鉄拳 ブラッド・ベンジェンス(2011年・日本) [2011年 レビュー]
「TEKKEN BLOOD VENGEANCE 3D」 監督:毛利陽一 脚本:佐藤大
格闘ゲーム「鉄拳」キャラクターを使ったフルCG映画。しかも3D。
「鉄拳」をプレイしていない人が観るとは思えないけれど、それでも一応忠告をしておくと、「鉄拳4」までプレイしていないとドラマの背景は理解し難く、さらに「鉄拳6」をプレイしていないと理解し難い登場人物が一人いる。
僕は「4」まではプレイしていたので、三島財閥のおバカ権力闘争ドラマにはついていけたけれど、「6」で登場した新キャラ、アリサ・ボスコノビッチだけは理解不能だった。
はい、このヒト。これで女子高生。
驚くなかれ、こんな格好をした女子が共学の高校内をうろうろしているのだ。これじゃ「いつでも体育館の裏に呼び出して襲って下さい」と言わんばかりだが、劇中の男子高校生は誰もアリサ・ボスコノビッチにムラムラしていない。当たり前だ。これは「なんでもあり」のゲームアニメである。
しかしフルCGで描いた世界がリアルであればあるほど、アリサの存在は違和感が増す。しかもその髪の毛の色はなんだ。お前は往年のシュミレーション・ゲーム「ときめきメモリアル」の藤崎詩織かっ。
冗談はさておき。
実はアリサ・ボスコノビッチは戦闘用ロボットで(おいおい)、両腕からはチェーンソー、背中からは翼が飛び出て、空を飛ぶことも可能。次世代型AIを搭載しているため、立ち振る舞いは普通の人間と変わらないのだとか。次世代型AIってナニ?
いや、ゲームアニメなんだからいちいちツッコミ無用なのは分かっているけれど、じゃあ何のためのリアルCGなんだと、どうしても言いたくなる。
「ゲームソフトメーカーがCG映画を作りたがる理由は何なんだ?」
そんなギモンを抱くきっかけになったのが、世界初のフルCG映画にして、映画史上最大の赤字を出した「ファイナルファンタジー」(2001年)だった。
この作品は衝撃だった。CGのクオリティは確かに高かったけれど、制作費になんと1億3700万ドルもつぎ込んでいたのだ。翌2002年に公開された「スター・ウォーズ EP2/クローンの攻撃」は1億2000万ドルである。これも驚いた。「ファイナルファンタジー」より1700万ドルも安い。
「じゃあ実写でいいじゃないか」
多くの人がそう思ったと思う。もちろんそういうわけにはいかないのだけど。
なんたって彼らはゲーム屋さんだから、絵を描くことは出来ても、絵を撮ることは出来ないのだ。だからフルCGということになる。ただし10年前も今もフルCGの弱点は変わっていなかった。それは人の顔の動きの再現である。
顔の動きを再現するとき、例えば喋っているときは口だけ動かせばいいってもんじゃない。人間の顔の筋肉はとにかく活発に動いていて、これを再現するためにはとてつもない手間ヒマがかかる。相応のソフトが開発されれば別だろうが、そんなハナシは聞いたことが無い。顔で言えばもうひとつの弱点は「口腔」である。口の中、特に健康的な歯をリアルに再現したフルCGには未だお目にかかったとがない。
アリサの場合は、彼女が戦闘ロボットと割り切れば許されるが、本作の主人公で生身の人間のリン・シャオユウの口腔までも再現能力の低い描写では、ハッキリ言って興ざめである。
3Dについて。
格闘映画にはむいていない、とは言わない。3Dで魅せる格闘映画を作ればいいのだ。しかしその演出には届いていない。3Dが“諸刃の剣”に見えた1本だった。
こんにちは。
この作品はさすがに観ても分からないだろうなと思ったのですけど、
やっぱりゲームを知らないと厳しそうですね~
それだけにゲームが好きな人には楽しいのでしょうね。
でも、3Dは料金が高いですよね(^^ゞ
by non_0101 (2011-09-04 12:08)
ゲームをやっていないと、小さな仕掛けも分からないと思います。
パンダがペットだったり、変な木人がいたりw
3D料金が高いのは確かに痛いですね。でも年に何本も観ない人たちにとっては
たまにはいいか、って値段かもしれません。
そのためには、相応のソフトにしなければ、客も逃げると思いますけどね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2011-09-04 12:25)
この女の子めちゃめちゃ可愛いですね!
優しいお顔におっぱいボイーンが最高です。
3Dの料金って映画館によって違うんですよね
近くの映画館では300円プラスなだけ・・ところが新宿ピカデリー
なんかだったら全然高いんですもんね。
その違いは何?って突っ込みたくなります。
(すんごい並んでいて大盛況だったというのに・・・)
by spika (2011-09-04 16:50)
3D料金って映画館で違うんですか。知りませんでした。
とりあえず3Dメガネを持ってると、100円安いんですよね?
と言いつつ僕の手元にもう3つもありますけどw
by ken (2011-09-04 22:26)
あたしは前売鑑賞券を持っていたんですけど、ピカデリー(新宿)は
3D代として差額700円お支払なんです。で、あの100円メガネではなく、もっとシッカリしたゴーグル?を渡されます(帰りに返却)。100メは持って行っても意味ないの(笑)
前売りではなく通常のチケット(1800円)からの感覚であれば、逆にピカデリーの3D料金は2000円なので安くなります
by spika (2011-09-06 00:00)
なるほど、そういうことでしたか。
by ken (2011-09-06 00:21)