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ゴッドファーザー PARTⅡ [2005年 レビュー]

ゴッドファーザー PARTⅡ」(1974年・アメリカ) 製作・監督:フランシス・フォード・コッポラ

 『神が何と言おうと世の中には二つの道理しかない。それは「許せる」こと「許せない」ことだ』

 PARTⅡのテーマはこれかと思う。
 ドンとなったマイケルは、フレド、コニー、ケイを許せるのか。
 仮に亡き父、ビト・コルレオーネだったらどうしたのか。
 
 マイケルの与えた幾つかの「許し」を文字に置き換えたらどんな言葉が当てはまるのか、と考えて広辞苑を引く。改めて調べてみたらちょっとした驚きがあった。それは同様の言葉が意外に沢山あったからだ。

 
 【赦免】罪を許すこと。過失を許すこと。
 【赦罪】罪をゆるすこと。赦。
 【免罪】罪を免ずること。赦免。
 【容赦】ゆるすこと。許容。
 【放免】はなちゆるすこと。
 【解放】解き放つこと。束縛を解いて自由にすること。
 【恩赦】行政権によって犯罪者に対して刑罰権の全部または一部を消滅させる処分。
 【大赦】古代の律の赦の一。全国的にほとんどの罪人を放免すること。
 【勘弁】過失を許したり、すべきことを免じたりすること。
 【宥恕】寛大な心でゆるすこと。ゆるしてとがめないこと。ゆるし。
 【黙許】知らぬ風をして許しておくこと。めこぼし。みのがし。黙認。
 【黙認】公然としてでなく、暗黙のうちに許可すること。知らぬふりをして、見逃すこと。
 【許容】許しいれること。許すこと。
 【寛恕】ひろい心でゆるすこと。

 僕は「単に“許す”と言ってもいろんな許し方があるんだな」と思った。
 そして相手の置かれている状況にもよるけれど、基本は許しを与える側の立場で言葉が変わるということも知った。
 「許しを与える者」とはなんと「位の高い者」なのだろう。
 マイケルはフレドを、コニーを、ケイを許したのか?
 許してはいない。
 だからPARTⅢで懺悔の道を歩むのだ。
 
 初めてこのPARTⅡを観たとき僕は父のことを思った。
 そ
れまで気に留めたこともなかった父の生涯と、僕たち兄妹が産まれたときの父の表情を。
 そして、僕にそんなことを思わせた映画の力にも驚いた。
 今日僕はマイケルの立場にいた。
 「僕は人を許せるのか」
 許せないのだとしたら、僕もまた位の低い人間なのだ。
 苦悩は続く。

ゴッドファーザー PART II

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  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: DVD

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香港国際警察 [2005年 レビュー]

香港国際警察」(2004年・香港) 監督:ベニー・チャン 脚本:アラン・ユエン

 ぐずぐずの香港アクション映画です。
 しかしジャッキー・チェン老けたなあ。ときどきチェ・ミンシクに見えるくらい老けてた。「酔拳」から観て来た僕たちのようなファンには我が事のように悲しくなりますね。
 もともと「ポリスストーリー」シリーズって過去3作品とも別段面白いと思ってなかったのですが、この新作も見事に面白くないです。しかも異常なまでのつまらなさ。
 
最大のネックは敵グループが子供ってことだと思います。この瞬間にリアリティはなくなりました。
 勧善懲悪モノのドラマは観客に敵を憎たらしく思わせるのも大切ですけど、その憎憎しさを後半どう解消させるかにも知恵を使わないといけないと思うんです。これは完全にバランスの世界。
 例えば、【育ちのいい5人の子供が8人の警官を殺しました。この恨みをどうやって晴らすと観客は納得するでしょう?】という問題を解くつもりになればいいんですね。もちろん答えはいくつもあります。いくつも出た答えの中から、もっともカタルシスを感じるものを選んで、スタート地点に戻り、伏線を引き、肉付けをしていくとそこそこのドラマが完成する気がするんですけどね。
 とにかく縦軸がしっかりしていないくせに、枝葉がいくつもある映画だったような気がします。

 ジャッキー・チェンの映画で一番面白かったのは「プロジェクトA」だったなあ。
 …なんてことを思い出した秋の夜でした。

香港国際警察 NEW POLICE STORY (通常版)

香港国際警察 NEW POLICE STORY (通常版)

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/08/26
  • メディア: DVD

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ゴッドファーザー [2005年 レビュー]

ゴッドファーザー」(1972年・アメリカ) 監督:フランシス・フォード・コッポラ

 この映画を観るたび僕は毎回感動します。それは「命を懸けて真剣に作れば映画はここまで面白くなる」ということを教えてくれるからです。
 僕は自分を鼓舞するときにいつもこの映画を観てきました。そして「努力は必ず報われる」と自分に言い聞かせるのです。

 細かい点の再発見や感動も毎回あります。
 今回は改めて気がついたのは、登場人物たちの台詞と行動にまったくブレがなかったこと。特にドンの息子達。
 ソニー、フレド、マイケルの三兄弟。そして相談役のトム。登場人物の背景を緻密に構築し書かれた脚本には寸分の隙間も一点の曇りもありません。それぞれの行動と発言に観客が違和感を感じないというのは凄いことだと思いました。
この映画の「脚本起こし」をすると、とてつもない勉強になるような気がします。

 初公開以来、世界中の人たちがこの映画を賞賛してきました。これ以上僕が何を語っても、すべて先人たちの言葉と重複することでしょう。ただひとつだけ僕が確信を持って言えることがあります。

 「映画とは緻密な計算によって完成する芸術である。その見本がここにある」

ゴッドファーザー

ゴッドファーザー

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: DVD

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タッチ・オブ・スパイス [2005年 レビュー]

タッチ・オブ・スパイス」(2003年・ギリシャ) 監督・脚本:タソス・ブルメティス

 映画って基本は自国をマーケットに作っていますから、その国の事情を知らないと楽しめない外国映画は多々ありますよね。
 この「タッチ・オブ・スパイス」もそうです。「なんだかおもしろい映画らしいよ」って巷の評判だけでボーッと観てしまうと確実に失敗します。僕みたいに(笑)。
 この作品の場合は【ギリシャとトルコがこれまでにどんな関係にあったか】と【イスタンブールという街がいかに歴史に翻弄された街だったか】を少々かじっておくと楽しめると思います。そうでないとアタマの上に何度か「?」が現れることになるでしょう。

 判りやすく言うと「トルコに住んでいたギリシャ人がイスタンブールを追われる頃のある家族の物語」です。主役はスパイス屋を営んでいた老人の孫。おじいちゃん子だった少年は戦争の影響で祖父と離れ離れになり、また初恋の相手だった女の子とも別れる羽目になります。
 祖父からスパイスの効能を学び、初恋の女の子との“おままごと”を通して料理の面白さを知る。やがて少年は小学生にして料理の天才と呼ばれるようになるのですが、のちに天文学者になる。
 …ちょっと面白い展開ですよね。でもこの流れ、映画の中では時系列で紹介されません。ここら辺りの構成は面白いと思います。
 個人的には初恋の女の子にまつわるエピソードが意外で面白かったな。
 それと美味そうな料理が並ぶ映画は絵がキレイで面白いし、料理の上手い男はカッコイイ。ちくしょう、もっと勉強しよう(笑)。

 僕はギリシャとトルコの事情を知らずに観たせいで、この映画本来の良さを汲み取れずに終わった気がします。残念。いつかもう一度観ようと思います。

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/09/16
  • メディア: DVD

 

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ひとまず走れ! [2005年 レビュー]

ひとまず走れ!」(2001年・韓国) 監督・脚本:チョ・ウィソク

 これまで僕が観て来た韓国映画では過去最悪。ひどすぎる。
 高校生3人の乗ったクルマに大金と男が降って来て、その金をちょろまかそうとする3人と、取り返そうとする男たち、そして事件を解明しようとする刑事が絡んできたりするんですが、いったいぜんたい何を面白がればいいのかさっぱり意味不明。
 この手のストーリーは「金」なのか「犯人」なのか「交差する人間模様」なのか、とにかく何かひとつ軸を決めて展開しなきゃいけないのに、その軸が無いもんだから完全にブレてるんです。
 この監督はガイ・リッチーやSABUといったところを目指したのかもしれませんが、あまりにお粗末。演出家としても脚本家としても未熟すぎ。まったく観る価値無し。久々の「ヘタレ指定」映画です。

ひとまず走れ!

ひとまず走れ!

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/09/23
  • メディア: DVD 

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オオカミの誘惑 [2005年 レビュー]

オオカミの誘惑」(2004年・韓国) 監督・脚本:キム・デギュン

 韓国で大ヒットしたインターネット小説の映画化だそうです。
 前半笑えて後半泣ける構成にしたりして、明らかに「猟奇的な彼女」を意識してる気がしました。でもコイツはちょっといただけません。
 内容は、敵対する高校のイケメン番長同士が、田舎から出てきた大して可愛くもない(早い話がブスなんですけど)転校生に恋をするという話です。もちろんこれだけじゃありませんが、この時点ですでに意味が分かりません。街を歩けば女子高生にバシバシ写真撮られてるようなイケメン番長2人が、そんな女に惚れるはずなかろうて!(笑)。
 男の子2人はまずます良いです。TBSの安住アナに激似のチョ・ハンソンと、アンジャッシュの渡部と沖田浩之(もう誰もしらないか?)を足して2で割ったようなカン・ドンウォン。「こんな2人に追いかけられたい~!」と思える女子は「アイドル映画」として楽しめるんじゃないでしょうか。
 男の(しかもオッサン)客としては主役のイ・チョンアがどうにも可愛らしく見えなくて、最後の最後まで気持ちが入って行きませんでした。でもこの役をペ・ドゥナがやってたら、どうだったかなあ。もうちょっと良かったかも。
 いえ。何がダメって一番は脚本です。役者のせいなんかじゃありません。
 脚本はもっと刈り込む必要アリ。余計なエピソードや遠回しな表現もやめて、もっとストレートに行くべきな箇所がいくつもあります。
 とにかく115分は長すぎだし、映画としてのクオリティは低かったです。

オオカミの誘惑 デラックス版

オオカミの誘惑 デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: DVD

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トニー滝谷 [2005年 レビュー]

トニー滝谷」(2004年・日本) 脚本・監督:市川準 原作:村上春樹 主演:イッセー尾形

 わずか74分の映画が終わってプロジェクターの電源を落としたら、まだ22時を回ったばかりだった。僕は鏡を覗いて髪を直し財布を持って部屋を出た。

 原作モノの映画は、例え原作を読んでいなくても楽しめる作品であるべきだと僕は思ってる。
 だから僕は原作を読まずに映画を観て、純粋に映画の感想だけを書いてきた。
 でも今夜は違った。
 僕は原作を探しに出ずにはいられなかった。近くの書店にそれがある保証はなかったけれど、とにかく僕は映画を観ただけでこの記事を書く気にはなれなかった。なぜなら、僕はこの映画についてではなく、映画化されたこの作品を村上春樹がどういう気持ちで観ていたかに興味を持ったからだ。だから僕はこの原作を読む必要があったのだ。

 22時過ぎに書店が開いていることもありがたいが、もれなく「レキシントンの幽霊」(文春文庫¥429)の在庫があったこともありがたかった。
 書店を出て立ち読みしながら帰宅。バスタブに湯を張り、半身浴しながら読み終えた。
 村上春樹になった気分で感想をひねり出してみる。
 「よくもまあ、真正面から作ってくれたもんだな」
 これが最初に出た感想だった。

 村上春樹の作品は映画化には不向きだとよく言われる。
 ベストセラーになった「ノルウェイの森」だって、「ダンス・ダンス・ダンス」だって映画化を企画した人は沢山いただろうと思う。だけどそれが実現していないのには確固たる理由があるはずだ。
 なんと言ってもエンタテインメント小説じゃない。最大の理由はここだろうと思う。そんな“映画化に不向きな作品ばかり書く作家”の「トニー滝谷」という短編を、市川準さんが映画化したと聞いて僕は「なるほど市川さんらしいな」と思った。そして「市川さんじゃなきゃ、村上春樹の映画化は難しいかもしれない」とも思った。なぜなら映画監督市川準は、およそエンタテイメントとは縁遠い作品ばかり撮ってきた人だからだ。
 全篇ナレーションにごく一部セリフが入るという(しかもナレーションの続きをセリフとして語らせると言う構図も)大胆な脚本は、市川さんが村上春樹の世界を極力壊さないように考えた結果なんだろう。もしかして、一度はすべてセリフに置き換えたのかも知れないけれど、結局それは村上春樹じゃなかったのだ。
 そして、おそらく市川準は村上春樹そのものを映像化したかったのだと思う。

 しかし映画と原作の決定的な違いがひとつある。
 映画のテーマは「愛」だったが、小説のテーマは「孤独」だった。
 この違いは面白い。
 
 村上春樹、市川準、宮沢りえ。
 この3人のうちの2人以上を好きなら、「トニー滝谷」は見てもいい。
 また、原作を読まずして映画を観ようという人に、原作にあるけれど映画にはなかった重要な情報をひとつここでお教えします。小説から一部抜粋。

 『トニー滝谷は暇さえあえば仕事をしていたし、これといって金のかかる趣味も持たなかったの 
 
で、三十五歳になるころにはちょっとした資産家になっていた。人に勧められるままに世田谷に
 大きな家を買い、賃貸用のアパートも幾つか所有するようになった。税理士が全部その面倒を
 みてくれた。』

 村上春樹と市川準のコラボレートによって生まれた全く新しい世界。興味のある人はぜひ観てみて下さい。面白いとか面白くないの次元を超えてます。

トニー滝谷 プレミアム・エディション

トニー滝谷 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: DVD

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メゾン・ド・ヒミコ [2005年 レビュー]

メゾン・ド・ヒミコ」(2005年・日本) 監督:犬童一心 脚本:渡辺あや

 設定はおもしろい。
 オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、というキャスティングもいい。
 海辺のペンション風老人ホームのプロダクションデザインも良かった。
 でも脚本はどうだろう?

 先に断わりを入れておくと僕はゲイではありません。ただ10年近く、ゲイのマスターが営むスナック(安易にゲイバーとは言わない。本人がそういう呼び方を一度もしなかったから)の常連だったことはあります。それを踏まえて。

 脚本を不満に思った最大の理由は「ゲイのこと分かって書いてる?」の一点です。
 もちろんホンモノのゲイがこの映画を観て「よく出来た映画ね」と言う可能性もあるけれど、僕が知る限りにおいて、水商売に従事していたゲイの言葉の選び方(セリフ)はこんなに生易しくありません。今で言うなら細木数子のコメントぐらい意外性と信憑性と重量感があるんです。それがこの作品では微塵も感じられなかった。例えば田中泯さんに言わせたセリフにしても「安いオカマのボヤキ」でしかないものが沢山あります。
 ヒミコ(田中泯)と娘の沙織(柴咲コウ)が初めて対面するシーン。ヒミコは新しいアルバイトかと思って声をかけた沙織がすごい形相で自分を睨みつけるのを見て、「あなた、もしかして…」と言います。もちろん「あなた沙織?」という意味ですが、見ている人間は100人が100人分かります。だから「もしかして…」まで言わせる必要はまったく無いんです。これはヒミコの気持ちを語らせた“説明セリフ”で、脚本の勉強をすると一度は「こんなの書くんじゃねー!」と怒られる類のセリフなのです。なんなら言ってみて下さい、「もしかして…」。最近この副詞を単体で使ったことがありますか?きっと無いと思います。
 脚本を書くにあたっては当然ゲイの取材もしただろうに、その成果はどこにも見当たりませんでした。まったく残念。
 また欲を言うなら、泯さんにはずーっと同じテンポで台詞を言って欲しかった。ちょっとゆっくり過ぎない?ってくらいのスピードで通していれば、死に行く老ライオンのような“気高さ”を表現できたのに、と思いました。登場してから最初の台詞を言うまでの泯さんは鳥肌が立つほどの凛々しさだったからね。

 ゲイたちのセリフに期待した以上のものは何一つなかったのですが、沙織のセリフにはひとつだけ、とびきりいいセリフがありました。ネタバレになるのでシチュエーションは割愛しますがあるシーンで
 「触りたいところ無いんでしょ?」
 と、言います。唯一このセリフだけは秀逸だったと思います。

 柴咲コウ。
 最近この人は何やっても「柴咲コウ」になっちゃってる気がします。
 木村拓哉がどんな役をやってもキムタクでしかない状態に近いのでちょっと危うい気がしました。
 オダギリジョー。
 映画に付き合ってくれた女性が「一度もベルトしてませんでしたね」と言って僕を驚かせました。女性の目線ってやっぱりスゴイ。それにしてもどうしてなんでしょうね。ゲイはベルトしないのかな?あ、だからオダギリジョーの話(笑)。役者としての“振り幅”がここ数年で拡がってますね。ますます味が出てきました。

 田中泯さん。
 素敵すぎて絶句です。泯さんじゃなかったらこの作品は成立してないんじゃないですかね?
 他に誰をキャスティングすればいいのか僕は完全にノーアイデアです。

メゾン・ド・ヒミコ 通常版

メゾン・ド・ヒミコ 通常版

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/03
  • メディア: DVD

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バッファロー’66 [2005年 レビュー]

バッファロー'66」(1999年・アメリカ) 監督・脚本・音楽・主演:ヴィンセント・ギャロ

 食わず嫌い映画とでも言いましょうか。
 近しい誰かのプッシュがなければ絶対に観ない映画ってあるもんですが、これもまさにそれ。
 僕にとっては、「そこにいることは知っていても決して手を出さずにいた」1本です。
 その理由。①
タイトルから何も想像出来なかった。②ヴィンセント・ギャロの顔が嫌い。たったこれだけです。なんて可哀想なヤツ(笑)。
 「バッファロー'66」とは、ヴィンセント・ギャロ演じるビリー・ブラウンの「生まれた場所と年」のことでした。もっと意味深かと思ったらそうじゃないんですね。映画の冒頭でそれが分かるから、映画に対して構えちゃっていたものがフッと取れてリラックスした状態で観ることが出来ました。

 これは非常に作家性の強い作品です。何しろこの映画は完全にヴィンセント・ギャロの世界。
 ビリーとレイラが一緒に行動する理由や、実家でのテーブルでのやりとりの撮影法、またはオプチカル処理などに対して、「ワケわかんね」と言う人もいるでしょうが、これはもう「小説家の文脈」と同じなので、これを嫌いというならこの映画も好きにはなれないでしょう。
 しかし特筆すべきはヴィンセント・ギャロ自身を投影したビリー・ブラウンというキャラクターの意外性。中でも後半レイラとのやりとりは笑ってしまうくらいの展開でした。
 「巷で流行っていると聞いて手にした小説が思いのほか面白かった」
 僕はそんな印象を持ちました。
 ヴィンセント・ギャロもクリスティナ・リッチもとにかく可愛くて、笑えるシーン満載の映画です。ジャケのアートワークからはまったく想像も出来ませんけどね(笑)。

バッファロー'66

バッファロー'66

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2000/03/17
  • メディア: DVD

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ファースト・キス [2005年 レビュー]

ファースト・キス」(1998年・韓国) 監督:キム・テギュン 脚本:パク・チョンウ

 「冬ソナ」の4年前にチェ・ジウが出演した“超B級”ロマンチックラブコメディーです。

 監督のキム・デギュンはこのあと「火山高」「オオカミの誘惑」を撮る人(僕はどちらも未見)ですが、この作品はまったく中途半端な安い映画になっちゃってます。
 やりたいことは何となくわかるけど脚本は不完全、撮影も照明も音楽のセンスも良くない。ただただチェ・ジウが可愛いから許せるだけなんです。チェ・ジウじゃなければ今さら日本で公開する理由は何もなかったでしょうね。
 一応ダメ出ししときますか。
 ・
どう見ても20代半ばの設定である主役の2人がキスの経験すらないという設定に無理がある。
 ・チェ・ジウは「メガネを外すと可愛いはず」で引っ張ったくせに、メガネを外して出社したシーンの
 ヘアメイクと衣装がまるでダサい。
 ・チェ・ジウの相手役、アン・ジェウクがカッコよくない。早い話がキャスティングミス。
 ・脇役たちの人物設定に意味を感じない。
 …と、まあこんな感じ。とにかくチェ・ジウの可愛いらしさで押した映画です。

 ただこの映画、驚くことがひとつありました。
 それは、イ・ヨンエとチャン・ドンゴンが映画俳優の役でカメオ出演していること。ビックリしました。イ・ヨンエが若くて可愛い♪
 ん?考えてみたらチェ・ジウとイ・ヨンエの2ショットが観られるという意味で、これは貴重な作品かも知れませんよ。

ファースト・キス

ファースト・キス

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: DVD

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