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板尾創路の脱獄王(2009年・日本) [2011年 レビュー]

監督:板尾創路 脚本:増本庄一郎、板尾創路、山口雄大

 作品の存在は認知していた。
 しかし吉本興行が展開する独自の映画ビジネスの一端で、ただの「お試し企画」だと思っていたので、僕は観るまでもないと思っていた。
 ところが、監督2作目となる「月光ノ仮面」が完成し、来年公開になると聞いて驚いた。ということは「1作目が商売として成立した」ということなのか。そう思ったら気になったので観てみることにした。94分だからちょっとのガマンである。

 タイトル通り板尾創路が脱獄を繰り返すハナシだ。
 舞台は昭和初期。無銭飲食で捕まった鈴木雅之(板尾創路)は拘置所から脱走した。そこから抜けては捕まり、抜けてはまた捕まりを繰り返し、脱獄の罪が重なって懲役は70年を越えることになった。鈴木は何の目的で脱獄を続けるのか…。

 吉村昭の代表作「破獄」をパクったとしか思えない展開である。それだけで途中から観る気が失せた。しかも脱獄の理由はいつまでたっても明かされないので、「それがオチなんだな」と分かった瞬間から強烈な中だるみ。ちょっとのガマンどころか、何度早送りしようかと思ったことか。
 それを踏みとどまらせたのは國村隼と石坂浩二の存在である。板尾創路はバイプレイヤー2人を置いて何を描こうとしたのか。それを必死に推理していたら、答を見つける前にオチが来た。脱力。

 商業映画は誰かが得をしなければ成立しないものだ。
 本作に関して言えば、少なくとも観客は得をしない。では一体誰が得をして、2作目の資金も準備できたのか。まったく不思議でしょうがない。
 口直しに「破獄」を読み直すか。


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コメント 2

ram

板尾さんが映画を作られていたとは
知りませんでした・・・!
by ram (2011-10-09 19:17) 

ken

そうなんです。意外と知られていないですよね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2011-10-10 17:08) 

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