麦の穂をゆらす風 [2007年 レビュー]
「麦の穂をゆらす風」(2006年・イギリス/アイルランド/ドイツ/イタリア/スペイン)
1920年代、イギリスからの独立を果たさんと闘うアイルランドの若者たちを描いたケン・ローチ監督作品。2006年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品でもあります。
さて、たとえ時代や国が変わろうと、「戦争映画はもういい」というのが僕の正直な感想です。
昨年「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」を観たときに痛感したことですが、結局描かれているのは戦争がもたらす不条理でしかなく、僕がそこから学ぶべきものは「もう何もない」ところまで来た気がするのです。
ただし戦争映画は何本も観ていない、という若者なら観る価値がある。
なぜなら、この作品には戦争によって時として発生する「絶対的な矛盾」が描かれているからです。
「理想を追求し過ぎると思想は偏ったものになり、結果かつての盟友と反目し合うことになる」という悲劇。それは過去、世界中で何度となく繰り返されてきた人類最大級の過ち。
若い世代は、こういう過去があったということだけは知っておいたほうがいい。
時代さえ違えば、人の心を洗うような美しい風景の中で、人間同士の殺し合いが行われたという事実を。
劇中、医師を志しながら独立運動に身を投じたデミアン(キリアン・マーフィ)が、裏切り者の同胞を射殺したあと「心が何も感じなくなった」と吐露するシーンがあります。
このセリフを聞いた瞬間、「どこかで聞いたことがあるなあ」と思いました。そのタイトルは思い出せませんが、つまるところ戦争とはそういうものなのです。
人が人でなくなってしまう狂った事態。
僕はそれを忘れないと思う。
だからもう戦争映画はいいや。
1920年代、イギリスからの独立を果たさんと闘うアイルランドの若者たちを描いたケン・ローチ監督作品。2006年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品でもあります。
さて、たとえ時代や国が変わろうと、「戦争映画はもういい」というのが僕の正直な感想です。
昨年「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」を観たときに痛感したことですが、結局描かれているのは戦争がもたらす不条理でしかなく、僕がそこから学ぶべきものは「もう何もない」ところまで来た気がするのです。
ただし戦争映画は何本も観ていない、という若者なら観る価値がある。
なぜなら、この作品には戦争によって時として発生する「絶対的な矛盾」が描かれているからです。
「理想を追求し過ぎると思想は偏ったものになり、結果かつての盟友と反目し合うことになる」という悲劇。それは過去、世界中で何度となく繰り返されてきた人類最大級の過ち。
若い世代は、こういう過去があったということだけは知っておいたほうがいい。
時代さえ違えば、人の心を洗うような美しい風景の中で、人間同士の殺し合いが行われたという事実を。
劇中、医師を志しながら独立運動に身を投じたデミアン(キリアン・マーフィ)が、裏切り者の同胞を射殺したあと「心が何も感じなくなった」と吐露するシーンがあります。
このセリフを聞いた瞬間、「どこかで聞いたことがあるなあ」と思いました。そのタイトルは思い出せませんが、つまるところ戦争とはそういうものなのです。
人が人でなくなってしまう狂った事態。
僕はそれを忘れないと思う。
だからもう戦争映画はいいや。
こんばんは。
「人が人でなくなってしまう狂った事態。
僕はそれを忘れないと思う。
だからもう戦争映画はいいや。」
私も戦争映画はどれを見ても、同じ感じがしてました。
反戦映画をつくるなら、チャップリンの「独裁者」のようなのが
一番いいと思います。私の考えは、ずれてますでしょうか。
by coco030705 (2007-11-26 23:31)
同感です。
僕は子供の頃「ビッグ・ウェンズデー」を観て、戦争の悲劇を知りました。
殺し合いを見せなくても、伝えられることはある。
「独裁者」も素晴らしい作品だったと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-11-26 23:43)