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サマリア [2005年 レビュー]

サマリア」(2004年・韓国) 監督・脚本:キム・ギドク

 魚河岸おじさんと鮨を食ったときに話の出た作品で、お互いに観ていた「春夏秋冬そして春」の監督、キム・キドクの新作です。
 魚河岸おじさんは「『悪い男』と同じで、すごく重いんだけどもう一度観たくなる」と言っていました。僕はそんな話を聞いていながら、それでも「サマリア」のプレス写真を観たときの印象が強くてちょっとハードな「花とアリス」みたいな映画かな?と安易に思っていました。
 …が、すいません。まるで違いました(笑)。
 いや~、キツイっす。僕に娘がいたら最後まで観られなかったかも知れません。でも幸か不幸か僕には子供がないので最後まで凝視してしまいました。
 まず一番意外だったのは、パッケージにある2人のうちの1人が本編の途中からいなくなっちゃいます。「うえっ、そんな展開かよ」と驚きました。全然「花とアリス」じゃありません。そしてここまでが第1部。このあと2部、3部と続きます。

 リリース間もない作品なので内容に関してはこれ以上書きませんが、この物語の決着の付け方はとても興味深いものでした。
 キム・ギドク監督は、愛が深ければ深いほど破滅しやすい人間の脆さをアピールしつつ、さらにそれを翻弄してみせます。
 これはデート映画でもエンタテイメントでもありませんが、娘を持つお父さんは観ておいた方がいいかも知れません。心臓をかきむしりたくなるほど苦悩すると思いますが、「備えあれば憂いなし」ですよ。

サマリア

サマリア

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/09/23
  • メディア: DVD

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コメント 8

魚河岸おじさん

こんにちは
今週もう一度みようと思っております。
「娘と同じくらいの少女を買う大人の気持ち」辛いです。
by 魚河岸おじさん (2005-10-02 15:49) 

ken

あのお父さんも地獄でしたねえ。
by ken (2005-10-03 14:39) 

SOPHIL

初めまして。
この映画は男が見るにはいいのですが女性には厳しい意見をもらいそうですね。(私は男ですが)
キム・キドク監督の作品は5本ぐらいしか見ていませんがこの方の製作される映画も見慣れると共通の表現方法に気がつきますね。
山の中にある古びた舟も意味があるようです。
by SOPHIL (2005-10-06 19:34) 

ken

SOPHILさん、ようこそ。
女性にはこの映画、厳しいのでしょうか? 誰かに聞いてみたいですね。
「悪い男」も観てみようかな。
by ken (2005-10-07 00:43) 

Sho

私はつくづく「娘をもった男の人」は大変だなあ、と思いました。
ここに登場する男たちは、本当にいやらしくて馬鹿でどうしようもないけど
なんとなく切ない気もしました。
彼女達はまだ幼い。大人の男に対峙するには早すぎと思いました。
でもちゃんと「娼婦性」と「聖女性」をもっている。
彼女達の「友情」には、共感できませんでした。
彼女のお父さんが、一番切なかったかな・・・
by Sho (2007-04-15 10:19) 

ken

人には「不幸のどん底を見る人生」と「見ない人生」があると思います。
ギドクの場合は、それを見ない人生を送る人に、見せるんでしょう。
なんだかそう思いました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-04-15 23:41) 

てくてく

「見ない人生を送る人に、見せる」
確かに、そうですね。
映画を通して擬似的に体験する人生は、かなり心が痛みます。
by てくてく (2008-01-26 00:56) 

ken

幸か不幸か分からない不条理を見せる人でもありますね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-01-26 10:28) 

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