよ!」う~ん。なにげないようで、深い意味のある一言でした。また、いい映画を紹介してくださいね。
by coco030705 (2005-05-21 01:13) 

ken

domizさん
 タッチ・オブ・スパイスは「ビヨンドtheシー」を劇場で観たとき、
 予告編を観ました。なかなか良さげでしたね。楽しみです。

coco030705さん
 「パパはいつも女に頼ろうとするからダメなんだよ」ってセリフが出る映画が
 あったら、そうとう怖いなあ(笑)。観てみたいけど。
by ken (2005-05-21 02:29) 

おはようございます。
私もこの映画、やっとみました。良かったあ~♪
TBさせていただきましたのでよろしくお願いします。
by (2005-05-22 10:13) 

ken

よーこさん、ありがとうございます。
あとで覗きに行きます^^
by ken (2005-05-22 23:54) 

こんにちは。
いつも忘れた頃にコメント書いてすみません。
もし、薦められなかったら見なかった1本です。(この題だし。)
観て良かったです。すこしへそ曲がりが治った気がします(笑)。
良い映画を教えていただいて、ありがとうございました^^
by (2005-06-27 18:53) 

ken

ERUNさん
僕も友達に言われなければ観ませんでしたね~。
僕のヘソ曲がりは治ってないけど、一瞬それを忘れるくらいいい映画でした。
by ken (2005-06-28 12:20) 

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