ミッドナイト、マイ・ラブ [2005年 レビュー]
「ミッドナイト、マイ・ラブ」(2005年・タイ) 監督:コンデイ・ジャトゥララスミ
東京国際映画祭正式出品作品。公式HPでは次のように紹介されていました。
AMラジオを唯一の心の友とするタクシー運転手が、やがて娼婦の娘に一目惚れする。
『マッハ!』のウォンカムラオ主演。今年最高の発見と言われるタイ映画。
僕は出品作品すべての解説を読みましたが、ここまで絶賛した解説は他になく「これだけは絶対に観よう」と決めていたのでした。批評の力って大きいね。
さて、結論から先に言うと実にいい映画だと思います。主演のウォンカムラオが「もうこれ以上ない」と言うくらい素晴らしい演技をしていてエンディングでは久しぶりに泣きました。
ただし!あと10分弱短くしたほうがいい。と言うのも途中完全に中だるみしているんです。この映画、実際の尺は105分なんですが体感時間は2時間半くらいあります。これはもったいない!
もしもこの先、一般公開の予定があるならば絶対に編集をし直すべきです(後半の妄想シーンを一部カット。奇妙な老人にラブホテルに連れ込まれるのもカット。予告編にはあったのに本編で使っていないカットを復活させるなど、他もろもろ微調節。オレに編集やり直させてくれー!・笑)。この中だるみがなくなれば間違いなくヒットすると思います。
僕はラストシーンで「ラブソング」(1996)を思い出していました。
知る人ぞ知る名作ですが、この「ラブソング」と「ミッドナイト、マイ・ラブ」にはいくつか共通点があります。興味のある方はぜひご覧になってください。
最後に。
この作品で一番心打たれたのは「タクシー運転手と娼婦には共通点がある」と語らせた独白です。心に染みるせつない言葉でした。
好きと言えるまでの恋愛猶予 [2005年 レビュー]
「好きと言えるまでの恋愛猶予」(2002年・フランス) 監督・脚本:フランソワ・アルマネ
タイトルが面白そうだったので観てみた。
もしかしたら「ぐずぐずしてねーで、さっさと言うこと言ってやることやっちまえよ」ってイライラする映画かも知れないな、という思いはあったけれど、だからこそ「どうやって94分もたせているんだろう?」って興味もあった。
観ていて驚いたことが2つ。
まず主演のマチュー・シモネ(男)がすごく可愛い!まるで少女マンガに出てくる美男子(死語か?)みたい。完全に僕好みです(笑)。例えるならアイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーを足して2で割って高校生にした感じ(誰が判るんだ)。ちなみにマシューの実のお父さんはジャック・ペラン(「ニュー・シネマ・パラダイス」の成人したサルヴァトーレ役で、「WATARIDORI」の総監督)でした。
もうひとつはこの映画自体が、古いところで言うと「青い体験」(1973年・イタリア)や「グローイング・アップ」(1978年・イスラエル)と同様のエロチック青春映画であったこと。描き方の差こそあるけれど(このフランス映画は、フランス映画だからなのか、セックスに対してあまりガツガツしたところが無かった)、もしやロマンチックな青春映画かと思ってカップルで観てみるとちょっと痛い目に会うかも知れない、そんな映画です。ファジーな邦題にだまされてはいけません(笑)。
ところで「好きなのにハッキリ言わない」って引っ張りで94分もつのかどうか、という問題に関しては、①主役の女の子が可愛いこと(当たり前だ)。②好きだと言えない明確な理由かあること。この2つがあれば成立するかも知れません。ちなみにこの映画にはその2点が欠けていました。
おしまい。
たまゆらの女 [2005年 レビュー]
白磁の染付け絵師チョウユウ(コン・リー)が詩人と獣医というタイプの異なる2人の男の間で揺れる悲恋物語。
これは僕の理解力の問題もあるけれど話の内容がよく呑み込めない映画でした。自分で気がついたのは「時系列をいじられると余計な意識を使うのでついていけない傾向がある」ということ。すいません、あくまでも僕個人のことです(笑)。「21g」のとき以来のチンプンカンプンだったかな。もしかしたら吹き替え版で見ればもう少し理解できたのかも知れません。なんて字幕のせいにしたりして。
話の流れとは別に目を奪われたのは映像の美しさ。中国映画の強みはロケーションそのものに力があるところです。
この作品は雲南省の古都、建水と、四川省の重慶という2つの土地を舞台に展開するのですが、スン・チョウの切り取る絵が絶品。時に俳優の表情ではなく背景に目を奪われる瞬間があるほどです。
コロコロと変わるコン・リーの表情も見どころのひとつ。僕はこの人ほどいくつもの表情を持つ女優を知りません。山口百恵、大竹しのぶ、吉永小百合、渡辺えり子、上戸彩。今回はこの5人の女優の顔をコン・リーの中に見つけました。恐るべしコン・リー。
幸福の鐘 [2005年 レビュー]
「幸福の鐘」(2002年・日本) 監督・脚本:SABU 主演:寺島進
アタシSABUチャンのこと好きでねえ。監督デビュー作から観てるのよ。
「弾丸ランナー」(1996)、ありゃ面白かったね~。DIAMOND☆YUKAIが「ヒホヒホ」言いながら走ってるのなんて可笑しくて可笑しくて。「こりゃ面白い監督が出てきたわね」って思ったわよ。
「ポストマンブルース」(1997)でも堤真一が走らされてたわねえ。でも堤クンは「ドラマ」でも「舞台」でもない「映画俳優」としての引き出しを開けた映画だったわよね。そういう意味でもこれはいい映画よ。
「アンラッキー・モンキー」(1997)はおバカな映画よねえ。笑っちゃうくらいバカ。人の不運ってホント可笑しいのよ。堤クンのアホ面もなかなかグーよ。
「MONDAY マンデイ」(1999)は初期のSABUちゃんの中で一番の傑作かもね。酒飲みの男なら誰もが一度は経験する「記憶の無い一夜」を破滅的なコメディに仕上げてるのよ。これが一番のオススメかしらねえ。でね、この頃がSABUちゃんの最初のピークなのよ。
「DRIVE ドライブ」(2001)になると、ちょっと失速した感じがするわね。だいぶSABUちゃんのパターンが読めてきちゃったし、「またその展開?」みたいな感じがするのよねえ。
で、いよいよ「幸福の鐘」よ。
SABUちゃんはここでパターンをガラリと変えたのよねえ。やっぱり前回いろんなこと言われたのよ、きっと。
それまでは基本的に「受身」の映画で「何かに追われる」っていうのが基本スタイルだったのに、「幸福の鍵」は誰にも何にも追われてなくて、逆にいろんな人に出会って行くのよね。しかも寺島進がひたすら歩いてるの。これはねえ、ちょっとツライわよ~。
SABUちゃんが言わんとすることは最後の最後に分かるんだけど、そのオチのために80分くらいの長~い前フリをず~っと見せられるワケよ。どんなゴールが待ってるのか分からない映画って見るのってツライでしょ?わかる?ゴールがどこにあるのか分からないのに走るバカもいないでしょ、ってことよ。だからこの映画は【走ってない】のよ。寺島進が【歩いてる】のよ。【彷徨ってる】のよ。あら?ちょっといまアタシ上手いこと言ったわね。まあそういうことよ。今回はちょっとガッカリよね。
でもねえ、毎回毎回ヒット打つのなんて難しいんだからさ。ロッテの今江の連続ヒットだっていつかは止まるのよ。今江知らない?アンタ野球観てないの?ま、いいけどさ、そういうことよ。それでもまたいつかヒットは出るんだから。だからアタシはこれからもSABUちゃんの映画観るわよ。はい、じゃあまた明日ね。
漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他) [2005年 レビュー]
「漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他)」(2004年・日本) 監督:山口雄大
うちのアシスタント(23歳・女子)が「ぜ~~~~ったい面白いですから見て下さい!」と佐世保でハンバーガーを食べてる頃から言っていたのを昨夜ふと思い出して観てみる。
監督の山口雄大は「魁!クロマティ高校 THE★MOVIE」を撮った人で、うちのアシスタントは「クロマティ高校もかなり面白いんですけど、まずはババアゾーンを見て下さい!」と言っていたのだ。
しかし…これが予想通りまったく面白くない(笑)。
いや、ちょっと待て。
そうは言っても、うちのアシスタント(23歳・女子)は面白いと言ったのだ。もしかしてこの笑いを理解する感覚がオレに無いだけか?と気になったので今日の朝、会社で聞いてみた。
「ババアゾーン見たけど、全然面白くなかったぞ。あれのどこか面白いんだ?」
するとうちのアシスタント(23歳・女子)は僕を振り返らずに「へへへ」と軽く笑って、
「あのくだらなさが面白いんですよ」
と言い放った。
「なんだよ。クルッと一周して面白くなるって類の笑いかあ」
その瞬間、どーでもいいや、と思った。
笑いは難しいです。
ちなみに、タイトルの「ババアゾーン」は「トワイライトゾーン」に引っ掛けたのかな?
多分そうなんじゃないかと思います。どーでもいいですけど。
「魁!クロマティ高校」を観る気力が軽く失せました。
ホワイト・ライズ [2005年 レビュー]
これは久しぶりに面白い映画だった!…と褒める気マンマンでいたら、なんとヨーロッパ映画「アパートメント」(1996)のリメイク作品でした(笑)。その事実を知ってちょっとトーンダウンはしちゃいますが、個人的には「掘り出し物」を見つけた気分です。
広告代理店に勤めるマシューはとあるレストランで、2年前に突然姿を消した恋人、リサのうしろ姿を目撃してしまう。
「彼女はなぜ自分の前から姿を消したのか」
その理由が知りたい一心で、マシューはすべてを投げ捨てリサの姿を追い求める。やがてリサのアパートを突き止め訪ねるものの、そこにいたのはまったく別人のリサだった…。
ジル・ミモーニのオリジナル脚本が優れているのだと思いますが、視点を変えて見せることで、まったく違った意味合いを持たせることが出来る、という映画の特性を見事に操った佳作です。
内容に触れずこの映画のポイントを語るとすれば、「パズルが目の前で解けていく気持ち良さと同時にせつなさも覚えてしまう映画」と言うことになるでしょうか。
主演のジョシュ・ハートネットが良かった。以前は「マット・デイモンとキャラが被ってて可哀相」と思っていたのですが、この役はかなりはまっていたと思います。
また「トロイ」「ナショナル・トレジャー」と話題作の出演が続いたダイアン・クルーガーが最高に素敵。でもこれは個人的な趣味の問題ですかね。とにかくキレイ。ど真ん中のストライクです(笑)。
ちなみにこの作品、GEO青物横丁店での分類は「洋画ミステリー」でした。
ミステリーマニアを自負する方にとっては物足りないかもしれませんが、それ以外の方には楽しんでもらえる映画だと思います。一種のデート映画と言ってもいい。週末カップルで見るには持って来いの1本です。
海を飛ぶ夢 [2005年 レビュー]
「海を飛ぶ夢」(2004年・スペイン) 監督・脚本:アレハンドロ・アメナーバル
事故によって四肢麻痺になり、20数年間寝たきりの生活を送っていた男が「尊厳死」を決意する実話で、2004年・第77回アカデミー外国語映画賞を獲得した作品です。
ドラマの見どころは尊厳死を望むラモン・サンペドロの家族を含む周囲の人々の葛藤。
「死なせてやりたい」という気持ちと「生きていて欲しい」という気持ち。ラモンを愛する人々はそれぞれの立場で彼の決意を受け止めようとします。しかしその答えを見つけることが出来ません。観ている私たちも登場人物を通して「究極の選択」を迫られます。
何のためにラモンの尊厳死を認めるのか。
僕はラストシーンまで結論を出すことが出来ませんでした。
ただひとつだけ確信したのは、「法と倫理が絡む尊厳死問題を、本当の意味で審理できるのは当事者だけだ」ということ。
第三者が問題にするのは「尊厳死に手を貸した人間は殺人罪に問われる」というこの一点のみで、尊厳死を望む者の人権には及びません。劇中ラモンが「生きるのは【義務】ではなく【権利】である」と主張するのですが、第三者にとってラモンは論外だったのです。
「死にたければどうぞ。我々が裁くべきはあなたに手を貸した、生きた人間ですから」
極論ですが、法を預かる第三者はこう言っているようなものです。
ラモンを取り巻く人々を演じた俳優達が皆すばらしい。
誇張された演技や台詞は一切なく、なのに彼らの鼓動が聞こえてきそうなほどの緊張感。それはスペインの田舎町に淡々と流れる時間を切り取って見せた監督の手腕でもあると思いますが、俳優の力なくして作り得なかっただろう独特の空気が画面上に漂っています。
僕は年齢のせいもあるでしょうが、最近はこんな物静かな映画が完全に好みになってしまいました。これは何度見ても感慨深い、また味わい深い「愛の映画」だと思います。
ラモンがイメージした、弁護士フリアと過ごす海岸のシーンが美しい。
大人の方々にオススメ。個人的には買いの1枚です。
余談。
実は、2003年・第76回アカデミー外国語映画賞を獲った「みなさん、さようなら」という作品も尊厳死を扱った作品でした。作品のテイストはまるで違いますが、2年連続でこんな映画を選ぶなんてアカデミー会員もなに考えてるんでしょうね(笑)。
クライシス・オブ・アメリカ [2005年 レビュー]
「クライシス・オブ・アメリカ」(2004年・アメリカ) 監督:ジョナサン・デミ 主演:デンゼル・ワシントン
原題は「THE MANCHURIAN CANDIDATE、影なき狙撃者(失われた時を求めて)」。
1962年、フランク・シナトラ主演で製作された「影なき狙撃者」のリメイク作品で、本作のプロデューサーにはシナトラの娘、ティナ・シナトラも名前を連ねています。
この作品は簡単に言ってしまうと「洗脳」という手段を使った大統領選にまつわる陰謀を描いたものです。僕はジョナサン・デミの名前で「信用借り」をして観たのですが、ちょっと肩透かしを喰らってしまいました。と言うのも洗脳の方法がちょっと強引なんですよねえ。
仮にこれが実話なら「権力を手にするためにそこまでするか!」という驚きもあるのですが、いかんせんフィクションですから、「いくらなんでもそこまではしないだろう」という思いのほうが強くなるんです。
「国家の陰謀」という底知れぬ怖さがあるわけでもないし(最後にちょっとだけあるけど)、そういう意味でも残念でした。
副大統領候補の母で自身も上院議員という役をメリル・ストリープが演じているのですが、この人はどんな役をやらせてもスゴイですね。メリル・ストリープという人間が完全に消えてますから。役になりきるとはこういうことかと、そこだけは感心して観ていました。
あと余談ですけど、この映画で頻繁に出てくる「Senator (上院議員)」という単語は「24 TWENTY FOUR」の影響で完全に覚えちゃってましたね。字幕で訳されていないシーンでも「あ、この人上院議員なんだ」って気がついたシーンがいくつかありました(笑)。
政治サスペンス系が好きなら観てもいいかなあ。女性には特にオススメしません。
クライシス・オブ・アメリカ スペシャル・コレクターズ・エディション
- 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: DVD
英語完全征服 [2005年 レビュー]
「英語完全征服」(2003年・韓国) 監督:キム・ソンス
悲しいかな“ブームに乗って一儲けしてやろう”って輩はどこにもいるもんです。
粗悪なソフトを乱発すると業界全体に悪影響を及ぼすと知っているはずなのに、目先の利益に目が眩む奴等。まったく腹立たしい。
僕はこの作品を責めるつもりはありません。確かにこの映画、出来は悪いです。だけど面白くない映画は世の中にごまんとあります。それをブームに乗っかって買い付けてくるな!と僕は日本の映画会社の連中に言いたいのです。
しかしどんなに怒ったところでこれが改善されることはないでしょう。とすると悲しいかな自分たちで地雷を踏まないようにするしかありません。
では、「面白くない韓国映画を見極める方法」はないものか。
あります。やっと気がつきました。
【製作されてから2年以上経過して日本で公開されたものは地雷である可能性が高い】
断定は出来ませんが、これがひとつの目安になると思います。
例えばハン・ソッキュとシム・ウナの共演でヒットした「八月のクリスマス」は1998年に製作され、日本では翌1999年6月に公開されています。
「シュリ」は1999年製作、翌2000年日本公開。他にも「友へ チング」(2001年)、「殺人の追憶」(2003年)、「オールドボーイ」(2003年)も製作の翌年に日本公開されていて、「ブラザーフッド」(2004年)や「僕の彼女を紹介します」(2004年)などは同じ年に公開されているんです。
ヒット作はすぐに売れます。だから日本でも時間を置かずに公開される。当たり前のことです。当たり前のことですが、僕は韓国映画に盲目になっていたのでこんな簡単なことにも気が付かなかったのです。
もちろん隠れた名作もあります。しかし断然「ハズレ映画」の方が多いです。これは僕が身を持って体験したことですから(この2年足らずで39本の韓国映画を観た)自信を持って言えます。
僕はこの仮説を裏付けるために、これからもチョイ古めの韓国映画を観続けます。でも週に1本くらいしか映画を観ないという方々は、僕の仮説を信じて借りる作品を吟味して下さい。
作品の話を少しだけ。
主役の女の子の設定は「メガネを外すときっと美人」のパターンなんですが、誰もが期待する展開になりません。そんなのアリですかね。僕が昔の少女マンガを読み過ぎてるからダメなんでしょうか?(笑)。イ・ナヨンがとても可愛い女の子だったので、僕は彼女の素顔を見たかっただけなんですけどねえ。まったく期待ハズレでした。
ザ・インタープリター [2005年 レビュー]
主演のニコール・キッドマンは国連の同時通訳者の役。
ドラマはサスペンス。
僕が勝手にイメージしたストーリーは、“国連通訳が聞いてはならない重要案件を耳にしてしまい、そのために命を狙われる”というもの。あるいは“重大な通訳ミスを犯してしまい図らずも事件が起きてしまう”というもの。
人の思い込みとは恐ろしいです。僕はこの作品が、自分で想像したストーリー展開にならないために、目の前の出来事がうまく呑み込めないという事態に陥ったのです。これは大失敗でした。
言い訳になるけれど、ちょっと分かりにくい展開でもあると思う。
国連通訳ともあろう人材が…と思ったし、だって演じてるのはニコール・キッドマンだぞ!とも思った。ま、僕は見た目で惑わされるような人間なんです。だってニコール・キッドマンがすごくキレイで可愛いんだもん(笑)。
ショーン・ペンが泣きもわめきもしない、極めてフツーの人間を演じていたのも驚きました。なんだよ、やれば出来んじゃん。しかも悪くないじゃん。
ホンモノの国連本部で撮影できたのは快挙だと思います。シドニー・ポラックがアナン事務総長に直接掛け合って撮影許可をもらったらしいです。うひょー。
この映画は国連本部の映像を観るだけでも価値があると思いますね。本会議場をまじまじと見る機会なんて滅多にないし、とても美しいデザインをしています。
もうひとつ褒めておくと、メイキングが良く出来ています。
シドニー・ポラックが丁寧にいろんなことを語っています。ワイドスクリーンとパンスキャンの違いだとか、映像に対するこだわりだとか。ホンモノの国連通訳者たちのインタビューも面白い。
もう一度観ることを考えても、このDVDは「買い」かな。