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誰も死なない [2008年 レビュー]

誰も死なない」(2008年・日本) 監督:Mr.

 これは、「サバゲーが趣味の女子中学生5人組が、ライバルと一戦交える」
短編です。
 監督は現代美術家・村上隆の一番弟子で、Mr.というアーティスト。
 彼のことを知らずに観ると、映像のシロウトが作った劣悪なロリコン映画にしか見えません。
 しかし、Mr.のアート(特に「サバイバルゲーム」シリーズのペインティング)を観ていれば、充分に理解できる範疇の作品だと思います。

 ただ実際には「この監督は純粋なのか不純なのか」が争点になるでしょう。あるいは「映画を侮辱するな」といった厳しい意見もあるかもしれない。けれど見逃してはならない最大のポイントは、これが「ニーズに合わせて作られた作品じゃない」ということです。
 彼は純粋に内から出(いずる)ものを形にし世に投げただけ。マーケティングを重視したばかりにつまらない作品ばかりになってしまったハリウッド映画や、何をしても売らんかなのAVとは全く別物なのです。言うなれば「クリエイティブの原点」。僕はMr.の「どんな批評も甘んじて受ける」、という気骨を感じました。
 
 つまりこれは「ロリコンマニアに向けて作られた商業ビデオ」ではなく、「自身の性的嗜好を解放することによって生まれたアート作品のビデオ化」であるということ。
 そして、まぎれもないMr.の“新作”です。個展に行くような気持ちで、劇場に行かないと不愉快な思いをするだけになってしまうので注意して下さい。


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