北極のナヌー [2008年 レビュー]
商売っ気丸出しの邦題とアートワークに少々げんなり。
原題は「ARCTIC TALE(北極物語)」。
そして、こんなに可愛らしいホッキョクグマの子どもが、全編に渡って出てくると思ったら大きな大間違いです。これはホッキョクグマの「ナヌー」と、セイウチの「シーラ」を何年も追い続けて作られた、ナショナルジオグラフィック製作のドキュメンタリー。ちなみにナヌーが可愛らしい時代は30分程度で終わります(笑)。
時代が時代だけに地球温暖化防止の啓発ムービーになっています。しかもナショジオですから映像のパワーはハンパじゃありません。
観れば全員が「正しい地球の在り方」を思い知らされるでしょう。厳しい自然環境と折り合いを付けながら懸命に生きる動物たち。その姿から、「唯一人間だけが地球上で邪魔な存在なんだな」と気付くのです。反省してもし切れないけれど、実は僕たちこそが“エイリアン”だったのです。
人間さえいなければ皆が幸せだったのに。
しかし、映画としてドラマの作り込みは緩かったと思う。
この手の作品はナレーションをどう書き、映像をどう繋ぐかが命なのですが、脚本を書いたチーム(クレジット上は3人いる)は残念ながら“腕”がありませんでした。映像のパワーにライターの力が追いついていません。ライターが優秀なら、人間が知る由も無い自然界のドラマを、もっと劇的に、もっと非情に、もっと神秘的に作れたはず。ちょっと残念でした。
意外だったのは稲垣吾郎のナレーションが意外と上手かったこと。やるなーゴローちゃん。
オリジナルのクイーン・ラティファ版も聞いてみたいけど、これは字幕を読むヒマがあったら、映像を観て何かを感じた方がいい。ホッキョクグマはすでに地球上に10,000頭しかいないそうです。こりゃ、どげんかせんといかん。
やっぱり「アース」も観てみるかあ。
>実は僕たちこそが“エイリアン”だったのです
本当にそのとおりですねえ。言われて初めて気づきました。
ナヌーの可愛さは30分でしたか・・(笑)
by Sho (2008-11-24 06:25)
あっという間に大人になっちゃいますから(笑)。
以降はマジメに観るしかありません。
nice!ありがとうございます。
by ken (2008-11-24 13:09)