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シュリ [2005年 レビュー]

シュリ」(1999年:韓国) 監督・脚本:カン・ジェギュ 主演:ハン・ソッキュ

 まさかと思いますが、韓流ブームに乗ってる人たちでこの映画を観ていない人いませんよね?。これを観ずして韓国映画を語る人がいたら、その人は完全なるモグリです。もしそんな人があなたの周りにいたら「シュリ観てない人が韓国映画語らないでよ!」と言っちゃいましょう。僕が許します(笑)。「シュリ」はそれくらい重要な作品なのです。
 ではどういう意味で重要なのか一応説明しておきましょう。まずはこのデータを見て下さい。韓国での歴代興行成績ランキング(2005年10月末現在)です。

 1位  ブラザーフッド  2004年  1174万人
 2位  シルミド  2003年  1108万人
 3位  友へ チング  2001年   818万人
 4位  Welcome to Dongmakgol  2005年   640万人
 5位  シュリ  1999年   621万人
 6位  共同警備区域 JSA  2000年   583万人
 7位  殺人の追憶  2003年   530万人
 8位  家門の危機  2005年   530万人
 9位  花嫁はギャングスター  2001年   525万人
 10位  家門の光栄  2002年   520万人

 もうひとつ興味深いデータは日本で公開された韓国映画の興行成績ベスト10。

 1位  僕の彼女を紹介します  2004年  20億円
 2位  シュリ  2000年  18億円
 3位  ブラザーフッド  2004年  15億円
 4位  四月の雪  2005年  14億円
 5位  共同警備区域 JSA  2000年  11.6億円
 6位  ボイス  2003年  10億円
 7位  誰にでも秘密がある  2004年   9億円
 8位  スキャンダル  2004年   9億円
 9位  シルミド  2004年   6億円
 10位  猟奇的な彼女  2003年   5億円

 
 ここで注目すべきは、「シュリ」以前の作品でランキング入りしている作品がひとつもないという点です。
 今現在、レンタルショップで借りられる「シュリ」以前の主な作品は「八月のクリスマス」(1998)、「美術館の隣の動物園」(1998)、「情事」(1998)、「家族シネマ」(1998)、「グリーン・フィッシュ」(1997)、などありますが、「シュリ」より先にこれらの韓国映画を観たという人は極めて少ないはず。つまり「シュリ」とは、
日本のみならず世界中に韓国映画の存在をアピールした作品として歴史に名を残す作品なのです。

 個人的にはおよそ4年ぶりに観た「シュリ」。衝撃的なストーリー展開でしたから大まかなところは当然記憶していたんですが、それでも充分に面白いです。
 もっとも評価できるポイントは“韓国にしか作れない映画”だったこと。
 「シュリ」はスパイアクション映画であり、恋愛映画でもあるわけですが、「南北分断」をモチーフにすることで
ハリウッドでもヨーロッパでもない、純韓国映画に仕上がった。ここが世界的に評価された最大のポイントだったと思います。
 南北分断の背景を知ればなお、悲劇の名シーンとなるクライマックスは必見。
 二度と有り得ないだろう豪華なキャスティング(ハン・ソッキュ×ソン・ガンホ×チェ・ミンシク)も含めて未見の人は是非、一度観た方もこの5年間の韓流ブームを振り返る意味で久しぶりにご覧になってはいかがでしょうか?
 絶対にハズレない韓国映画の傑作です。

シュリ

シュリ

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2005/08/03
  • メディア: DVD 

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コメント 16

youko

私もシュリは大好きでした。なので、DVD買いました。
でも、ずっと見てないので・・・チェ・ミンシクさんが出てるのですね。
by youko (2005-11-21 18:56) 

蓮花

私も大好きです~、これ!
kenさんもお気づきのとおり、私もこれがいわゆる韓流のハシリだったように
思ってました。
「二度とありえないキャスティング」にどうぞキム・ユンジンも入れてくださいな。
彼女は今アメリカで大ヒットのドラマ「LOST」に出てるんですから。
たぶん日本人では完全に理解することはできない部分があると思いますが、
というか、韓国人が感じる部分は日本人と異なるところもあるでしょうが、
それでもこの映画は超大作です!
私もDVD持ってますが、最後のシーンは毎度号泣してしまうんですよね~。
by 蓮花 (2005-11-21 19:11) 

ken

>youさん
 そうなんですよ。僕も「チェ・ミンシクなんて出てたっけ?」と思ったので
 ちょっと見直してみようと思ったのでした。ガッツリ出てるっつーの(笑)。

>蓮花さん
 キム・ユジンさんは韓国映画で見ないと思ったら、そんなところで活躍されて
 たんですね。それは二度とありえないキャスティングに加えなきゃ。
 それにしてもみんな若かったですね。
by ken (2005-11-22 10:28) 

NIKO

私が初めて見た韓国映画は、確か『風の丘を越えて』。
次が『接続』か『八月のクリスマス』。
その次が『シュリ』で、初めて劇場で見た韓国映画。
単館系の劇場で、お客さんが外まで延々と並んでました。
by NIKO (2005-11-22 18:30) 

これは、思わずラストでむせび泣きしてしまいました…。
自信を持って人におススメできる作品ですね(^ー^)
by (2005-11-22 20:34) 

ken

>にこさん
 さすがとしか言いようがありません。
 「風の丘を越えて」なんて知らないです。「キルソドム」って映画は見たけど。

>paserinさん
 「むせびなく」って言葉が出る映画もなかなかありませんね(笑)。
 でもまさにそんな感じでした。nice!ありがとうございます。
by ken (2005-11-23 23:58) 

snorita

韓流はこれに始まり、これにつきる、他はあんまり見てないので、偉そうな事は言えないですけどね。興行的にも成功してますが、とても「面白い」映画ですよね。設定が面白いし、日本のしょぼいアクションものよりずっとかっちょ良かった。曲も泣けます。
by snorita (2005-11-24 00:56) 

ken

泣ける曲をエンディングに持ってきて歌詞でとどめを刺す、という韓国映画の
王道もこの映画で使われていましたね。韓国人男性はロマンチストが多い
(監督も男ならロマンチストである)というのもうなずける特徴でした。
by ken (2005-11-24 18:31) 

やっと先日シュリみました!前から評判は聞いてたのですが なかなか見れず、kenさんのレビューをみて 借りてきました。いやー堪能致しました!こういうのは日本でやるとちと嘘くさくなってだめなんだろなー。
by (2005-12-16 22:05) 

ken

忙しい最中、いい映画をご覧になりましたね。
こんな映画、平和ボケの日本じゃ無理よね~。
nice!ありがとうございます。
by ken (2005-12-16 22:16) 

Sho

これは韓流の、エポックメーキングでしたね。社会現象にまでなりましたものね。 映画は、実はラストシーンも泣けませんでした。
ただ冒頭からギョッ!とするシーンの連続でしたね。命がけを体現してて。
クライマックスは一部の隙もなく、突き進んでいきましたね。
やっぱりすごい映画だなあ。
by Sho (2007-03-27 01:33) 

nani

初めまして~
『シュリ』、凄い映画です。
国家を背負ったロミオとジュリエットと言った感じでしょうか・・

あの銃を向け合うシーンは本当に凄い!


『ラブ・ストーリー』がランキングに入ってないのが残念です。
by nani (2007-03-27 02:07) 

ken

>Shoさん
 まずは2年前の記事にコメントありがとうございます。
 最近の韓国映画界を見ていると、「初心に還れ」と言いたくなります。
 それくらいこの作品は凄かった…。
 nice!ありがとうございます。

>spikaさん
 「ラブ・レター」って「パイラン」のことでしょうか?
 あれは日本では2年も遅れて公開された映画ですからねえ。
 ちょっとランキング入りは難しかったでしょうね。
by ken (2007-03-27 02:09) 

nani

『ラブ・ストーリー』の誤りです。(ゴメンナサイ!)
訂正しました。同時に書いてたみたいですね。(笑)

確かに2005年のブログですね。
shoさんのところから、芋ずるで来ました~

あたしも映画大好きなんで、また読ませて下さい~!
by nani (2007-03-27 02:16) 

ken

「ラブ・ストーリー」は韓流映画のヤバイ感じが出始めた頃の映画ですね。
また遊びに来てください。
by ken (2007-03-27 10:54) 

nani

>また遊びに来てください。

ありがとうございます。
膨大な量の記事をありがとうございました。
とても楽しかったです。

また来ますね。
by nani (2007-03-27 21:18) 

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