憑神(つきがみ) [2008年 レビュー]
「憑神」(2007年・日本) 監督・脚本:降旗康男 脚本:小久保利己、土屋保文
時は幕末。これは下級武士の別所彦四郎(妻夫木聡)が貧乏神、疫病神、死神に付きまとわれる物語。
浅田次郎の原作はよほど良く出来た読み物なのだろう。でなければ、興行的にヒットは難しいと言われる時代劇を誰が好き好んで映画化するものか。
僕は貧乏神を西田敏行さんが演じると知って、それだけで観てみようと思った。あんなににこやかな顔をした貧乏神なら、さぞかし面白いに違いない、と勝手に期待したからだ。西田さんと妻夫木。「ザ・マジックアワー」の記憶も新しい。
結論から言うと、いかにも浅田次郎らしい、設定は突飛でもすとんと腑に落ちるドラマだった。
浅田次郎は「善人ほど早死にする」とか「悪いやつほど長生きする」といった俗人の不平を入り口に、それでも肝心なのは「どう生きたか」だということを訴えたかったのだろう。さらに巧いのは「捨てる神あれば拾う神あり」という“救い”も折り込んだこと。まさに浅田次郎の面目躍如である。
しかしこの映画、俯瞰するとよく出来たハナシなのだが、残念ながら観ている最中は今ひとつ盛り上がりに欠けた。それはやっかいな神様にとり憑かれた彦四郎が、意外と好人物だったからだろう。やはり“ネガティブ三大神”にまとわり憑かれたら、それ相応のドタバタが観たくなるのが客の心情である。
展開で言えば、婿養子先の主(石橋蓮司)と兄、佐兵衛(佐々木蔵之助)が、「ザ・マジックアワー」で言うところの佐藤浩市的なポジションに立つべきところ、「お笑い担当を配役する」というアイディアは無かったと見られ、誠に残念な結果に終わっている。
個人的なことで言えば、ここでも重要な脇役で出演する香川照之と、最近気になって仕方ない笛木優子が僕の興味を牽引してくれた。
そういや妻夫木クンも最近、キムタク化して来たか?何をやっても「ただの妻夫木」に見えて来た。
thanks! 860,000prv
時は幕末。これは下級武士の別所彦四郎(妻夫木聡)が貧乏神、疫病神、死神に付きまとわれる物語。
浅田次郎の原作はよほど良く出来た読み物なのだろう。でなければ、興行的にヒットは難しいと言われる時代劇を誰が好き好んで映画化するものか。
僕は貧乏神を西田敏行さんが演じると知って、それだけで観てみようと思った。あんなににこやかな顔をした貧乏神なら、さぞかし面白いに違いない、と勝手に期待したからだ。西田さんと妻夫木。「ザ・マジックアワー」の記憶も新しい。
結論から言うと、いかにも浅田次郎らしい、設定は突飛でもすとんと腑に落ちるドラマだった。
浅田次郎は「善人ほど早死にする」とか「悪いやつほど長生きする」といった俗人の不平を入り口に、それでも肝心なのは「どう生きたか」だということを訴えたかったのだろう。さらに巧いのは「捨てる神あれば拾う神あり」という“救い”も折り込んだこと。まさに浅田次郎の面目躍如である。
しかしこの映画、俯瞰するとよく出来たハナシなのだが、残念ながら観ている最中は今ひとつ盛り上がりに欠けた。それはやっかいな神様にとり憑かれた彦四郎が、意外と好人物だったからだろう。やはり“ネガティブ三大神”にまとわり憑かれたら、それ相応のドタバタが観たくなるのが客の心情である。
展開で言えば、婿養子先の主(石橋蓮司)と兄、佐兵衛(佐々木蔵之助)が、「ザ・マジックアワー」で言うところの佐藤浩市的なポジションに立つべきところ、「お笑い担当を配役する」というアイディアは無かったと見られ、誠に残念な結果に終わっている。
個人的なことで言えば、ここでも重要な脇役で出演する香川照之と、最近気になって仕方ない笛木優子が僕の興味を牽引してくれた。
そういや妻夫木クンも最近、キムタク化して来たか?何をやっても「ただの妻夫木」に見えて来た。
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