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トゥー・ブラザーズ [2004年 レビュー]

トゥー・ブラザーズ」(2004年・イギリス/フランス) 監督:ジャン=ジャック・アノー

 
人間が絡んだとある事件をきっかけに離れ離れになった双子のトラ。この兄弟がやがて成長し、人間のために互いを殺しあう檻の中で再会することになる。

 おおまかなストーリーはこれだけ。あとはホンモノの映像がストーリーに強力なパワーを与える。とにかくすごいです(調べてみたら監督は「子熊物語」の監督だった。なるほど)。
 まずカメラアングルがすごい。どうやってこの位置にカメラを設置し、トラに演技をさせることが出来るのか、と脳みそぐるぐる考えちゃうシーンがてんこ盛り。
 中にはトラと鼻が触れ合わんばかりに顔を接近させるシーンがあって、「何かのトリックがないと成立しないだろう」と余計なことばかり考えさせる。
 子熊物語のときも同様の疑問が沢山湧いて、本編にのめり込めなかったんだけど今回も一緒。
 もしもメイキングが存在していて、その映像がおまけについたDVDが発売されるなら、即効買いです。そして余計な詮索をしないで観られたら、もっと感動したかも知れません。
 すいませんね。もう心のキレイな子供じゃないもので(笑)。

トゥー・ブラザーズ スタンダード・エディション

トゥー・ブラザーズ スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: DVD

ターミナル [2004年 レビュー]

ターミナル」(2004年・アメリカ) 監督:スティーブン・スピルバーグ

 日本では劇場公開前の話題作をベトナム・ハノイ行きの飛行機の中で見た。ちょっと優越感に浸れる瞬間(笑)。
 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」以来となるスピルバーグ&ハンクスのコンビ作。
 この「ターミナル」は大きく2つの期待をさせる。
 ひとつは、英語を話せない東欧人という設定のトム・ハンクスがいかにして言葉の壁を乗り越えていくのか。
 ふたつめは、英語が話せない男が、空港で出会ったスチュワーデス、アメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)とどんな関係を構築していくのか、だ。
 

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21グラム [2004年 レビュー]

21グラム」(2003年・アメリカ) 主演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ

 すごいキャスティングでしょう? 濃いし、熱いし、最近では一番驚いた組み合わせ。
 それでもってストーリーが、ひとつの心臓を巡って交錯しあう3つの人生っていうんだから、めちゃハード(笑)。
 途中、「あ?これってミスティック・リバーみたくなるのか?」と想像させるのですが、これがもっと複雑。何が複雑って編集が驚くほど難解。
 1度や2度見ただけじゃ、その意図を理解することは出来ないだろう、ってくらい時系列は無視されてるし、編集点は意味深だし、とにかくついていけない。
 まともな編集も一度はしてみたんだろうけれど、どうしてこの形にしたのかがよく判らない。つまりジグソーパズルのピースをバラバラに見せられて、あとは自分の頭の中で組み立てろ、って言われた気分です。そんな気分のままずーーーっと観ることになります。
 それがいいことなのか悪いことなのかはまったくもって不明(笑)。
 個人的には、プチ整形をしただろうナオミ・ワッツの口元が気になって気になって仕方がなかった。彼女の本格的なキャリアのスタートと言える「マルホランド・ドライブ」(2001年)の時点で口元にすごい皺が2本あったから、
 「これからこの人、どうするつもりなんだろう?」
 ってマジで心配してたからね、僕は。その皺が消えたのはいいけれど、どうやら何か注入したらしく、ちょっと口元が膨らんでいたりするわけで、そんなことが気になって僕はジグソーパズルを完成させる余裕がなかったんですね。
 というわけで、邪心を捨ててまた改めて観てみたいと思います。

21グラム (初回出荷限定価格)

21グラム (初回出荷限定価格)

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • 発売日: 2004/11/05
  • メディア: DVD

ロスト・イン・トランスレーション [2004年 レビュー]

ロスト・イン・トランスレーション」(2003年・アメリカ) 監督・脚本:ソフィア・コッポラ

 アカデミー脚本賞を獲得したソフィアの長編2作目。
 日本人である僕たちからすると、アメリカ人の目に映るニッポンの描かれ方に居心地の悪さを感じるんだけど、地球の反対側の小さな島で「自分は一体誰のために生きているのか?」という疑問を持ってしまった中年俳優と若い人妻の心の交流はとても繊細に書き込まれていて、作品の質感は極めて上質に仕上がっています。
 特に、主人公と同じ40代の中年である僕は、ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)が抱いていた喪失感に強烈なリアリティを感じました。
 同時に、僕は20代の若い人妻ではないので、出来ることならその世代の(スカーレット・ヨハンソンのような)女性と一緒に観たかった。そして、その女の子がどんな感想を持つのかぜひ聞いてみたかったな。
 

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北の国から ’87初恋 [2004年 レビュー]

「北の国から ’87初恋」(1987年・フジテレビ)

 この作品が放送された当時僕は幡ヶ谷のワンルームマンションに住んでいて、広さは6畳、家賃は¥58.000だった。
 上京して5年。早稲田の2畳、同じく早稲田の3畳、西早稲田の4畳半、西武池袋線・中村橋の6畳と来て、5つ目の幡ヶ谷で初めて風呂付きの部屋に住んだ。
 当時の収入からすると¥58.000は法外な家賃だったけれど、当時勤めていた会社の先輩が「家だけはいいところに住め。でないと気持ちが荒む」、イコール、クリエイティブな仕事が出来ないと僕に熱く語るので、それを真に受けて思い切って引越しをしたら、金が回らなくなって生活が荒むむ…というオチがついてしまいました(笑)。
 いずれにしても「上京」というキーワードはまだまだ僕に生々しい時代で、そんな頃に見た「初恋」は僕に「故郷」と「家族」を改めて振り返らせるきっかけとなって、そのエンディングでは大号泣。エンドマークが出てもひどい嗚咽だったもんね(笑)。
 またこの放送時まで一切秘密にされた、横山めぐみの可愛らしさにもたまげた記憶があります。
 「私と一緒に逃げて!」って言われたら俺は今夜横山めぐみと一緒に逃げる、と友達と飲みながら話したことも懐かしい(笑)。
 本放送から17年を経て観た「初恋」は、息子の立場ではなく父親の立場で観てました。

北の国から 87 初恋

北の国から 87 初恋

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2002/12/18
  • メディア: DVD

華氏911 [2004年 レビュー]

華氏911」(2004年・アメリカ) 監督:マイケル・ムーア

 ドキュメンタリーの持つパワーは凄まじい。と、同時に編集次第で作り手が如何様にでもメッセージを操作できることも言い表している1本。
 ただ、今頃観て僕が思ったことは、「なぜジョージ・W・ブッシュが再選されたのか」ということに尽きます。
 仮に僕がマイケル・ムーアだったなら、ブッシュの再選は21世紀最大の悲劇と公言する。
 でも、ちょっと待てよ。それはこの「華氏911」を観たからじゃないか?観ていない人間からすると馬づらのケリーに投票するのもどうかと思うよな。
 だって実際に選挙ってやつは、ケネディv.sニクソンの頃から「見た目」は重要だったのだ。いくらブッシュのやり方がひどいからといって見た目はケリーよりもいい。
 あら? じゃあどうして前回、ゴアは負けたんだ??? と思ったら、このドキュメンタリーは観る価値がある。
 話は少しそれる。
 僕は10代後半の頃、世の中からドロップアウトし、やむなく新聞配達員として生きていたある人に「戦争はなぜ起きるか」と真顔で聞かれたことがある。
 聞かれた場所は当時僕が住んでいた早稲田の小さな居酒屋で、まだ未成年だったにもかかわらず生ビールと日本酒でほろ酔い加減だった僕は少なからず面食らった。しかも何も答えられずにいると、「じゃあどうして世界大戦は起きたのか」と再び聞かれた。
 「第1次大戦はオーストリアの皇太子が暗殺されて…」とうる覚えの歴史的事実を喋ってみたら、その人は僕を一喝した。
 「バカ。経済だよ、戦争の根源は金がすべてだ」
 そう言われたことは、20年を越えた今も忘れられない。そうか世の中金がすべてなんだ、と。
 
 「華氏911」は日本人に理解しがたい部分も少なからずある。
 ただしエンディング間際の、マイケル・ムーアの提案にはきっと誰もが賛同するだろう。
 「あなた(上院議員)の息子をイラクに送っては?」
 そのアプローチから逃げる議員たちの姿を観て、誰が共和党に1票を投じるのだろう???
 ブッシュが再選されたのは、ムーアの力不足? 僕はそう思う。メディアの力が権力に負けたのだ。同業者としてそれは許されるべきことではない。断じて。

 それにしてもマイケル・ムーアはよく殺されないよなあ。いつ撃たれてもおかしくないと思うけど。
 「がんばれ、ムーア!ブッシュに殺されんなよ~」 

華氏 911 コレクターズ・エディション

華氏 911 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/12
  • メディア: DVD

あなたにも書ける恋愛小説 [2004年 レビュー]

あなたにも書ける恋愛小説」(2003年・アメリカ) 監督:ロブ・ライナー

 ケイト・ハドソンが主役の映画をはじめて観ました。
 彼女は「
10日間で男を上手にフル方法」で有名なのですが、僕はそれすら観たことが無く、それなのにこの映画を先に観ることになったのは「書く」という作業をどうやって映画にしたのか、それが観てみたくて青物横丁のGEOで新作DVDを手にしたのでした。
 ケイト・ハドソンは初見でいうなら別段何も魅力的でなく、なのに時間の経過とともに愛らしく見えてきて、それはそれは不思議なキャラクター。
 本人の持つ味なのか、それとも「恋人たちの予感」の監督でもあったロブ・ライナーの手腕なのか、それこそ「10日間で…」を観ないことには判らないかも。

 小説家と速記者の2人が恋に堕ちるも、意外な登場人物のせいであっという間に破局を迎えます。男である僕は(同じような経験もあって)とことん嫌われた相手を如何にして再び振り向かせるか、そのオチが最後気になったのですがそこの処理は決して巧くない。
 「そこまで嫌ってた女が、それくらいのことで気持ちを改めるか???」と思ったが最後、ストーリー(エンディング)には同調出来なかったのでありました。

 でも、ケイト・ハドソンはすごく良かった! ラブコメってやっぱり奥が深い!
 ついでにこの映画の原題は「ALEX AND EMMA」。主役2人の名前を並べただけ。これはヒュー・ジャックマンとメグ・ライアン主演、「ニューヨークの恋人」の「KATE&LEOPOLD」と全く同じ。
 これっていわゆるラブコメの定番なのかしら? でも「あなたにも書ける恋愛小説」という邦題は巧いと思いました。
 ふと思い出したんですけど山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」が、アメリカでは「トワイライト・サムライ」というタイトルになったのは、個人名を入れたところでその映画の意図が伝わらないからかな?と思いました。この映画に限らず個人名の原題を邦題に引用しないのも似たような同じ理由によるものかも知れませんね。

あなたにも書ける恋愛小説

あなたにも書ける恋愛小説

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2004/11/05
  • メディア: DVD



 


マッハ! [2004年 レビュー]

マッハ!」(2003年・タイ)

 ムエタイアクション映画って言うんでしょうか?
 どうして邦題が「マッハ」なのか良く判りませんけど、コメディアクションかと思ったら割と本格的でマジメなアクション映画だった。
 しかもムエタイが本物だったので「燃えよドラゴン」を始めて見たときの感動に近いものがあった。
 この映画は主役を演じた元スタントマン、トニー・ジャーがいなかったら成立しなかったと監督が言ってます。
 確かにそうだと思う。ブルース・リーほど男前じゃないけど、そこがリアルでいい。
 ちなみにこの映画の日本版には次のようなコピーがついてました。
 
 1.CGを使いません。
 2.ワイヤーを使いません。
 3.スタントマンを使いません。
 4.早回しを使いません。
 5.最強のムエタイを使います。

 この中で3だけはウソです。
 敵役の男との最後の戦いのシーンでは明らかにスタントマンを使っています。
 ま、それくらいはいいとしても、制作費がないとカラダを張っていろんなことをやらなきゃいけない。これがアメリカやヨーロッパだと組合やエージェントが強かったりするから、契約でがんじがらめにされてやらせられないことだらけになる。
 タイ辺りだとそれは無いのかもね。メイキングを見ていると、なんでも気合でこなしているような気がします(笑)。
 この類の映画はもうタイとかフィリピンとかそういうところでしか作られないのかも知れないな。

マッハ ! プレミアム・エディション

マッハ ! プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: DVD

4人の食卓 [2004年 レビュー]

4人の食卓」(2003年・韓国) 主演:チョン・ジヒョン

 ホラー映画大嫌いな僕としてはかなりの覚悟を決めて観たのですが、この映画意外と怖くない。
 怖いシーンはもちろんありますよ。ありますけど、いやらしい脅かしやすかしがないので、素直に観ていられる。「ああ、こんなホラーがあってもいいんだ」と、つくづく思いました。なんならこの映画はホラーじゃないって言ってもいいかも。
 怖くないホラーは哲学的であったり、抽象的であったりするんだけど、この作品もその典型かも知れません。だから途中で意味が判らなくなったりする。日本版のコピーには「観た人の数だけ解釈がある」ってあった。面白いのか面白くないのか、ジャッジの難しいこの映画にうまいコピーを付けたもんだと感心しました。

 チョン・ジヒョンのファンには文句なしでオススメできます。
 「猟奇的な彼女」の次にこの作品を選んだ彼女の眼力(あるいはセルフプロデュース術)は優れていると感心します。
 ほとんどノーメイクで臨んだ彼女の姿勢にも女優魂を感じるしね。

4人の食卓

4人の食卓

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/26
  • メディア: DVD

リクルート [2004年 レビュー]

リクルート」(2003年・アメリカ) 主演:アル・パチーノ、コリン・ファレル

 たとえ年間100本以上の映画を観てきても、仕事仲間や友人に「○○○観た?」と言われてその映画を見ていないことは多々ある。
 だけどレンタルショップで何度かパッケージを目撃していて、それでもあえて観なかった映画のタイトルを言われると、かつての池中玄太のように「それ観ようと思ってたのに、先に言っちゃうんだもんなあ~」と悔しくなることがたまにある(笑)。
 「リクルート」はある番組の会議で名前が出て、まさに「あー観ようと思ってたけど観てないよ~」そんな一本でした。
 とは言うものの、気になりながら観なかった理由。まずタイトルがヘン。それ就職情報誌じゃん。しかもパッケージのコリン・ファレルの顔もヘン。
 彼は「S.W.A.T」の主役の人で、この映画のパッケージもヘンなんだよ。…単純に俺がこの手の顔、嫌いなだけなのかな?映画を観ている分には何も感じないんだけど。
 
 ジャンルはサスペンス。
 かなりおもしろい部類に入ると思います。僕みたいに食わず嫌いにならないほうがいい、と言い切れる。
 ただ後半は展開が早いので、そのスピードにぜひ着いて行って欲しい。乗り遅れると面白さは半減します。
 就職情報誌じゃん、と僕が言った意味をきちんと考えながら観ると乗り損ねずに済むかも…?

リクルート

リクルート

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/07/14
  • メディア: DVD

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