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ベクシル 2077 日本鎖国 [2008年 レビュー]

ベクシル 2077 日本鎖国」(2007年・日本) 監督:曽利文彦 脚本:半田はるか、曽利文彦

 「ピンポン」の監督、曽利文彦によるオリジナルアニメーション。
 テレビ局(TBS)が出資した映画でありながら原作ナシという点が珍しい。よほど監督を買っているのか、それともマーチャンダイジングを独占したかったのか、あるいは別の狙いがあったのか、妙に気になる。

 時は21世紀半ば。バイオ技術とロボット産業の分野で世界市場を独占しつつあった日本は世界中の反感を買い、国際連合主導で規制が強化されつつあった。その動きを受けて日本は国際連合を脱退し、ハイテク技術を駆使した鎖国状態に入ってしまう。
 以来10年。日本国内の様子はまったく分からない状態になり、その実体を把握するためアメリカの特殊部隊が潜入を試みることになった…。

 日本が再び鎖国をするという設定はかなり面白い。そこへ潜入しようとする動機は弱いが、展開としてはかなり期待をした。そして10年ぶりに明らかになった日本の姿は…。意表を突いた有り様に驚いたが、残念なことに大きく広げた風呂敷はたためていない。
 CGアニメーションのクオリティはいい。比べちゃなんだが「スカイクロラ」より全然良かった。ただキャラクター設定は全員イマイチだったと思う。まず主人公ベクシル(♀)とサブキャラのマリアの造型が激似。さらに特殊部隊のリーダー、フェイデンのキャラがあまりに平凡。極めつけは敵役の設定。信じられないほど貧弱すぎる。今年の大ヒット作「ダークナイト」を観ても明らかなように、勧善懲悪のドラマは悪こそ優れたキャラクターでなければ、ヒーローの存在理由はないのだ。

 そういえば、と思い出す。
 この世界観は「ファイナルファンタジーⅦ」に似ている。
 世界を牛耳る巨大企業「新羅カンパニー」。その組織の壊滅を企む反抗組織「アバランチ」。この新羅カンパニーほどの存在感が「ベクシル」にもあれば良かったのにと思う。
 要は脚本なのだ。脚本さえ良いものがあれば日本の技術力で持って、世界に打って出るCG映画は間違いなく作れるのだ。

「ベクシル-2077日本鎖国-」通常版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • メディア: DVD

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