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ラブソングができるまで [2008年 レビュー]

ラブソングができるまで」(2007年・アメリカ) 監督・脚本:マーク・ローレンス

 ヒュー・グラントとドリュー・バリモアによるラブコメディ。
 これは脚本が甘い!なんのためにヒュー・グラントを使っているのか、さっぱり分からなかった。
 彼は甲斐性無しの男をやらせたら天下一品なんですよ。あの“捨てられた成犬”みたいな顔した役者をどこまで追い込めるかが、ヒュー・グラントを起用した監督のやるべき仕事なんです。なのに、尻尾を後ろ足に挟むような追い込みがまったく出来ていない。何と言う詰めの甘さ。ガッカリしました。
 
 さて、このようにラブコメというのは監督がSかMかのどちらかで、随分仕上がりが異なります。
 僕はラブコメを作る資格があるのは「ドS」だと思いますね。特にラブコメの場合、「主役の男は何らかの形で相当な痛い目に遭わなければならない」というマニュアルがあると思うんですよねえ。途中、男がひどい目に遭えば遭うほど、女性客の大半が「ま、許してやるか」と思えるわけで、「ワタシこの人タイプじゃない」ってのたまう女までも納得させないと、万人が納得のハッピーエンディングには到達しないと思うんです。
 この映画で言うと、ゲスト出演したコーラのライブでアレックス(ヒュー・グラント)が歌を披露するシーン。オーディエンスのリアクションが生ぬるい!ここで温かい拍手が起きてどうする!と思いました。オーディエンスからはブーイングの嵐!でもソフィー(ドリュー・バリモア)だけが彼の歌を理解する、って展開でいいんです。でなきゃ、ありがたみが薄いでしょうよ。
 あともうひとつ残念なこと。サブキャラがよわーい!

 とまあ、僕はいろいろカチンと来ていたんですが、キーとなる曲の出来がそこそこ良かったのと、カリスマ歌姫コーラを演じたヘイリー・ベネットがなかなか可愛かったのと、おそらく「ワム!」をモデルにしただろう「PoP!」の80年代ネタがまずまず面白かったので、映画としてはぼちぼちだったでしょうか?(笑)。
 唯一、仏陀に傾倒しているコーラが「ダライ・ラマを動物だと思ってた」というアレックスのセリフには爆笑しました。
 でも他に見る映画、あるんじゃない? あ、そりゃオレのことだ(笑)。

ラブソングができるまで 特別版

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

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コメント 6

snorita

脚本が甘い...そうかもしんない。
最初英語でみて、AmazonでDVD買ってフォローしました。MTV世代の私には、ヒューのやってたバンドのビデオクリップのシーンがうけた(あれデュランデュランじゃない?)ですが、ダンナは年下なので、ふ〜ん、って感じ、でした。
ヒューの英語がきれいで、それを鼻にかけてるとこが、またいいなあと、ちょっと思ったりします。

しかし、大仏の前であんなHな踊りをして..、仏教とは心が広いからいいけど、イスラムだったら今頃...。
by snorita (2008-07-11 08:47) 

ken

デュランデュラン!確かにそれも入ってましたw
劇中「Careless Whisper」そっくりな曲もありましたよね。
イスラムだったら、殺されてます。さすがにその辺は知ってるでしょw
by ken (2008-07-11 12:03) 

うつぼ

飛行機の中で見るにはちょうどよい映画かと。(笑)
私自身はモロ80年代イギリスポップスで青春時代を過ごしたので、それだけでも面白くて笑ってました。ワム、デュランデュラン、の他にスパンダーバレエっぽい音楽も入っていて思わずサントラ買ってしまいました。。。
by うつぼ (2008-07-13 19:23) 

ken

確かに、機内鑑賞に適した映画ですねw
しかもサントラ買いましたか!さすがです。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-07-13 20:33) 

Az

レビューみて笑いました。
なるほど~そういう見方というか捕らえ方もあるんだなって。
私的には「白蛇伝説」でずっこけたヒューが21世紀になってダメ男で復活して、もうここらでちょっとくらい息抜きさせてよ、って感じで安心して?楽しめた映画でした。

でも、kenさんのダメ男料理法、最高です。
by Az (2008-07-22 12:34) 

ken

うがった見方ですけどねw 
僕はSもMも行けるようです。
by ken (2008-07-22 15:49) 

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