モーターサイクル・ダイアリーズ [2005年 レビュー]
「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2003年・イギリス/アメリカ)
この映画はチェ・ゲバラの原作でなかったとしても面白い。ロードムービーの原点とも言える佳作だと思います。
僕が気に入ったのは、旅の先々でのエピソードがちょっと淡白じゃないか?と思うほど、ずるずる引きずらずに処理されていくこと。「旅の恥はかき捨て」と言いますが、まさにそんな乗りでどんどん展開していく。とは言っても、もちろんすべては若きチェ・ゲバラ、エルネストの貴重な経験として蓄積されているわけです。
今年劇場で観た「サイドウェイ」も優れたロードムービーでしたが、「サイドウェイ」は人生を折り返そうとしている大人が、これまでの人生を見つめなおす旅。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、まだ人生の目標を見出せずにいる若者が、己の行く先を見据える旅です。
42歳の男として10代~20代の若者にアドバイスします。
「今年、この映画だけは観た方がいい」
そして、「人は誰かのために生きるもの」ということを感じて欲しい。また「人の情け」が心に染みる人間になって欲しい、と思います。説教臭いですけど(笑)。
(*どうしてもひとつだけネタバレを書きたいので、観た方だけ先へどうぞ)
僕がこの映画で一番感動をしたのは、エルネストが喘息で倒れた船中。
恋人に「水着を買って帰ってきて」と渡された15ドルを、どんなにお金に困っても使わずにいたエルネストが、旅の途中で出会った貧しい夫婦に「渡した」と親友に告白するシーンです。
自分が“大切”だと思っていたものよりも、さらに“大切”なものを見つけたとき、人間は大きく成長するんだなと思い知らされました。
そして映画を観終わったとき、僕も若い時にもっと旅をしておけば良かった、と悔しい思いをしました。
こんばんはです。私も去年見た映画の中では、5本の指に入る映画でした。
純粋で物静かで行動派のチェ・ゲバラの若い魅力があふれる映画でした。
雨の平日にもかかわらず、大阪梅田のガーデンシネマは満席だったことを
覚えています。
映画の最後のあたりに流れるギターの曲が、せつなく心に残りました。
by coco030705 (2005-05-28 17:57)
この映画が劇場で満席になるなんて、なんて素敵なことでしょう。
音楽も良かったですよね。
僕はDVDパッケージにもなっているアートワークも素晴らしいと思いました。
by ken (2005-05-28 18:10)
ギリギリなので今のうちに観とこうかな…。
by (2005-05-28 20:33)
自分も去年恵比寿ガーデンシネマで見ました 満員でしたよ
そのあと勢い余って、当時渋谷パルコ(だったかな?)で開催していた
チェ・ゲバラ展にまで足を運んでしまいました(笑)
by 0860 (2005-05-28 20:46)
こんばんは。
私はこの映画、どうしてもみてみたくて映画館へ行きました。
何故だか、単なるお気楽ツーリングものだと勝手に思ってしまったんです。
だから途中から チェ・ゲバラ?え?だれそれ?って感じでした。
観終わって少し複雑な気持ちになり、結局この映画については感想を
書けずに終わってしまいました。でもkenさんの記事を読んで
自分の中で納得できた気がします。うまく言えないけど・・・
私ももっと旅しておけばよかったと思います。
いくつになってもできないことはないっていうのが私の信条ですが、
やっぱり若いときの経験って大事ですからね。
人生をやり直すことはできないけど これからできるだけ
いろんな経験をし、いろんな人たちと出会いたいと思っています。
by (2005-05-28 23:15)
チェ ゲバラ、語らせたら長い私。これって彼が医学生の時の放浪ですよね。・・・でもそういった背景なしで見るほうが面白いかも。全体にいい雰囲気だしてるし、エルネストの役の俳優かっこいい。ロードムービーは男子2名、の組み合わせのヤツが圧倒的にいけてるのは、なんでだろ。
by snorita (2005-05-29 00:49)
>paserinさん
ギ、ギリギリっすか。観ておきましょう!
>0860さん
劇場公開のタイミングだと、いろんなイベントが行われるものですね。
同じタイミングだったら僕も行ったと思います。
>よーこさん
僕がはじめて親と離れて旅をしたのは小学5年生のときでした。
松山から大阪まで友人の親戚に家へ遊びに行ったのですが、
何日かお世話になって帰るときに大泣きしたことを思い出しました。
そのときはどうして自分が泣いているのか意味が判らなかったのですが
きっと「情け」を感じていたのでしょうね。
旅するのはこれからでも遅くないと思います。
>snoritaさん
チェ・ゲバラのこと、ぜひ語って下さい!
ロードームービー男子2名傑作説は面白ですね。なんでだろうなあ。
by ken (2005-05-29 10:18)
あぁ。実にDVD化が待ち遠しかったのでした。
でもやっと観ることができて感激でございますよ。
エルネストは不器用なまでに正直で、
あの真っ直ぐな視線がとても痛々しかったです。
親友アルベルトの存在は大きいですね。
なんだか男性ってやはり懐が広いというか、やさしいというか、
女性同士の友情とはまた違うようで、なんだか素敵でした。
DVD欲しくなっちゃいました。
by po-net (2005-05-30 23:49)
これは、再上映で観たんですけど、それにもかかわらず客席は埋まってましたね~。すごいですよ。
これを観るまでチェに対しての興味は殆んどなかったのですが、観た後で彼の著作とか写真集などを読み漁りました。
by まみりん (2005-05-31 00:15)
>po-netさん
男2人旅は楽しいです。
映画に関して少しだけ欲を言うと、もう少しバイクでの旅を描いて欲しかったな
と、思いました。タイトルがタイトルだけにね。
>まみりんさん
ブログを書いていて面白いのは、映画に対する人気がそのままprv件数に
反映することです。この記事のprvが多いのはとても嬉しいですね。
by ken (2005-05-31 12:41)
おはようございます。
やっとレンタルできて観ることができました。
もう少しバイクで颯爽と走る旅かと。。。でも
男の人って良いですね。こんな気の向くままな旅が出来て。。
女性だとこうはいかないでしょ。危険地帯もさけないとね。。とか。
by ange (2005-06-02 07:57)
そうなんです。
僕ももう少しバイクで旅をして欲しかったと思いました。
でも、ノンフィクションベースのドラマですからしかたないんだな、と
無理に納得しました。
by ken (2005-06-02 11:36)
素晴らしい!とても良い映画を推薦していただきありがとうございます。
>42歳の男として10代~20代の若者にアドバイスします。 「今年、この映画だけは観た方がいい」
若者ではありませんが、感動しました。南米には行ったことありませんが、行きたくなります。ゲバラのことは詳しく知りませんでしたが、旅行ものとしては出色の出来ですね。
by domiz (2005-06-10 15:58)
domizさん、お久しぶりです。
いい大人が観てもいい映画ですよね。
僕もあちこち行きましたが南米大陸だけは上陸したことがなく
行ってみたくなりました。
by ken (2005-06-10 23:27)
この作品を劇場で見たいと思っていたのですが妻に別のがいいと言われ泣く泣く『オペラ座の怪人』を見たのを覚えています。
この間この作品をDVDで見させてもらいましたが、まさしくkenさんの言うとおりですね『人生の目標を見出せずにいる若者が、己の行く先を見据える旅』僕も旅をしておけば良かったなと後悔しています。
人って冒険することで成長していくんですね。これからの人生を考えさせられる作品でした。
by ジョニー (2005-06-15 17:51)
ジョニーさん、こんばんは。
この映画はご夫婦でご覧になるよりも、男一人で観た方がいいと思います。
だから結果オーライだったのではないでしょうか(笑)。
そろそろ僕も旅したいなあ、と思ってます。
by ken (2005-06-15 19:18)